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第54話

 壁の隙間に等間隔で置かれている蝋燭の明かりを頼りに階段を下りていくと段々と水の流れる音が聞こえてくる。階段を下りきると洞窟みたいなところに着いた。

 辺りを見渡しているとゴーストたちが現れた。ここにも出てくるのかよ。俺は盾を弓に変え攻撃をする。

 矢はゴーストを透過しないで命中。ちゃんとゴーストの体力は減っているってことはこの弓の攻撃は魔法攻撃なんだな。今更だけど初めて知った。

 ゴーストの数は少ないし俺だけで十分だな。


「シュ!」


「あ、こら!」


 突然コガネがゴーストに向かって飛び出す。

 コガネはゴーストに噛み付こうとするも、ゴーストは白い光線を口から出してコガネは吹き飛ばされた。

 俺は飛んでくるコガネを受け止める。


「シロガネ、俺が守っている間にコガネの回復を頼んだ!」


「ビー!」


 弓から盾に変え【ラウンドシールド】を展開。

 シロガネはその間に回復技の【蜜団子】を使いコガネの体力を回復させる。


「コガネ、大丈夫か?」


「シュ!」


「帰ったら説教だからな」


「シュ!」


「コガネ……俺は今怒ってんだからな?」


 そう言いながら俺は颯音とモレルさんに援護に来て欲しいとメッセージを送る。

 普段より声を低くして強めに言うとコガネは顔を俯かせ静かになった。

 直ぐに颯音とモレルさんが駆けつけてゴーストたちは一掃した。

 ゴーストたちの素材を回収して辺りを確認したら二つの道を発見する。


「さて、どっち行きますか」


 頭の後ろで手を組んで颯音が尋ねる。


「悪い……少し休みたいから船に戻るわ」 


「それなら、この先は次回にして一旦戻ろうか?」


「いや、二人は先に行ってて。休んだら転移で戻るよ」


「了解。なんかあったらメッセージを送るよ」


「おう」


「ちゃんと休んでねハルナ君」


「はい」 


 俺はコガネとシロガネを戻してからメニュー画面を操作し船に転移した。

 船内にあるソファーに腰を下ろして俺はコガネを呼び出した。


「コガネ、俺が何で怒っているのかわかる?」


「……」


 俺はコガネを持ちあげ膝の上に乗せて背中を優しく撫でる。


「お前が大事だからだよ」


 コガネは顔をあげる。


「ゴーストの攻撃を食らった時すげぇ心配したんだからな」


 だから、と俺は続ける。


「あんま無茶をしないでくれよコガネ」


「シュ……」


「約束だからな?」


 コガネの足を握って指切りげんまんみたいなことをした。


「よし、颯音たちのところに戻るか」


「シュ」


 コガネを戻して、颯音にメッセージを飛ばしてから俺は転移をする。


「お待たせ」


「お帰りなさいハルナ君。ちゃんと休めた?」


「ええ、ありがとうございますモレルさん。それよりも、移動してないんですね」


 二人のところに戻ってみるとさっきの場所から動いてなかった。


「春名が戻ってから行こうってなったんだ」


「そうなんだ。それじゃ行きますか」


 コガネとシロガネを呼び出して適当に進むことに。

 しばらく進むと綺麗な光を放つ円状の水場を見つける。


「綺麗……」


 神秘的な光景にモレルさんは見惚れている。


「ここって意外と広いけどなんか施設なのかな~どう思う春名」


「うーん、ダンジョンかもしれないし、クイーンアントの洞窟みたなモノかもしれないな」


「ふーん、にしても出てくるモンスターがゴーストばっかりなのは飽きたな」


「それはわかる」


 うんうんと俺は頷いた。


「って言ったそばからゴースト来たし……」


 颯音は嫌そうな顔でにゴーストを見つめる。


「倒しますか……っ!?」


 その時、ゴゴゴっ音を立てて洞窟全体が揺れ始め俺たちが入ってきた通路は消えていた。

 揺れている間もゴーストたちは攻撃を仕掛けてくるも、俺は【ラウンドシールド】を使って防ぐ。

 そして、水場から八本の触手が出現した。


「なんだあれは……!」


 一本の触手が俺が展開している【ラウンドシールド】を攻撃する。その一回の攻撃で【ラウンドシールド】に罅が入ってしまう。

 見上げると触手が攻撃を仕掛けてくる。


「二人とも! 急いで離れて!」


 俺が焦りながら言うと颯音もモレルさんも急いで俺から離れてくれた。

 案の定触手の攻撃で【ラウンドシールド】は持たなく壊されたが、攻撃が当たる寸前にコガネが糸を岩に括り付け俺の事を引っ張り、触手の攻撃を躱すことが出来た。


「サンキューコガネ」


「シュ!」


 俺は触手のことを調べる。


「クラーケンの触手?」


 レベルの表記はなかったけど名前だけわかった。

 クラーケンって海の怪物って言われてる奴だよな。ってことはこの触手はクラーケンのモノってことになる。本体が見当たらないってことは本体は水中。周りの触手を倒したら本体が出てくるタイプだよなこういう系って。面倒くさいモンスターが出てきた。


「春名! モレルさん! 本体を誘い出すためにも触手を攻撃して」


「わかった!」


「任せて!」


 二人は触手に攻撃を仕掛けようとするとゴーストが邪魔をしてくる。俺は盾を弓に変え対処した。


「コガネも触手に攻撃。思いっきりやっちゃえコガネ」


「シュ!」


「シロガネはみんなの回復を優先。隙があれば攻撃していいから」


「ビー!」


 それぞれに指示を出した俺はゴーストたちの処理に回る。


追記9/16

次の更新は9/18になります

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