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第25話

 戦い終わってコガネは武器と離れ俺の頭に乗っかった。


「コガネ、怪我してない?」


「シュ」


 コガネは頷くけど念の為に確認してみる。体力は減っていない、クイーンアントの攻撃を食らってなくてよかった。

 ついでにハニーワームのことも確認にしてみたけど同じく体力は減っていない。もしものことあったら絶対に怒るよな。


「キュ!」


 ハニーワームは足を動かして何かを伝えようとしている。なんだろう……抱っこして欲しいのかな?

 俺はハニーワームを抱き上げるとハニーワームは嬉しそうにした。合ってたんだ。


「キュ」


 ハニーワームは頬に顔を押し付けてくる。ほのかに甘い蜜なような臭いがするな。

 ハニーワームの頭を優しく撫でた後、俺は皆の所に向かった。


「皆さん、お怪我は――」


 近づくとグレンさんが肩を組んでくる。


「さっきのよかったぞ!」


「うんうん! あれのおかげで共鳴技をぶち当てれたし、マジすごかったよ!」


「あれは……共鳴技なのか?」


 ベオルさんが尋ねてくる。


「はい、コガネとの共鳴技です」


「モンスターとも共鳴技が可能なのか。いや、テイムしたモンスターだから、か? まぁいい、共鳴技凄かったぞ」


「皆さんの共鳴技もめちゃくちゃかっこよかったです!」


「お、おう」


 ベオルさんは頬をボリボリと掻く。


「またベオルが照れてる」


「う、うるさいな……!」


 けらけらと笑うエレナさん。


「よし、洞窟出るぞ」


 体力も回復した俺たちはクイーンアントの素材を回収して外に続く道を進んで行く。

 数体のポーンアントと対峙してようやく外に出ることが出来た。

 俺は背伸びをして大きく深呼吸をする。ずっと暗い所に居たから気分がスッキリするな。


「もう夜中の二時だね。皆どうするの?」 


「え……?」


 俺は急いで時間を確かめると時計は二時になっていた。


「やっば! 俺、学校あるんでお先に失礼します!」


 グレンさんたちに頭を下げる。


「お、おう! 気をつけて帰れよな!」


「はい! それじゃ!」


 俺はグレンさんたちと別れクイーンビーがいる所に向かって走り出した。


「あ、ハニービーだ」


 森を彷徨っているハニービーを見かけるとこちらに飛んでくる。案内してくれたハニービーみたいだ。


「キュ!」


「ビー! ビー!」


 ハニーワームをみたハニービーは喜んでいるようで俺の周りを飛び回った。

 この様子だと怒られずに済みそうだな。

 迎えに来たハニービーについて行ってしばらくするとクイーンビーが待っている大木に到着。そのままクイーンビーの下に向かった。


「寝てる?」


 クイーンビーはスヤスヤと花に囲まれて寝ていた。


「ビー! ビー!」


「ビィー……?」


 ハニービーが周りを飛び回りようやくクイーンビーが目を覚ました。

 俺たちに気が付いたクイーンビーは翅を動かして飛んでくる。翅が治ったようだな、良かった。


「キュ!」


「ビィー!!」


 ハニーワームとクイーンビーの感動の再会に思わず俺は泣きそうになった。


「じゃあ俺たちはこれで」


「キュ!」


 ハニーワームがクイーンビーの手から抜け出そうとする。


「ビィー!?」


「キュ! キュ!」


「ビィー! ビィー!」


 なんか言い争いが始まったけど……何言ってるかさっぱりだ。


「コガネ、通訳を頼んでもいい?」


「……」


 コガネがじっと見てくる。タダではやらないと。


「……串焼き追加します」


「シュ」


 納得したコガネは武器と一体になってくれた。


『約束だからね!』


「わかってるよ。それで、なんの話しをしてるの?」


『ハニーワームがハルナと一緒に行きたいって。それをクイーンビーが反対しているんだよ』


「そうなんだ。仲間が出来るのは嬉しいけど」


 視線を向けるとまだ二体は言い争いをしている。長引きそうだな~。早くログアウトしたいのに……


「キュ!」


「ビィー……!?」


 ハニーワームに何かを言われたクイーンビーは地面に落ちる。


『あ、ハニーワームが嫌いって言ってクイーンビーがショックを受けた』


「あ……そりゃあ効くな」


 大事な我が子からそんなこと言われたら親なら傷つくよな。

 俺はこっちに向かって移動しているハニーワームに近づいて持ち上げる。


「そんなこと言っちゃだめだよ。ちゃんと謝んないとお前を連れて行かないよ?」


「キュ?」


 ハニーワームは頭を傾げる。言葉通じてない?


「シュ」


 武器と離れたコガネはハニーワームに俺の言葉を伝えると、ハニーワームはショックを受けた表情した。


「仲直りするか?」


「シュ?」


 ハニーワームは凄い勢いで頭を振る。ハニーワームを連れてクイーンビーの近くに置いた俺は少し離れた所で様子を見守った。

 ハニーワームが話掛けるとクイーンビーは優しく抱きしめる。ちゃんと仲直りしたようだな。

 クイーンビーは俺に向かって飛んできて、ハニーワームを渡してくる。俺はちゃんと受け止めた。


「えっと、ハニーワームのことは任せてください。それと、たまに顔を見せに来ます」


「シュ」


 コガネが通訳するとクイーンビーは頷いてくれた。

 俺はハニーワームを一旦地面に置く。早速テイムしてみよう。

 まずは名前だっけ。どうしようかな……

 コガネは体色で決めたけど、体色で決めてもな……


「あ、そうだ。シロガネにしよう。うん、いいかも」


 俺はハニーワームの額に手を置く。


「シロガネ」


 名前を呟くと俺の右手にある紋章が光るとハニーワームが吸い込んでいく。テイム成功だな。

 もう時間が時間だし急いで帰ろう。

 俺はクイーンビーとハニービーに別れを言って急いで街に帰ってきた俺はそうそうにログアウトして眠りに就いた。




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― 新着の感想 ―
[一言] 結局新たなオトモゲットなのね( -д-)しかしハニーワームがそのまんま蜂の子状態だと流石にちょっとキモいなデフォルメされたポケ○ンみたいな外見なら街中でもセーフかな?Σ(-∀-;)
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