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第85話

 寒さでの制限がなくなったことで俺はシロガネとクロガネを呼び出した。


「ビー!」


 初めてみる砂漠にはしゃいで飛び回る。暑くないみたいだな。


「キシャ!」


 一方、クロガネは直ぐに砂に潜りだした。クロガネも平気そうだな。

 二体を見ているとクモガネが背中に張り付く。ステータスを見ると体力も全快だ。

 クモガネが背中にくっついているだけで、ひんやりしてて砂漠の暑さが和らぐのはありがたい。

【共鳴】を解いたコガネが頭に乗っかる。いつの間に解いたんだこいつ。


「適当に行きますか、クロガネ行くぞー」


 未だに砂の中を潜っているクロガネに一声かけると砂から顔を出してまた潜った。


「ちゃんとついてくるんだぞー」


 そう言って俺は歩き出す。下を見るとボコボコと砂が膨れ上がっていた。ちゃんと付いてきているようだな。

 他のプレイヤーになぜか遭遇することなく進んでいると遺跡みたいなのを見つけ中に入ってみると綺麗な水の池があり、その周りに草花が生えていた。

 花を見たシロガネは、花に近づいて蜜を集め始める。一通り辺りを確認してから他のプレイヤーがいないのわかり池の直ぐ近くに腰を下ろす。

 腰を下ろすとクモガネは頭から降りて池に近づき水浴びして、クモガネは背中をよじ登り胡坐してる上にくる。クロガネはなんかひたすらに穴を掘っている。


「ビー」


 蜜を集め終わったのかシロガネが戻ってきて光の粒子になって武器と一体になる。


『ハルナハルナ! 聞いて!』


「テンション高いな~どうしたんだ?」


『進化出来るよ!』


「おお!」


 シロガネの進化の項目を見てみると進化先の一つであるスイートハニービーに進化できるようになっていた。最後に覚えた【蜜吸】のスキルの使用回数がいつの間にか達成したんだろうか。まぁそれはいいや。


「本当だ、おめでとうシロガネ」


 そう言うとシロガネは武器から離れ俺の目の前で飛んでいると、シロガネの体が光り出す。

 光が収まると一回り大きくなり、色が全体的に薄くなっている。体毛は以前よりふさふさになっている気がする。見た目の違いはそれぐらいだ。


「ビー!」


 シロガネは体を擦り寄せてくる。凄く甘いお菓子の香りがした。名前の通りだな。


「おめでとうシロガネ」


「ビー!」


 シロガネは自分の姿をクモガネ、クロガネ、コガネの順に見せてくる。

 俺はその間にシロガネのスキルを確認した。

 失ったスキルは【毒針】、【ハニートラップ】、【エアーカッター】、【癒しの風】の四つ。

 継続したのは【飛行】、【蜜集め】、【蜜団子】、【蜜吸】、【共鳴】の五つだ。

 攻撃スキルの【毒針】と【エアーカッター】、範囲回復スキルの【癒しの風】が消えたのは痛いけど、シロガネが選んだ進化だからなんも言わないさ。

 回復特化ぽいしそのうち範囲回復スキルも覚えるだろう、レベル上げ行きたいなぁ。イベントが終わったらレベル上げ行こう。


「シロガネ」


 俺が呼ぶとシロガネが戻ってきた。


「ビー?」


「【共鳴】を使ってくれるか?」


 コガネは頷き光の粒子になって武器と一体になる。

 特殊な革手袋に特に変化はないな。でも、コガネの時のように共鳴技が進化したし聞いてみるか。


「シロガネ、共鳴技になんか変化ある?」


『あるけど、言わないもん!』


「えぇ……どうしてもダメ?」


『ダメ! 私のタイミングで使うからハルナは待ってて』


 俺は頭を掻いて溜息をつく。


「わかった、その時は使ってくれよ」


『任せて!』


 シロガネはそう言って【共鳴】を解く。


「よし、そろそろ行くか。あれ、コガネは――」


「うわああああ!」


 コガネの姿を探していると上の方に行く男性の声が聞こえ、見上げようとするとコガネが頭に乗っかってくる。


「シュ!」


 コガネは上の方を足を使って指さし、見上げると白と茶色の半々の頭髪に全体的に赤と白の装備に身に纏っているプレイヤーが逆さ吊り状態だった。




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