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第70話

 下層に降りるための通路を進んでいると不意に視線を感じ後ろを振り向く。


「ん? 気のせいか……」


 再び歩いているとやっぱり視線を感じる。つけられてる? 誰にと思ったけど俺に絡んできたプレイヤーたちだろうか。このまま後をつけられても面倒だし撒くか。

 俺は装備の気配遮断とクモガネのスキル【凍てつく鱗粉】で姿が消えたように幻覚を見せる。


「!?」


 俺が急に消えると慌てて数人が飛び出してくる。


「尾行がバレたのか?」


「分からない。そんな遠くに行ってないはずだ。探すぞ!」


「「おう!」」


 俺を追っていたいた奴らはどんどん遠くへ行く。完全に消えたのを確認してから俺は姿を見せる。

 少しの間だけしか使てないの体力は結構減った。俺が使うと消費が凄いのか、あんまり使わない方がいいな。


「お、体力全快したな。街中じゃあ一定時間経つと回復するんだ。良いこと知ったぜ」


 それなら限界ギリギリまで【凍てつく鱗粉】を使って、やばくなったら解いてを繰り返して下層に向かおう。見つかったら面倒くさいしね。

 人にぶつからないように下層に向かい、時々路地裏でスキルを解除して体力が回復したら進んで行く。そのおかげで、見つからずに桟橋まで来れた。

 スキルを解かずに船を取りだし海に浮かべる。船内入って俺はスキルをようやく解く。安心する前に船の設定を弄って俺が持っているプレイヤーカードの人しか入れないようにする。ついでに他のプレイヤーには見えないようにしてっと。これでいいかな?

 俺はソファーに沈み込んで深く息を吐く。


「面倒くさいな……疲れた……」


 癒しを求めて三体を呼び出す。

 呼び出した三体は船内をキョロキョロして、コガネは歩き回り、シロガネは飛び回る。

 クモガネは俺にべったりとくっついてくる。ひんやりしてて気持ち。


「ありがとなクモガネ」


「キュゥ」


 クモガネの頭を撫でると目を細めている気がする。


「ビー!」


 シロガネも飛んできて頭に乗っかってくる。


「どうした?」


「ビー!」


 口をパクパクさせるシロガネ。お腹空いたのかな?

 インベントリから洋菓子をシロガネに渡すと器用両足で掴み飛んでいく。


「ん?」


 コガネが俺を見ているの気づく。

 インベントリから串焼きを取りだす。


「コガネはこっちが恋しいんじゃないか?」


「シュ!」


 俺の手元に飛びついたコガネは串焼きを掻っ攫っていく。俺は思わず苦笑する。

 くっついているクモガネを一旦ソファーに置いてから立ち上がりインベントリにある串焼きと洋菓子をテーブルの上に並べる。


「好きなだけ食っていいよ」


「ビー!」


「シュ!」


 コガネとシロガネはテーブルの上に置いている食べ物の周りに寄ってきて食べ始める。


「クモガネも食うか?」


 洋菓子を目の前に持っていくけどクモガネは食べる気はないようだ。

 試しにフローズンベリーを目の前に置くとゆっくりと食べた。フローズンベリーしか食わないのか……あんまり在庫ないし今度取りに雪原エリアに行かないと。

 三体の食事を見守っていると颯音からメッセージが来る。


『春名、今どこにいんの?』


「船にいるよ」


『了解。転移してくよ』


 颯音からメッセージが終わると目の前に颯音が転移してくる。


「船出したんだね。って食事中なの?」


「まぁそんなもん。今日はなにする?」


「そうだな……久しぶりに船を出したし大海原に行こうぜ!」


「了解。じゃあ運転は任せるよ」


「おう!」


 颯音は操縦席に向かう。

 船が動き出し水門を抜けるとスピーカーから颯音の声がしてくる。


『そう言えばさ、カルタには聞いたの?』


「忘れてた。聞いてみるよ」


 俺はメニュー画面を開いてヘルプを押した。

 しばらくすると、後部デッキから球体型機械案内役のカルタが船内に入ってくる。


「ヘルプをご利用頂きありがとうございます。海原エリア案内役のカルタがなんでもお答えいたします! お答えします! 大事なことなんで二回言います!」


 何処かやる気に満ちている案内役だな。



次の更新は10/12に予定しております。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 「了解。じゃあ運転は任せるよ」 「任せた!」 この場合は「任された」の方が良いです [一言] 面白いです
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