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第71話

「じゃあ早速質問。クラーケンの触手って何ですか?」


「おお! このエリアのボスモンスターであるポセイドンの眷族とされるクラーケンに遭遇されたのですね!」


 予想外の答えに顔が引きつる。

 カルタは続ける。


「クラーケンの出現条件はランダムで出現する八つの島にある触手をすべて撃破することで出現されます!」


「俺たちが倒したの一回目なら残り七つか」


「いえ、二回目になりますので残り六つです!」


「俺たち以外にも倒した人たちがいるのか……てか、なんでそんな知ってんの?」


 見ていたような言い草に疑問を持った俺は尋ねる。


「案内役たるもの海原エリアで起こった出来事は全て熟知しております!」


 体があったら胸を張ってどや顔してそうだな。

 ちなみに、とカルタは続ける。 


「クラーケンを倒されるとボスモンスターで在られるポセイドンの祭壇がこの海原エリアのどこかに現れるので、そこに「海の心」というアイテムを捧げればポセイドンに挑めます」


 ポセイドンに挑む気は今はないけど、有益な情報を手に入れたぜ。


「なんか色々教えて貰ったな。助かったよカルタ」


「いえいえ。他に質問はありますか? どんなことでもお答えしますよ!」


 カルタに言われは俺は少し考え伝える。


「このエリアじゃなくても?」


 そう言うと明らかにしゅんとするカルタ。その様子からみて出来なさそうだな。

 俺が質問したかったのは俺に装備をくれたボスモンスターのことだったけど、分からないなら仕方ない。


「申し訳ございません……他のエリアについてはお答えすることができません」


「了解。じゃ他のこと聞くけどいいかな?」


「はい! 何なりと!」


「各エリアにヘルプ機能が追加されたけど、樹海エリアにはないのかなって」


「そのことについてはお答えできます! 近日中に実装されるのでお待ちください!」


 ならその時に聞けばいいかな。

 近日実装ってことはアップデート来るんだ。後でログアウトしたら調べてみよう。


「わかった、俺の質問は以上かな。またなんかあったら呼ぶよ」


「是非是非呼んでください!」


 飛んでいくカルタに手を振って見送った。

 スピーカー近くにあるボタンを押す。


「颯音、聞いてたか?」


『おう、バッチリ! 島探すのは無理だとしてどうする? 適当に海原探検する?』


「そうだな……しばらく他のエリアに行かね?」


『いいけど、雪原エリア?』 


「フローズンベリーも欲しいし雪原エリアで」


『了解。それじゃ一旦街に戻……春名、船先に例のあいつがいるんだけど』


「そうなの? 行ってくる」 


 俺の後をコガネとシロガネとクモガネがついてくる。

 物陰から船先を覗くと上がったばかりなのか濡れているシーセンチピードが居た。

 覗いているとコガネとシロガネがシーセンチピードのところに行く。


「シュ!」


 コガネが足をあげてシーセンチピードに挨拶すると、シーセンチピードは怯えて後ろに少しずつ退いて行く。すかさず、シロガネがシーセンチピード背中に止まる。


「ビー!」


「シ、シャ……」


「シュ」


「シャ?」


「ビー!」


 なにを話しているのかすっげぇ気になる……

 クモガネは共鳴を持っていないし分かんないか。


「てか、クモガネも行ってもいいんだぞ?」


 背中に止まっているクモガネに話しかけても、クモガネは動こうとしない。

 視線を戻すとシーセンチピードを連れてコガネとシロガネが戻ってくる。


「シ、シャ……!」


 俺と目があったシーセンチピードは頭を上下に振る。なにかを伝えるってのはわかるけどさっぱりだ。 

 助けを求めコガネに視線を送るとやれやれといった風な表情をしたコガネは光の粒子になって武器と一体になる。そして、コガネは語りかけてきた。


『この前のことを謝っているんだよ』


「この前? あ~海に落とされた奴か! 俺はもうそこまで気にしてないけど、コガネはどうなの? 一番大変だったのコガネだったし」


『さっき謝って貰ったからもう気にしてない!』


「そうなんだ。シーセンチピードに伝えてくんない? あ、それとしばらく船しまっちゃうことも伝えて」


『串焼き食べたい』


「さっき食べてなかったっけ?」


『もっと食べたい!』


「……わかったよ。まだあるから後であげるよ」


 そう言うとコガネは武器から離れシーセンチピードに話をしている。

 ちらちらとこっちをみるシーセンチピード。こいつを仲間にしたら海の探索が捗るんだけどな。


「シュ!」


 コガネが伝え終わるとシーセンチピードは俺をちらっと見てから海に戻っていった。


「戻ろみんな」


 三体を連れて船内戻り、颯音に終わったこと伝えると船は動き出し、街に戻っていく。



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