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第94話

「ごちそうさまでした。そんじゃ俺は帰るよ」


「おう」


 朝飯を食べ終えた颯音は俺の部屋に置いてある荷物を纏めたて部屋を出ていく。

 俺は玄関まで見送りに行く。


「あ、また泊まりに来るし、持ってくるの面倒くさいから寝間着だけ置いてっていい?」


「それぐらい持って帰れよ……まぁいいけど」


「やった」


 颯音から寝間着が入った袋を受け取る。


「じゃまた泊まりに来るときに連絡するよ」


「おう、気を付けて帰れよ」


 ばたんとドアが閉まり、俺は軽く溜息をつく。

 さて、掃除でもしますか。雲一つない青空だな。 

 溜まっている洗濯物を洗い終え、昼飯を食べてから俺はログインした。


「お、GMからメッセージが来てる」


 メッセージを見るとイベントの賞金と鍵みたいなアイテムが送られていた。

 鍵のアイテムの詳細には近日発表と書かれていた。鍵ってことは何処かのドアを開くものだよな。ダンジョンとかの隠し部屋とか開くのかな。


「あれ、二枚目がある」


 読み終わるともう一通届いていることに気が付く。

 そこの内容には樹海エリアにある訓練場に来てくれと書いてあった。

 何かしたっけ? 思い当たらないけど、なんか怖くて行きたくない……

 そんことを思っていると背中を叩かれて振り向くとガイアスさんだった。


「ガイアスさん、痛いんですけど……」


「すまんすまん、つい見かけてな。昨日の闘いっぷりは良かったぞ」


「ありがとうございます。ガイアスさんはどこか行くところなんですか?」


「訓練場に行くところだ。お前は?」


「あー……俺も訓練場に行くところです、行きたくないけど……」


「? なんか行きたくない理由でもあるのか?」


「だ、大丈夫です。さ、行きましょう」


 ガイアスさんと街中を歩いて行く。

 ちらほらと俺を見てくるプレイヤーは何人かいたけど、ガイアスさんが一緒にいるからか誰も話し掛けてこなかった。ありがたい。

 無事に訓練場について中に入ると明らかに場違いなシルクハットを被った紳士服の男性がいた。

 目が合うと紳士服の人が歩み寄ってくる。


「ハルナ様ですね、お待ちしておりました」


「えっと、GMの方ですか?」


「はい、GMの一人のドウジマと言います。早速ですがハルナ様には直接お渡ししたいアイテムがございます」


 ドウジマと呼ばれるGMはなにもないところから白い玉を取りだした。


「それはなんですか? 見たところ……卵のような……」


「はい、エッジティラノの卵になります」


「へーエッジティラノの卵か…………エッジティラノの卵!?」


 予想外のモノに俺は声を出して驚く。


「え、な、なんでそんなものを?」


「ハルナ様が特殊個体のエッジティラノを倒されたからです」


「GMが言ってた特別なアイテムってこれのことだったんだ……」


「どうか受け取ってください」


 俺は戸惑いながらも卵を受け取った。


「孵化の仕方はご存知でしょうか?」


「はい、一応は知ってます」


「ほう、てことは孵化させたのですね。これはこれは……面白い」


 不敵な笑みを浮かべるドウジマさん。


「私はこれで」


「あ、あの!」


 立ち去ろうとしているドウジマさんを俺は引き止める。


「どうかしましたか?」


「えっと、この卵って交換出来たりします?」


「と、言いますと?」


「このエッジティラノの卵とアンバースタッグビートルの卵と交換してほしんです。エッジティラノの卵があるならありますよね?」


「あるにはありますが、エッジティラノの卵じゃいけないんですか?」


「アンバースタッグビートルにまた会おうって約束したんです」


「……検討してみます」


「よろしくお願いします」


 俺はエッジティラノの卵をドウジマさんに返した。

 ドウジマさんはドアを開けて訓練場を出ていく。


「アンバースタッグビートルってお前と共闘してたモンスターだろう?」


 横に来たガイアスさんが尋ねてくる。


「はい、通ってくれれば良いんですが」


「通らなかったらどうすんだ?」


「その時はその時です。じゃ俺も行きますね」


「おう、また来いよ」


 俺はガイアスさんに別れを言ってから訓練場を後にした。



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