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2021/02/20

1196.


「兄よ!」


「妹よ!」


「・・・せーのっ」


「「マグカップ!」」



1197.


「作者が、マグカップを断熱タイプのものに変えたらしい」


「今更かよ。もう冬終わっちまうぞ」


「あいつ、物持ち良いからな。前のやつも何年も使ってたやつだし」


「ただの捨てられない症候群だろ」



1198.


「いずれにせよ作者は、お茶とかカフェラテをあったかいままキープできるようになったワケだ」


「ああいうのってたまに、冷める前に飲まないと、とかで大して喉乾いてなくても飲んだりするからな」


「でも、作業とかゲームに集中してると気付いた頃には冷めてる」


「あいつ、行動が極端だからな・・・」



1199.


「しかし、マグカップの断熱化により、新たな問題が発生してしまう」


「何だ?」


「お湯の熱が外に伝わらなくてカイロ代わりにできなくなった」


「ああ、マグカップ本体があったかくならないのか」



1200.


「できれば長い時間あったかいままでいて欲しい、しかし、断熱タイプだと手をあたためられない。何というジレンマ!」


「言うほどのジレンマでもないだろ。カイロ買えよ」


「なんかあいつカイロ買わないんだよ。腹巻きとモモ引きは買ったクセに」


「あいつのこだわりもよく分からんよな」



1201.


「さて、夏場は水しか飲まない作者だが、冬はお茶とかカフェラテが多い。即席だがな」


「お湯ってなんか、当然だけど味気ないもんな」


「メンド臭がりな作者は言うまでもなく粉を溶かすだけのやつしか買わないのだが、ある日、転機が訪れた」


「何の転機だよ」



1202.


「なんとあの作者が、乾燥茶葉のものを買ってきたのだ! 玄米入りのな!」


「その心は?」


「気分転換」


「そうかよ」



1203.


「ペーパーフィルターとそれをセットするやつも買った作者、さっそくお茶を淹れてみる。そして、その時の香りに、作者感動! 今までは知らなかった、未知の領域が開かれた!」


「なんでだよ。あいつ、実家は急須を使うトコだったろ?」


「違うのだ! 急須にお湯を注ぐのと、茶葉onペーパーフィルターにお湯を注ぐのとでは!」


「今まで粉で済ませてきたやつが何を語ってるんだか」



1204.


「そう、作者は、これまで愛してきた粉を見捨て、茶葉に手を出したのだ・・・っ!」


「いや別にそれを否定するつもりはないけどさ」


「なぜだ! 粉の何がいけないんだ!」


「しょうがないだろ作者のヤツが茶葉を気に入っちまったんだから」



1205.


「“粉を溶かすだけよりも、茶葉から淹れた方が美味い”。確かにその傾向はあるかもしれない。しかし! 粉には粉の良さがあるはずだ!」


「手間が掛からない」


「そうじゃない! 完成後のお茶として、茶葉にも負けない何かが眠っているかもしれないだろう!」


「お前、粉の何なんだよ」



1206.


「いいか! 最近は冷食だって進化してきている! 手間を省くイコール質が落ちるではないのだ!」


「確かに、手間を省きつつ質を保つというのも求められているだろう。しかし、省いた手間が少ない方に利があるのは決まりなんじゃないのか?」


「違うねぇ! 粉は、粉それ単独で進歩を続けているのだ! 他の誰でもない、人類の手によって! 茶葉にも負けない究極のものだって存在するはず! 作者がスーパーでしかお茶を買わないために究極の粉を知らないだけだ!」


「究極の粉、だと・・・!?」



1207.


「そう! 究極と言ったら究極だ! 粉の可能性は無限大!」


「粉の何が、お前をそこまで熱くするんだ・・・!」


「全てさ! 粉の全てが私を動かし、私は粉の全てを信じている!」


「これが、粉に魅せられた人の姿・・・って、なんか怪しい響きになったな」



1208.


「よさないか! 粉というだけで悪いものを連想するのは! 粉に対する侮辱だぞ!」


「そんなつもりはない! だが、あまり心酔しすぎるのも良くないぞ!」


「黙れ! 世界が粉を理解するまで、私は宣伝をやめないぞ!」


「こいつ、完全に自分の世界に入ってやがる・・・!」



1209.


「我が妹ながら厄介な・・・こうなったら、意地でもお前を粉に幻滅させてやるぞ!」


「できるものならやってみろ!」


「あと数週間もすれば、花粉がお前を待っている!」


「やめろォォォォォォォォ!!」

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