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第69話

「ん~~……」


 自然と目が覚めた俺はスマホに手を伸ばし時間を見ると早朝の六時だった。

 昼ぐらいから寝てからかなり寝たのか。おかげで大分すっきりした。

 今日は兄ちゃんが朝飯の当番だけど、早く起きたし代わりに作ろう。

 部屋を出た俺は風呂場に向かい軽くシャワーを浴びる。

 制服に着替えて上からエプロンを付けって早速朝食を作り始める。

 皿に料理を盛っているとリビングに兄ちゃんが入ってくる。


「おはよう兄ちゃん。朝飯もうすぐ出来るから座ってて」


「……ああ」


 兄ちゃんが椅子に座ってから料理を運ぶ。


「コーヒーでいい?」


「ああ」


 コーヒーを注いでいると兄ちゃんの視線に気づく。


「なんか顔についてる?」


「いや、なんでもない」


「変な兄ちゃん。はい、コーヒー」


「ん」


 兄ちゃんに飲み物を渡してから俺も席について朝飯を食べる。

 先に食べ終わった兄ちゃんは部屋に戻っていく。

 洗い物を済ましてから俺は部屋に戻り鞄を持って玄関に行く。

 スーツ姿の兄ちゃんと家を出てエレベーターに乗り駐車場に向かう。

 自転車の籠に鞄を入れると兄ちゃんが話しかけてくる。


「車で送ろうか?」


「帰り歩くことになるからいい!」


 そう言って俺は自転車に跨りペダルを漕いで学校に向かう。

 学校に着いて自転車を駐輪場に止めてから教室に行く。教室に入ると颯音が机に突っ伏しているのが目に入る。


「大丈夫か? 颯音」


「ん……はよう春名……眠くて……」


「寝てないの?」


「寝たんだけど、寝足りない! まだ寝てたい!」


「はいはい」


 自分の机の横に鞄を掛けて椅子に座る。すると、始業のチャイムが鳴り響き担任が教室に入ってきた。

 そして、時間はあっという間に過ぎていきチャイムが鳴り最後の授業が終わる。


「終わった!」


 ようやく授業が終わって開放された颯音は嬉しそう高々に腕をあげて席を立つ。

 颯音は俺の方を向いて言う。


「今日もやるんだろう?」


「もちろん」


「早く帰ろうぜ」


 鞄を持って席を立ち上がると、さっき出ていった担任が返ってきた。


「日直、ちょっと資料を運ぶの手伝ってくれ」


 今日の日直は誰だったっけな? 

 考えているとクラスメイトの一人が先生に伝える。


「池田さんなら帰りました」


 池田さんは女子の日直だ。


「そうか。立川はまだいるな。職員室まで来てくれ」


 そう言って先生は教室を出ていく。


「は、春名……」


 可哀そうな子犬なような表情をする颯音。俺は軽く溜息をついた。


「仕方ねぇな」


「春名様!」


「様付けすんな。さっさと終わらせて帰るぞ」


「おう!」


 俺と颯音は急いで教室を出て担任の後を追う。

 職員室に着くと、担任から絶対一人では運べない量の紙の山を資料室に運ぶように言われ半分ずつ持つことにした。付いてきて正解だったな。

 資料室に頼まれたものを置いて教室に戻ると生徒は誰一人も居なかった。

 トボトボと廊下を歩いて行く。校庭では運動部が活動している。

 自分の自転車を押して颯音と一緒に駅に向かった。


「じゃあ準備終わったら連絡する! あとでな!」


 改札に入っていく颯音を見送り帰路に就く。

 玄関を開けると美味そうな匂いがしてくる。兄ちゃん、もう帰っているのか。


「ただいまー」


「お帰り~」


 リビングから兄ちゃん声がした。

 俺は部屋着に着替えてからリビングに行く。


「もう夕飯出来る?」


「手洗えよ。今日帰り遅かったな」


「颯音の日直の仕事付き合っていたら遅くなっただけ」


 手を洗ってから席について、兄ちゃんと色々談笑しながら夕飯を食べる。

 食べ終わっても颯音から連絡は未だに来ない。俺は颯音に先にログインしていると連絡してからログインした。

 気が付くとルーシャさんの店の前にいた。店内でログアウトしたら次ログインするとお店の外になるんだな。

 俺はプレイヤーカードを確認する。知り合いは誰一人ログインしていないか。さて、何しよう……とりあえず船を出しに下層へ行きますか。




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