2021/07/18
1741.
「友よ!」
「友よ!」
「・・・せーのっ」
「「プール!」」
1742.
「今日はめいっぱい遊ぼ~~!」
「イェーーイ!」
「2人とも明日から試験なのに大丈夫なの?」
「「それを忘れるためのプールさ!」」
1743.
「ほら、息抜きが大事って言うでしょ?」
「フッ良いことを言うじゃないか友よ。その通りだ」
「今までも十分に遊びまくってたでしょう・・・」
「それとこれとは別問題。1度も泳がずにテストは迎えられないねえ!」
1744.
「ほぉ~ら雷太~、女子高生3人の水着だよ~~?」
「0歳児から早々に目覚めさせようとすんなよ」
「この3人で迫ってもトラウマにしかならないでしょう」
「自虐もやめろ」
1745.
「今のうちに女のカラダ教えとかないと後で可哀想なことになるかもじゃん!」
「どうせ覚えてないから一緒だろ」
「覚えてたとして、私たちじゃ意味ないでしょう」
「さっきからみずきは何なんだよ」
1746.
「雷太君は私が見ておくから、2人は泳いでくれば?」
「あー出たよ出たよ大人しくする宣言。何なの?」
「ナンパ対策よ。男子と一緒にいれば誰も寄って来ないでしょう」
「いや0歳児が役に立つとは思えんが?」
1747.
「そしたら、あれよ。子持ちだと思ってナンパされにくくなるかも知れないじゃない」
「いや無理あるだろ。弟か親戚の子にしか見えねーよ」
「大丈夫。赤ちゃんの社会的地位は最上級。この子がいればナンパ野郎が来ることはないわ」
「そんなことに利用すんなよ・・・」
1748.
「んじゃちょっと実践してみるか。 ・・・へーいカノジョ~~」
「何なのよそのシチュエーションは。まあいいわ乗ってあげる。 ・・・何? 見ての通り子持ちだからあなたたちとは遊べないわよ」
「子持ちだからこそ話しかけたのさ~。俺そういうシュミだからさ~~」
「どんなナンパ野郎なのよ・・・」
1749.
「あなたたちの趣味なんて知らないわ。他を当たって頂戴。欲求不満の奥さんなんていくらでもいるでしょう」
「でもやるんだミズりん・・・」
「いやーマジでキミ俺の好みにドストライクぅ~~?」
「自分の趣味がアウトだってまず知りなさい」
1750.
「アウトを攻めてこそのドストライクっていうかぁ~~?」
「ミミりんのキャラも中々だね・・・」
「そんなに私が好みなら、まずあなたには美々香ってやつの兄になってもらわなきゃいけないけど」
「ミズりんは元々の素が相当だったね・・・」
1751.
「いいよ、なっちゃうなっちゃう。美々香? ってコの兄に」
「なれるの? いいの? キツいわよ? かなり」
「イケちゃうイケちゃうマジいけちゃう。どんなクズいコの兄にでもなれちゃう」
「ミミりん・・・自分がクズって前提で役になり切ってるんだね・・・」
1752.
「そう・・・でも、これはどうかしら。この子、本当は私の子じゃないの・・・」
「アタシの弟だもんね・・・」
「バツイチでもバツニでもダイジョブだいじょぶ。俺とフィーチャーしちゃわない? バツサンいってみない?」
「なんで離婚する前提なのナンパくん・・・」
1753.
「あーもうしつこいわね。この子の親を呼ぶわよ!」
「ヒュ~~ッ! 保護者召喚ヒュ~~~ッ! 子持ち妻ヒュ~~~ッ!!」
「そういえばそういうシュミって設定だったね・・・」
「しょうがないから父親を呼ぶことにしましょう」
1754.
「パパ召喚ヒュ~~ッ! パパがいるからヒュ~~~ッ!」
「そんなに子持ちが好きならもう自分の親にアタックしなさいよ」
「俺のママあっちでナンパされててヒュ~~ッ!」
「助けなさいよ自分の親でしょう」
1755.
「ママの教えは“自分の好きを最優先”でヒュ~~ッ! それにママはボール5個分外れててヒュ~れないヒュ~~ッ!」
「それは何よりだけどせめてボール3個分ぐらいにしてあげなさいよ」
「だからキミで俺のストライクゾーンを歪ませてくれないか~い?」
「嫌よそんなの」
1756.
「ナンパくんのクセが強すぎて実践になってないね・・・」
「全くよ。もう終わりにするわよ美々香。疲れたわ」
「俺はまだキミを諦めきれないよ? 受け止めて欲しいんだこの思い! 受け止めちゃわない? この思い!」
「嫌よ」
1757.
「実はまだ言ってなかったことがあるんだけど、私は・・・未婚よ! 女子高生よ! あなたの趣味には合わないわ!」
「な、ニ・・・ッ!? 俺の、フィーチャーを、騙したのか・・・ッ!? 純粋な、男子を、もてあそんで・・・ッ!?」
「心配しないで、あなた全然純粋じゃないから。あとストライクゾーンもとっくに歪みきってるからそのままでいいわよ」
「ダメなんだッこのままじゃ! いつか俺は犯罪に手を染めてしまう・・・ッ!」
1758.
「その自覚はあったんだねナンパくん・・・」
「じゃああなたが子持ち妻に手を出す前に私の友だちを差し出すからその歪んだ心を正そうか?」
「自分を差し出そうよミズりん・・・」
「おぉ、なんと、女子高生・・・! 確かに俺のシュミと真逆! これはイケるかもしれない! 俺のストライクゾーンがド真ん中になるかも知れない!!」
1759.
「女子高生を、女子高生をくれ! 俺を正してくれる薬を!」
「いやもう逆に歪んで見えちゃうよナンパくん・・・ハッ、ミズりんダメだよ! ナンパくんも高校生じゃなきゃ女子高生でも犯罪だよ!」
「ええいややこしい! 誰か大人で独り身の女を連れて来なさいよ!」
「そもそもこのナンパくん助ける意味あるのミズりん!?」
1760.
「ナンパくん、申し訳ないわ。あなたを正すためだけに犠牲を出す訳にはいかないの」
「そんな! 俺の! 俺の! この溢れんばかりの想い、いや欲望はどうすればいいんだ~~!」
「もうさ、何かやらかす前に万引きでもして警察に捕まった方がいいわよ」
「ミズりん!?」
1761.
「大丈夫だよ、君はまだ若い。警察が嫌ならお寺とか、山に籠るのでもいいんじゃないかな。きっと、未来は変わると思うよ」
「ああ、なんとお優しい・・・! ナンパなんてしてきた俺のために、そんな嬉しい言葉を・・・! 俺、一生あなたについて行きます!」
「え、やめて反吐が出る」
「おおぅッ! 辛辣ッ!」
1762.
「ああ、でも、いい・・・ッ! 今のを、もう1回、お願いシャス・・・!」
「ヤバい方向に歪んじゃったよミズりん!」
ドゴッ!
「ウッ・・・!?」
1763.
「テメェみずき何しやがんだコラ!」
「いやもうワケわかんないわよ。ナンパというより変質者だったわよ」
「特訓なんだからこれぐらいの奴じゃないと成り立たないだろ?」
「色々と成り立ってなかったわよ今のは」
1764.
「ハァ。もう早く泳いで来なさいよ。そのためのプールでしょう」
「そうだったわ忘れてたぜ」
「んじゃ行こっかミミりん! ミズりん、雷太をよろしくね!」
「はいはい」
1765.
「ハァ、疲れたわ。美々香の演技だっとは言え、ナンパなんてされたらロクなもんじゃないわね」
「へ~いカノジョ~、ひとり~? 俺たちと遊ばな~い?」
ギロリ。
「は? 空気読んで?」
1766.
「え、いきなり辛辣!? 女子高生こわっ!」
「バッカだなぁ雄太。こういうのがいいんじゃないか。あぁッ、今のッ、シビれるッ・・・もっかいおなシャス!」
ドゴッ!!
「ハァ・・・さっきの実践が活きるとは思わなかったわ」