第28話
早速シロガネのステータスを確認。
シロガネのステータスは全て一桁台。使えるスキルはまだ幼虫だからなのか一切ない。これじゃあ戦わせられないな。
序に進化の項目を見てみた。
「満足度?」
コガネの進化の項目を見た時に無かった表記の仕方に俺は頭を傾げた。
シロガネの満足度のゲージは10/100。なんか微妙に上がっているけどなんかしたっけ? シロガネを仲間にして呼び出したのさっきのが初だし、あとしたことは蜂蜜をあげたぐらい。
「キュ」
丁度食べ終わったようだし試してみるか。
「シロガネ、まだ飲むか?」
「キュ!」
シロガネは頷く。
葉っぱで作られた容器に入っている蜂蜜を一つあげてみた。
直ぐにシロガネはゆっくり蜂蜜を飲み始める。同時に満足度のゲージを見てみると少しずつ上がり始めた。
どうやらご飯をあげれば満足度が上がってマックスになったら進化する感じだな。
「げっぷ……」
シロガネは満足そうな表情でゲップをした。
シロガネの満足度のゲージは20/100。ご飯一回につき10上がるなら、最低でもあと八回はご飯をあげないといけない訳だけど、インベントリにある蜂蜜の在庫が心もとない。次の土日にクイーンビーの所行って分けてもらおう。
「シュ!」
コガネが頭の上に急に乗っかってくる。急でもないな、いつもの事だったな。
「どうかし……痛って! なんで噛むんだよ!」
文句を言うとコガネは武器と一体となる。
『ハルナ、約束の分忘れてる!』
「あ……ごめんごめん。忘れてはいないけど、流石に他の人のことも考えるとね……今度買うよ」
『それならいいけど』
機嫌が直ったコガネは武器と離れてシロガネの下に行った。
やれやれだ。
次はコガネのステータスを見よう。
レベルは18。真新しいスキルは二つ。相手を低確率で眠り状態にする【睡眠の牙】と周囲の環境に合わせて体色を変えることが出来る【保護色】っていうスキル。次レベル上げする時に見せてもらおう。なんか要求されそうだけど。
「お、進化条件が判明してる」
進化の項目も一応確認してみたら不明だった進化条件が全て記載されていた。
六個ある進化先の条件には全てレベル18があってそれが達成されたから他のも判明したのかもしれない。ちなみに、残りは全てスキルの使用回数だ。
それと、進化先のモンスターの名前も判明した。
進化先の名前はレッドスパイダー、関連スキルは【吸血】。
イエロースパイダー、関連スキルは【麻痺の牙】。
ブルースパイダー、関連スキルは【水上歩行】と【潜水】。
グリーンスパイダー、関連スキルは【保護色】と【植物学】。
ブラックスパイダー、関連スキルは【睡眠の牙】と【幻惑】
ホワイトスパイダー、関連スキルは【治癒の牙】と【信仰】。
レッドとイエローは進化出来るけど、残りの四体はコガネが覚えていないスキルばっかりで可能性はかなり低い。
スキルさえ習得できればいいけど、いつの間にか覚えているからなコガネは。
進化でもう一つ気になったことがある。それは、コガネ自身が選んで進化するのか、俺が選択して進化させるのかだ。
まぁ、まだどの条件も満たしていないしその時に考えればいいか。
「他にやり残したことは……ないかな。今日は早めに寝たいし、そろそろやめようかな。コガネ、シロガネ帰るよ」
遊んでいる二体を呼ぶとこっちに向かって歩いてくる。シロガネの動きが遅いからかコガネが持ち上げて運んできた。
仲良くなってるな。まるで兄弟みたいだ。兄妹のほうか? 働き蜂は雌しかいないって言うし……まぁどっちでもいいけど。
「また明日な。戻れコガネ、シロガネ」
二体を優しく撫でてから紋章に戻して、俺は訓練場に後にしてログアウトした。
起き上がった俺は飲み物を取りにリビングに行くと灯りが点いている。兄ちゃん帰ったのかな?
「兄ちゃんおかえり」
「ただいま。まだ寝ていなかったのか?」
「今寝るところ。ご飯は?」
「食べてきた。ちゃんと寝ろよ」
「わかってる。おやすみ」
兄ちゃんに手を振って俺は部屋に戻ってベッドに横になった。
瞼が重くなってきて俺はすぐに眠りに着いた。