2022/07/11
3311.
「美々香」
「ん? 何だよこのクソ暑い時に話しかけんなよ」
「よく聞け。俺にはひとつだけ、胸を張って言えることがある」
「ハッ。何を言い出すかと思えば」
3312.
「大事なことなんだ。よく聞け」
「そんなに言いたきゃもう言えばいいだろ。どうせ私も暇だし」
「俺は、知っての通りどうしようもないヤツだが、ロリコンじゃなくて良かったということだけは、胸を張って言える」
「ホントだよマジそれだけはなくて良かったぜ」
3313.
「大して気にしたことなかったけど言われてみるとゾッとするな。お前ただでさえクズなんだからそんな犯罪者予備軍みたいな趣向なんて持つなよ? ・・・って、まさか!」
「待て!! 落ちつけ美々香! 落ち着いて聞くんだ!」
「お前がの方が落ち着けよっていうか間違ってもお前間違ったこと言うなよ!?」
「待て・・・っ! それだけは、それだけは保証する。いいから黙って聞いてくれ」
3314.
「まず、このゲームを見ろ。一見普通のRPGだが、まぁ主人公がモテにモテる」
「まぁゲームだしな。そういう部分もあるだろう。それで?」
「それでだ。俺は正直ヒロインよりもこっちのお姉さんキャラの方が好みだ。このゲームの中で一番な。それでだ。そのことを前提にこれからの話を聞いて欲しい」
「おい待てやめろ何でそれが“前提”なんだよそれが全てでいいだろ。これ以上何も語ることなどない! 以上!!」
3315.
「勝手に話を終わらせるな! ゆゆしき事態なんだ!」
「ここで話が終わんねぇのが“ゆゆしき事態”なんだよ!!」
「だからこうして話を聞けと言っている!!」
「聞かされる方の身にもなれ!!!」
3316.
「ハァ、ハァ・・・少し落ち着こう。落ち着いて、話をしよう・・・」
「そうだな・・・ハァ、ハァ・・・こうもヒートアップしてちゃあ、早とちりしちまう可能性もあるからな」
「よし、じゃあ、改めて、このキャラを見てみろ。ゲームの舞台となっている国のお姫様だ」
「なるほど。・・・確かに、姫と言う設定なだけあって可愛いな。よし、これでもう終わりでいいだろう?」
3317.
「残念ながら終わらない」
「いやマジで残念なんだが。っていうか人生最大の危機と言っても良いんだが」
「いいか。よく聞け美々香。設定上、この子は15歳。つまり、中学生相当だ。だが、あまりに可愛くて惚れてしまいそうなんだぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「やぁめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
3318.
「許せ! 許せ妹よ! この可愛さを前には、犯罪者予備軍などという蔑称さえも恐るるに足らず!!」
「バカ!! 落ち着け兄!! 冷静に考えろ!! そいつは姫だ! プリンセスだ! つまり! お前は! そいつの可愛さではなく! 姫と言う設定に惚れたんだ!! 見ろ! このゴージャスな装いを! こいつは間違いなくお前に裕福な生活を与えてくれる!! お前の心の奥底の! 無意識下に秘める幻想が! バイアスとなってこいつを可愛く見せているんだぁぁぁぁ!!!」
「くっ・・・なんだと・・・! いや違う!! 関係ない!! 見ろ! この可愛さを! プリンセスという身分など関係ない!! 俺は! 間違いなく! この子が平民として現れても! この可愛さゆえに惚れていたことは間違いないだろう!!!」
「黙れ!!! お前は我を忘れている!!! 冷静に見るんだ! 他のキャラたちを!! 高校生ゆえにスカートが短いじゃないか! 大人キャラだってタイトスカートゆえに膝より上!! そんな中! こいつだけは! プリンセスゆえにロング!! しかも! 中々お目に掛かれない! ブワッとしたタイプのプリンセスドレス!! この追随を許さない可憐なロングスカートが! お前の趣向に刺さってこいつを可愛く見せているんだぁぁぁぁ!!!」
3319.
「うおぉぉぉ・・・! 俺は、俺は・・・ロングスカートに魅せられていただなのか・・・! いや違う! 見ろこの可愛さを! 俺はこの子が平民であっても勿論、ロングスカートじゃなかろうとも愛せる自信がある!! そうじゃないとダメなんだぁぁぁぁぁぁ!!」
「その方がダメに決まってんだろぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
「放せ! はぁぁなせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
「はぁなすものかぁぁぁぁ!! お前の本来の好みはこっちのお姉さんタイプだぁぁぁ!! 100時間みつめて本来の自分をとぉり戻せぇぇぇぇぇ!! ぬぅぅぉぉぉおおおおおおおおおおおおおお!!!!」




