2020/02/08
1.
「私は、満月美々香 (まんげつ・みみか)!」
「俺は、満月涼太 (まんげつ・りょうた)!」
「2人合わせて!」
「2人ともー! ご飯よー!」
2.
「兄よ!」
「何だ!」
「どうしてお前は兄なのか!」
「お前より先に生まれた男だからだ!」
3.
「兄よ!」
「何だ!」
「500円くれ!」
「断る!」
4.
「ご飯の時ぐらい叫ばないでくれないかね」
「母さん」
「何だい」
「私は、満月美々香!」
5.
「時々、あんたがウチの子じゃないような気がしてならないよ」
「やだなぁ母さん、私は満月家の長女兼看板娘だよ?」
「時々、あんたがウチの子じゃないなら良かったって思うことがあるよ」
「その時は、看板娘の座は俺のものだな」
6.
「はぁ・・・父さんもこのバカどもに何か言ってやっておくれよ」
「さすがは我が子たちだ」
「そっか、この人もバカだった」
「そんなお父さんと結婚しちゃったお母さんもバカだったね☆」
7.
「ごっそさーん。やっぱハンバーグは最高だぜ!」
「オイオイいくらハンバーグでもエビフライには敵わないだろ?」
「敵うね! 高級店のハンバーグなら母さんのエビフライには!」
「明日はサラダだけにしようかね」
8.
「兄よ!」
「妹よ!」
「・・・せーのっ」
「「アイ、アム、満月」」
9.
「兄よ!」
「何だ!」
「友達は何人だ!」
「5人だ!」
10.
「フッフッフ・・・私の秘密を教えてやろう」
「ほう、言ってみろ」
「私には・・・友達が15人いる!」
「何・・・!? 俺の3倍の戦闘力だと・・・!?」
11.
「私は、満月美々香!」
「明星 (あけぼし)、みずきです」
「2人合わせて!」
「妹の友達でいてくれてありがとう」
12.
「涼太、ちょい購買行かね?」
「こいつは、明星崇 (あけぼし・たかし)」
「は? 何言ってんだ?」
「お前の名を世界に轟かせてたのさ」
13.
「お? 美々香がショゲてるなんて珍しいな」
「うん、ちょっとね・・・ショッキングな事実に気付いて落ち込んでるんだ」
「何に気付いてしまったんだ?」
「私、石油王と結婚できない」
14.
「兄よ!」
「何だ!」
「友だちを紹介してくれ!」
「俺の友だちが俺の義弟になることを許容する訳がないだろう?」
15.
「友よ!」
「何?」
「兄を紹介してれ!」
「断る!」
16.
「どうした、みずき」
「兄さん、何があっても美々香とはくっつかないで」
「どう間違ってもくっつかないが、何でだ?」
「あいつの妹にだけは絶対なりたくない」
17.
「友よ!」
「何?」
「ウチの兄はどうだ!」
「その・・・本人さえ良ければ・・・」
18.
「喜べ! 我が友がお前に興味を示したぞ!」
「断る!」
「何故だ! みずきの何がダメなんだ!」
「 “兄” 」
19.
「それはみずきとは関係ない!」
「大ありだねぇ! 親族になっちゃうんだろ?」
「で、では、みずき兄の何がダメなのか言ってみろ!」
「妹以外全部」
20.
「友よ!」
「何?」
「お前はフられた!」
「え・・・」
21.
「そもそもの話をしよう!」
「何?」
「ウチの兄のどこがいいんだ!」
「あんたの姉になれる」
22.
「はぁ・・・」
「どうした、みずき。そんな落ち込んで」
「兄さんはどうして私の兄なの?」
「ホントどうしたみずき! 美々香ちゃんみたいなこと言ってんぞ!」