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第83話

「春名ー! こっちこっち」


 手を振っている颯音を見つけ人混みを掻き分けて颯音のところに向かう。


「助かったよ颯音。メッセージを飛ばしてくれて」


 俺はレベル上げに夢中になって颯音のメッセージが届くまで忘れてて急いで街に戻ったのだ。


「どんだけレベル上げし……ってそんなレベルが上がってないけど?」


「俺のじゃなくてコガネたちのな」


「そうなんだ。お、なんか飛んできた!」


 上空を見ている颯音に釣られて空を見上げると案内役のカルタと同じ見た目をした機械が飛んできた。


「お集まりの皆様! まもなくイベントが開催されます! 参加されるプレイヤーの方は転移門までお集まりください!」


 機械から機械音声ぽくない人間が喋っているようなアナウンスが響き渡る。


「えー、司会を務めさせていただきますGMのアンダーバーと申します。当日発表になりますが、多少ルールを変更します!」


 街中にいるプレイヤーたちが騒ぎ出す。


「と言いましても変更したのは生き残り人数を十人から百人にしたのと、一時間毎にモンスターの襲撃があるので頑張って生き延びてください!」


 更に騒ぎが大きくなる。


「なお、この襲撃で出てくるモンスターは特殊個体のためかなり強いですが、倒せれば特別なアイテムがあるので挑戦してみてください! そろそろ時間のようですね」


 転移門が輪郭が光出すと各プレイヤーが光に包まれていく。


「それでは第一回目生き残りサバイバル戦を開催します!」


 光が強くなって俺は瞼を閉じて、次に瞼を開けると俺は雪原エリアに立っていた。

 適当に転移されたけど、よりにもよって雪原エリアか。寒いし最悪だ……


「伝え忘れていたんですが、イベント専用エリアにいる間はメニュー画面から装備投影機能が使えます! それでは頑張って生き延びてください!」


 それだけいってGMのアナウンスが終わる。

 なんだか適当ぷりが凄いな。

 まぁそんなことよりもコートを装備投影しなきゃあ。

 コートを装備投影をしてから辺りを見渡したけど、他のプレイヤーはいないようだ。とりあえず移動しよう。

 しばらく進むと戦闘音が聞こえ俺は近くの木陰に隠れて様子見をする。

 二人のプレイヤーがお互い武器をぶつけ火花が散る。その二人が戦っている最中に他のプレイヤーたちも続々と漁夫の利狙いで参戦していくカオスな状況になった。

 俺はクモガネを呼び出す。

 呼び出したクモガネは俺の周りを飛び回り頬にすりすりしてくる。


「クモガネ、飛ぶぞ」


「キュゥ!」


 クモガネは俺の背中を掴み翅を動かすに合わせて俺も【飛行】のスキルを使うと体が浮き上がり上昇した。

 さっきのレベル上げの時にシロガネとクモガネに協力してもらい試してみたら空が飛べることが分かった。

 颯音にレベル上げで夢中になって遅れたといったけど、本当は色々試していたから遅れたのだ。 


「クモガネ、大丈夫か?」


「キュゥ!」


 問題なさそうだな。

 シロガネもいればスピードも出るし、安定するけどこのエリアだと仕方ない。

 俺とクモガネは乱戦している上空に到着する。


「行くぞクモガネ」


「キュゥ!」


「クモガネ、【氷柱落とし】!」


 クモガネに新しく習得したスキルを指示すると、冷気が集まって行きかなり大きい氷柱になる。

 氷柱は重力により落下していき沢山のプレイヤーが巻き込まれて雪煙が舞い上がった。

 すると、俺の目の前にウインドウ画面が現れ、そこには倒したプレイヤーの数が表記されていた。

 倒した人数は全部で十三人。結構な人数で乱戦してんだな。

 まぁそんなことよりも樹海で【氷柱落とし】を使ったときはは小さい氷柱だったんだけど、これは予想外。まぁ結果オーライだしいいか。


「クモガネ、降りようか」


「キュゥ」


 俺とクモガネはゆっくりと降下していく。念のために、生き残っているプレイヤーが居るかもしれないと思い気配遮断とクモガネのスキル【凍てつく鱗粉】を使っておく。


「ああもう! なんなのよもう……!」


 聞き覚えある声が聞こえ俺はそっとその場を離れようとしたら火の玉が飛んできた。


「そこに隠れている人……出てこないと撃つよ」


 気配遮断してんのにどうやって居場所を見つけたんろうか。俺は溜息をついてからスキルを解除した。


「こ、こんにちはエレナさん……」


「ハルナなの!? さっき大きいな氷を落としたのハルナなの!?」


「え……まぁ……それじゃクモガネ逃げるぞ!」


「キュゥ!」


 俺とクモガネは飛び立つ。


「待ちなさい!」


 飛んでくる火の玉を避けてどうにかエレナさんの猛攻から逃げ切ることが出来た。


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