2021/02/28
1239.
「兄よ!」
「何だ!」
「農業について語ろう!」
「何でだよ。別にいいけど」
1240.
「おいおいオイオイ、いくら情報化社会と言ったって食べ物がなきゃ生きていけないんだ。農業に興味を持って然るべきだろ?」
「そりゃそうだが・・・前々回、前回とそこそこ真面目な話が続いたから作品が揺らぐぞ?」
「しょうがないだろ、お題の順に沿ってるんだから」
「どっから持って来てんだよそのお題・・・」
1241.
「てな訳で、農業の話だ」
「でもグローバリズムの話をやったら3回連続になるぞ」
「そこでだ、今回は、もっと農家の皆さんに感謝しようという方向で進めていこうと思う」
「まあ、ちょっとは違う話になるか」
1242.
「いま我々は、金さえあれば食べ物に困らないという素晴らしい状況にある」
「その“金さえあれば”ってのが大変なんだがな」
「でも野菜育てたりする方がもっと大変だぜ?」
「それは間違いないな」
1243.
「にも関わらずだ! 農家の方々は報われていない! みなが必要としてる食べ物を作り出しているのに! それに見合った対価を得られていない!」
「まあ、あの作者ならそういう考えになるか」
「これはおかしい! 全人類が必要としているものを作っているならば! 農家こそが一番の金持ちにならねば理屈が通るまい!」
「農作物を買い取って民衆に売りさばく商人の方が儲かるのが現実なんだよなぁ・・・」
1244.
「しかも小売システムは組織化され! さらには経営者の懐ばかりが潤うようになっている!」
「実質上の転売システムだからな」
「確かに・・・確かに、農家の人たちには物流までやる暇はない。営業のウデが及ばない部分もあるだろう。しかし! 奴らの儲けの道具を作っている最大の協力者であるにも関わらず、なぜ取り分が少ないのか!」
「仲介手数料がデカいんだな」
1245.
「仲介手数料! なんと恐ろしい響き!」
「場合によっちゃあ、仲介業者を通さないと取引できないこともあるからな」
「本来もっと安く買えるはずものが、高くなってしまうではないか・・・」
「仲介業者の存在によって雇用が生まれるのもまた事実だけどな」
1246.
「そこよ、そこ。農家になるよりも仲介業者に入った方が収入良いのがダメなんよ。ンなことしてたら誰も農家になんなくなるじゃん」
「実際、農業離れは起きてるしな。プライド高い奴ほどやりたがらない。手足をせっせと動かすのは自分のやることじゃないってスタンスだろう」
「ダサいとでも思ってんのかね。その“ダサいこと”をする人がいないと食うもの無くなるっちゅうのに」
「だからせめて、経済面だけでも報われれば話が変わるんだけどな」
1247.
「だから! 私は叫びたい! 連中がどれほど農家を見下していようとも! 私は農家の人たちを尊敬していると! 彼らは、雨にも負けず、風にも負けず、時には自然災害で全滅することがあろうとも、強く、強く、私たちに食べ物を届けるために、プライドを持ってやってるんだ! 年収しか誇ることのない連中がバカにしていいものではないんだ!!」
「お前にしちゃ珍しいこと言ってるな」
「なぜ・・・なぜ変わらないんだ・・・! バカにされるのは無視できても、連中の商売に利用される事実は覆らない・・・!」
「安く買い叩かれるのを防ぎたいところだが、外国産の安さを前には安売りするしかないんだよな・・・」
1248.
「解決策は私らが国産を買うことなのだが、いかんせんこっちにも生活費のやりくりがある」
「どうしようもないな」
「富裕層は国産を買ってくれてるとは思うが」
「そういうのはピラミッド式だからな。富裕層ってのは数が少ない。あと、べらぼうに裕福な人は高級食材の方に行くし」
1249.
「ちくしょう・・・私ごときにはどうすることもできんのか・・・。せめて、叫んだことに意味はあったと信じたい」
「結局、前回以上に真面目な話になっちまったな」
「安心しろ。次回は結構、いやかなり真面目度が下がる」
「最後に下げて終わるなよ・・・」




