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第82話

 クロガネのステータスを見ていると満足度のゲージが最大まで溜まった。

 後は進化させるだけだな。

 俺はシロガネを呼び出した。


「シロガネ、【共鳴】をお願い」


「ビー!」


 シロガネは頷くと光の粒子になって武器と一体になる。


『その子誰?』


「新しく仲間になったクロガネだよ。進化出来るようになったから伝えてほしいんだ」


『そうなんだ、任せて!』


 武器と別れたシロガネはクロガネの目の前に飛んでいき話しかける。

 話し終えるとシロガネは俺を見て頷く。進化していいってことだな。


「そんじゃ、進化させるよクロガネ」


 クロガネがじっと見上げているけど、気にせずに俺は進化を押す。

 すると、クロガネから光が放たれ姿がみるみるうちに変わっていき、光が収まると黒い甲殻に覆われたサッカーボールサイズの蟻の姿になった

 進化したクロガネは自分の体を見るためにぐるぐるとその場で回る。なんか少し可愛い。

 シロガネはクロガネの周りを飛び回る。


「ビー!」


「キシャ」


「ビー!ビー!」


 クロガネはぷいとそっぽを向く。


「ビーーーー!」


 涙目のシロガネが見守っていた俺に飛んでくる。


「どうしたんだシロガネ」


「ビー!ビー!」


「言葉わかんないって……【共鳴】を使ってよシロガネ」


「ビー!」


 今度はシロガネがそっぽを向く。俺にどうしろと……

 俺はクロガネに近づいてしゃがむ頭を撫でながら言う。


「なに言ったのか知らないけど、シロガネも仲間なんだからあんま喧嘩すんなよ?」


 クロガネは頭を縦に振る。分かってくれたのかな?


「シロガネも仲直りしよ?」


「……ビー」


 渋々とシロガネは足を出すと、クロガネは足を上げて握手みたいにを交わす。

 これで仲良くなってくれればいいけど、少し心配だ。


「そんじゃシロガネありがとな、戻れ」


 シロガネを戻して俺はクロガネのステータスを確認した。

 クロガネが覚えているスキルは岩石や鉱石を粉々に粉砕するスキル【岩砕き】と地面を掘るスキル【穴掘り】の二つだ。

 スキルを見ているとクロガネが足元に近づいてきて足をはみはみする。

 俺はクロガネを持ち上げる。コガネよりも重くて少し驚いた。


「時間はまだあるし、少しレベル上げにいくかな。ヴェルガもどう?」


 近くで一部始終を見ていたヴェルガに俺は聞いた。


「ごめんハルナ、今日はNPCたちは街の外出れないんだ」


「そうなんだ、それじゃイベント終わったらまた誘うよ」


「本当にごめんね」


「なんでヴェルガが謝るんだよ、ヴェルガは悪くないんだからさ。じゃあそろそろ帰るよ」


「分かった」


 クロガネを戻してから階段を上り玄関に向かいヴェルガの家を後にする。

 街を出た俺はレベル上げをしに樹海に入りクロガネを呼び出す。


「クロガネ、スキルの確認したいから……あの石に【岩砕き】を使ってくれない?」


 クロガネと同じくらいの大きさのある石を指さして指示すると、クロガネは石に近づくと顎が大きくなり石をいとも簡単に噛み砕いた。

 何度かスキルを使ってもらって分かったことは自分と同じ大きさなら問題なく噛み砕けて、二倍以上の大きさは噛み砕けないことだ。


「次は【穴掘り】を使ってくれクロガネ」


「キシャ」


 クロガネは地面を掘っていくと、姿が見えなくなり、少しすると別のところから顔を出す。

 地中を掘って移動するスキルのようだな。

 クロガネは再び地中に潜りだす。


「ん? うわっ!」


 急に地面が崩落して俺は落ちた。


「いてて……」


「キシャ」


 地中からクロガネが出てきて近寄ってくる。


「お前な……俺にやるなよな、もう……」


「キシャ!」


 俺は軽く溜息をついてから浅い穴を抜け出す。


「【穴掘り】か……なかなか使えるスキルだな。いいこと思いついた、イベントで使ってみるか」


 時計を見るとまだまだ時間は沢山あった。

 イベント参加するには各エリアの転移門の周りに十分前には集合していないといけない。

 とりあえずクロガネのレベルを10まで上げよう。頑張るぞー。



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― 新着の感想 ―
[気になる点] >>近づくと顎が大きなり石を噛み砕いた。 大きなり→大きくなり
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