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第92話

 地面に降りて両断されたエッジティラノの死体が視界に入る。あれ、死体がまだ残っている……

 普通ならモンスターは倒されたら素材を落として消滅するんだけど、特殊個体だから消滅しないのかな?

 まぁここで考えても仕方ないか。

 その時、GMのアナウンスが響き渡る。 


「まもなく四時間が経過しようというところでモンスターの一体が倒されました! まさかのモンスターを使っての討伐をするとは予想外。倒したプレイヤーは特殊な条件で取得したスキルをお持ちのようですかね~」 


 バッチリ見られてるし、その情報は言わないで欲しかったんだが……


「えーここでお知らせがあります。なんと残りのプレイヤーの数は百人を切りました! 残り二時間程ありますがここで第一回目のイベントは終了いたします!」


 上空に花火が撃ち上がる。

 これでイベントが終わるのか。何とか生き残れたけど、あっという間だったなぁ~


「残ったプレイヤーの皆様には翌日に限定アイテムを送らせていたただ来ます。なお、残念ながら脱落された方々にも参加賞として翌日にアイテムを送らせていただきます! では本日はお集まりいただきありがとうございました。イベントエリアにいるプレイヤーの皆様は二十秒後に各転移門に転移します! それでは、次のイベントでお会いしましょう! それでは!」


 疲れた俺は近くに木を背に座った。


「終わった……コガネ、お疲れ様」


『もう終わりなの! まだやりたい!』


「元気だなコガネは」


 顔を上げるとアンバースタッグビートルが俺を見ていた。すると、アンバースタッグビートルの体が薄くなっていく。

 俺は立ち上がり近づいて顎に触れる。


「協力してくれたありがとな。かっこよかったぜ」


「……」


「またどこかで出会えたら、一緒に戦おうな」


 俺の前からアンバースタッグビートルは消えた。

 少しすると体が光り出し、気が付く樹海エリアの転移門前にいて、隣には颯音がいた。


「春名! ちゃんと最後まで生き残れたんだよね!」


「お、おう」


「よかった……振り向くと春名はいないし、モンスターはどっか飛んでいくしでびっくりしたんだからね!」


「わ、悪い……ていうか、俺よりも颯音はどうなんだよ?」


「俺よりも早い人いなかったから余裕だったよ。あーあ、春名との闘いが中断したのは残念だったな~今度はちゃんと決着付けようぜ」


「嫌だ! もう颯音とは戦わない!」


「えー! なんでだよ!」


 ブウブウと文句を言う颯音を無視して歩き出すと、グレンさんからメッセージが届く。


『よっ! 今大丈夫か?』


「はい、大丈夫です」


『今日の夜、ルーシャのお店で打ち上げパーティーをする予定なんがだ、時間は空いているか?』


「あー……何時ぐらいになりそうですか?」


『十時ぐらいかな~』


「十時なら多分行けるかと、行けたらメッセージ送りますね」


『おう、待ってるぞ』


 グレンさんとメッセージを終え、颯音に伝えて、俺たちは一旦ログアウトすることにした。

 ヘッドギアを外して俺は伸びをした。


「なんかお腹すいた」


「さっさと夕飯作るか」


「手伝うよ」


 颯音に指示を出して、俺は兄ちゃんの部屋のドアをノックしてゆっくり開けて中の様子を見る。

 部屋の中は暗く、兄ちゃんの寝息が聞こえる。まだ寝てたのか。

 兄ちゃんは寝返りを打つと目が覚めたのか体を起こす。


「…………春名?」


「ごめん、起こしちゃった?」


 兄ちゃんは大きな欠伸をする。


「夕飯作るけど食べる?」


「うん……」


 ゆっくりとベッドを降りる兄ちゃん。


「もう二日酔いは大丈夫?」


「あ、ああ。朝よりかは大分マシになった」


「よかった」


 俺は兄ちゃんの部屋を離れてキッチンに行く。

 キッチンに行くと颯音は下準備を済ましていた。


「冬真兄は?」


「食べるって」


「了解!」


 俺と颯音は協力してパッパッと夕飯を作り終える。

 兄ちゃんも席について夕飯を食べる。


「そう言えば今日ゲームのイベントだったろ?」


「兄ちゃんに話したっけ?」


「昼時に一度目が覚めてなんとなく調べただけ、結果はどうだったんだ?」


「俺と颯音はなんとか生き残ったよ」


「へぇー十人の中に入ったんだ」


「あ、それね……ルールが少し変わって百人までになったんだ」


「何人中で?」


「約三千人ぐらいだったっけ?」


「確かそんぐらい」


「へぇー凄いじゃん」


「あ、それで打ち上げパーティーあるから夜またゲームする予定。朝まではやらないつもりだけど、一応朝飯はいらないから」


「わかった。勉強はちゃんとするんだぞー」


「分かってる」


 俺と兄ちゃんは颯音に視線を向けた。


「なんで二人して俺を見るんだよ!」


「「なんとなく?」」


 俺と兄ちゃんの声が重なった。

 夕飯を食べ終え、風呂を済ました俺と颯音は時間まで勉強をして、ログインをした。



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