表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/433

第45話

「ただいま」


「お帰り」


 帰宅すると兄ちゃんが出迎えてくれた。

 いつもよりも早めに帰ったはずなんだけど……


「兄ちゃん今日は休みだったの?」


「まぁな。もうすぐで夕飯出来るから」


「はーい」


 自室に戻った俺は部屋着に着替えて兄ちゃんと夕飯を食べる。


「颯音は大丈夫だったか?」


「うん。かなり緊張してたけど、兄ちゃんのご褒美の件を話したらやる気が出たから大丈夫だと思う」


「そうか」


「てか、俺にはないの? ご褒美的なの」


「内緒」


「その言い方だとあるってことでいいんだよね?」


「冷めないうちにさっさと食えよ」


「え、あーうん……」


 なんか話をはぐらかされた……まぁ期待しよ。

 食事を進めているとスマホが鳴り、準備できたと颯音からメッセージが届く。俺は急いで残りも食べきる。


「ごちそうさまでした」


 食器を流しに置き、部屋に向かう。


「あんま遅くまでやるなよ」


「分かってる」


 部屋に入ってベットに横たわった俺はヘッドギアを着けログインした。


「んーー久しぶりのゲームの世界だ」


 俺は伸びをし大きく深呼吸をして潮の香を堪能する。


「春名お待たせ」


 少し遅れて颯音もログインした。


「俺も今来たところ。さて、何しますか」


「街の散策がしたい!」


「了解。まずはこの階層だな」


 俺たちは三つある道の一つを進んで行き、左右に別れたところで、左に進んだ。

 俺たちが進んだ道は飲食店が多く並んでいた。


「めっちゃいい匂い~春名、店寄ってもいい?」


「おう。俺も食いたかったら早く並ぼうぜ」


 適当な店に並んで焼きたてのホタテのバター醤油焼きを買って食べ歩く。


「これ美味しい!」


「な! あとでコガネとシロガネにも買ってあげようっと」


「コガネは食べると思うけどシロガネは食うの?」


「あー……蜂蜜しか飲まないな。まぁ試しにあげてみるよ」


 飲食店エリアを抜けると上の階層と下の階層に行ける螺旋状の道を見つけたけど、まだこの階層が見終わってないってことで通り過ぎて先に進んだ。

 進んだ先も飲食店が並んでいたけど、ここら辺は洋菓子店が大半を占めていた。


「ケーキとかならシロガネでも食べられるじゃない?」


「どうだろう……試してみるか」


 近くの洋菓子店に入ってみる。

 店内は可愛い小物がいっぱいで、女性のプレイヤーが各席で談笑している。

 小声で颯音が話しかけてくる。


「春名……男性プレイヤー俺たちしかいなくない?」


「だな。早く買って出ようか」


 俺は店員が立っているショーウィンドウに向かう。


「いらっしゃいませー……え、ハルナ君?」


「え……モレルさん?」


 レジに居た店員はまさかのモレルさんだった。

 髪形は一緒だけど黒から薄い青い色に変わってメイド姿だったから名前を呼ばれるまで気づかなかった。


「ここで何しているんですか?」


「手伝いかな? ここ友達のお店なんだよ~」


「へぇー。友達って前に言ってた……」


「うんうん。私も協力して一昨日からオープンしたんだよ」


「そうなんですね」


 モレルさんと話していると颯音が肘で小突いてくる。


「春名、こんな美人さんといつ知り合ったんだよ」


「うふふ、ありがとう。こちらはハルナ君のお友達?」


「はい! 颯音って言います!」


「私はモレル。よろしくね」


 颯音とモレルさんが自己紹介している間に俺はショーウィンドウにある種類豊富な洋菓子を眺める。


「モレルさん、お勧めってあります?」


「どれもお勧めだけど、選ぼうか?」


「お願いします」


 モレルさんに選んでもらってお金を払いお店を後にした。

 他に寄ることなく洋菓子店エリアを抜けると真っ直ぐ向かう道と左に行く道に別れていた。

 とりあえず左に行く道を進むことにしたけど転移門に戻ってきてしまった。引き返して右の方に進んだら沢山のNPCたちが暮らしているかなり広いエリアになっていた。

 特に見るところもなく通り過ぎると上の階層と下の階層に行く道をまた見つける。


「どっちに行く?」


「うーん、それじゃ上!」


 颯音の選択で上に行くことに。

 上り坂を進んで行くと鉄を叩く音が聞こえてきて、油っぽい臭いが漂ってくる。ここは鍛冶屋が建ち並ぶエリアのようだな。

 更に進むと色んな生産職のお店が並んでいる。どうやら上の階層は生産職オンリーみたいだ。


「上に行く道が見当たらないってことはここで終わりか。ベオルさんが言ってた組合所も見つからなかったし下の階層かな」


「そこで船を借りられるんだよね」


「そうだけど……時間的に厳しいから場所だけ確かめて今日は終わりかな」


「了解」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点]  虫を仲間にしていく。という独自性。  展開のテンポが良くだれている印象がない。 [気になる点]  主人公と颯音の口調が安定していない。 少年的、もしくは男性的な口調をしているときもあれ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ