第35話
レベル上げに付き合って数時間、ようやく颯音のレベルが20に達成した。
気が付けば俺はもう20を過ぎてレベル25、コガネは26、シロガネは15まで上がっていた。
ここまでレベルが上がれば、サイレントイーグルに挑めるな。今度一人で挑んでみるか。
「お疲れ颯音」
「ありがとう春名。はぁ~……流石に疲れた」
「もう夜中か。SPは街に帰ってから振ろうか」
「そうだな。よし、帰ろう」
マップを見ながら樹海を出た俺たちは街に戻った。
街に入る前にコガネとシロガネを紋章に戻して門を潜った。SP振りをどこでしようか話し合いした結果、今回手に入れた素材もついでに換金しようってことになり組合所になって、今向かっている所だ。
「串焼き屋まだやってる。颯音、少し寄ってっていいか?」
「あ、俺も買う」
俺と颯音はお店の前に行く。
「おじさん」
「お、おまえさんか。今回はどれぐらい買って行くんだ?」
「とりあえず袋三つ分お願いします」
「はいよ。そっちの連れはどうするんだ?」
「俺は数本でお願いします」
「はいよ、まいどあり!」
店主にお金を渡して食べながらある歩き出す。
「春名ってNPCの人と仲いいよな」
「NPCって言ってもプレイヤーみたいに意思はあるし生活もしてるし、プレイヤーとなんも変わらないから普通に接してるだけだけど……俺、変?」
「変じゃないよ。そう言う考えいいと思う。俺もそうしよう」
しばらく歩いていると大きい建物の組合所が見えてくる。店内に入ってみるとほとんど人がいなくてすんなり買取は終わった。
新しい素材が手に入ってみんな換金しに混むと思っていたのに少し拍子抜けだ。
「ここでSP振りしよっか」
「そうだな。席も空いてるようだしね」
俺と颯音は適当に椅子に腰掛けSP振りをした。
現状SPは[16]も溜まっている。結構色々と割り振れるけどどうしよかな。毎回悩むけど今あるスキルを[5]まで上げよう。
俺は【ラウンドシールド】【挑発】【咆哮】の三つのスキルを[3]ずつ振って[5]にする。【鋼の体】は上げなくてもいいと思って一旦保留。残りは新しいスキルでも取るかな。
「春名、春名! 派生技みたいの出たよ!」
悩んでいると颯音が嬉しいそうに伝えてくる。
「おお、良かったな」
「これでバリエーションが増える! あ、それと【猛撃】にポイント振ったらさ、コンボを繋いだ分だけ威力が上がるようになった」
「へぇー……なんか颯音だけ別ゲーしてんな」
「それな。春名はSP振り終わった?」
「まだ。レベルも上がって取れるスキルが増えたから悩んでんだよ」
そう言いながら一つ一つスキルを確認する。
「そうなんだ。んー、なら、属性魔法の耐性力を上げるスキルなんてどう? 新しいエリアだと属性系のモンスターも出るみたいだし、持ってても損はないと思うけど」
「なるほど。【バリア】だけじゃ限界くるしいいかもな」
俺は残りのポイントで新しいエリアでも対応できる【ファイアーガード】【ウォーターガード】【フロストガード】の三つに割り振って習得する。
「状態異常系もありじゃない? 沼地なんて毒蛇とか出そうだし」
「状態異常か……マントの効果で耐性あるからな」
「そうなの?」
「おう。火傷、麻痺、毒、睡眠、出血、衰弱、暗闇、凍結、気絶、石化、混乱、魅了の耐性はある」
「なにそれチートじゃん! 何処で手に入れたんだよ!」
「あー……内緒」
「はぁ!? いいじゃんかよ! 俺に教えてくれよ!」
両肩を掴まれ必死に聞いてくる颯音。
「だ、ダンジョンでたまたま拾ったんだよ!」
そう言うとジト目で颯音は見てくる。
「言いたくないならいいけど……今度鍛冶屋行くの付き合ってよね」
「りょ、了解……」
嘘だって見破られた。まぁ聞かないでくれるならいいか。
残り[4]ポイント。さっき取った三つのスキルに[1]ずつ割り振る。残り[1]ポイントはなにかあった時に対応できるよに残しておこう。よし、これで終わりっと。
コガネとシロガネのステータスも確認したいけど呼び出さないと見れないしまた今度にするか。
SP振りも終わって俺たちは組合所を後にして街の中心にある転移門の方に向かって歩く。
「春名、このあとどうする?」
「正直に言うと寝たいけど、颯音いるしもう少し付き合うよ」
「本当か! んじゃ、約束通り鍛冶屋行こうぜ!」
「おう」
颯音の防具を新調するために鍛冶屋が建ち並ぶエリアに向かった。