第194話
俺たちに狙いを定めたリッチロードは左手に持った歪な杖を掲げると、地面から大量の白い手が出現して俺たちを襲ってくる。
「颯音、道を開けるから突っ込め」
そう言って盾を弓に変形させる。
「了解!」
「ビートル隊は颯音の援護を!」
『『『お任せを!』』』
颯音とアインたちは駆け出す。
「アカガネ、頼む」
『はいはーい』
赤色の球体が改造して穴が出来た弓に装着されると、弓全体が炎のように赤色に変わり弦が炎に変わる。
ソウルを消費して矢を番えると矢は炎を纏い、俺は颯音に迫る白い手に放つ。
「っ! いつのまにそんな攻撃出来るよなったんだよー!」
「颯音、前を見ろー!」
「こんなの余裕!」
颯音は一瞬で加速して白い手の攻撃を避け、颯音が通った場所の白い手はバラバラになった。
あいつ、あんなに速く移動できるのかよ。それも攻撃をしながら。
アインたちは颯音の速さには追いつけていないな。なら、俺の周りに呼び戻そう。
「ビートル隊! 一旦下がれ!」
矢を放ちながらアインたちを呼び戻す。
『主! 我らも【共鳴】を!』
「お、ようやく覚えたんだな」
アインたちと共鳴はしてみたいけど、上限は六体だけど……そうだ。上限を増やせばいいのか。やってみよう。
俺は弓を白い球体に戻して呟いた。
「リヴァンプ……」
俺の右手から黒の球体が追加で十四個出てくる。【エキストラトランス・レゾナンス】も今では統一されているけど、元々はトランスさせた武器だ。これも改造できると思っていたけど、予想通りだ。
「アイン、ツヴァイ、ドライ、フィーア、フュン、ゼクス……【共鳴】だ」
アインたちは体を粒子にして黒い球体と一体化して、黒い球体が水色、黒色、草色、黄緑色、紅色、紫色の六色に変わった。
『やるぞみんな!』
『『『おう!』』』
アインたちは武器に変形する白い球体に集まると、魔導書に姿を変えアインたちの球体と融合していく。本が開くと中から先の方に六色の球体が軌道を描いて漂う杖が出現した。
「面白い共鳴だな。行くぞビートル隊!」
『『『はっ!』』』
俺は杖を掲げ叫ぶ。
「光魔法・シャイニングレ―ザー!」
紅色の球体が光り、俺の上空に神々しく輝く光の球体が出現して、そこから広範囲に光のレーザーが放たれ白い手を焼き切る。
「まだまだ! 植物魔法・バインドウィップ!」
地面に杖を突くと草色の球体が光り、四方八方から蔦が伸び、佇んでいるリッチロードを拘束する。だけど、リッチロードは杖を振ると炎が発生して蔦が燃え尽きてしまう。
その間の距離を詰めた颯音がリッチロードの顔面を殴りつける。
「はぁ?」
殴る寸前でリッチロードの体が煙になって別のところで体を再形成する。
怒り狂ったリッチロードは雄叫びを上げると地面から大量のゾンビが出現した。
颯音はゾンビを殴ったり、蹴りを入れたりしてゾンビを倒していく。
「こっちにも来たな。雷魔法・ナインボルト!」
杖をゾンビの方に向けると紫色の球体が光り、ゾンビの群れの中に九つのサッカーボールサイズの雷が生成され、範囲内のゾンビを倒す。
「春名! いつから魔法使いになったんだよ! よっと!」
ゾンビを撃退しながらも揶揄ってくる颯音。まだまだ余裕だな。
「颯音! 避けろよ」
「は?」
「闇魔法・シャドーレイン!」
黒色の球体が光ると、天井が闇に覆われると黒い雨が降り出しゾンビを貫いて行く。
「こんなのっ! 躱せるっ! かっ!」
この攻撃は味方にもダメージがある魔法だけど、颯音は文句を言いつつも躱していく。
更に激怒したリッチロードは青い炎の巨人を召喚させた。
俺のところまで後退した颯音が言う。
「面倒くさいのが出てきたな」
「あの巨人の動きを止めるから一気にやってくれ」
「了解!」
「氷魔法・アイスグランド!」
水色の球体が光だすと巨人の足元がドンドン凍っていく。
「おまけだ。風魔法・エアロプレッシャー!」
今度は黄緑色の球体が光ると風の重力が巨人の動きを押さえつける。
「【共鳴技・コキュートスヘルブレス】」
両手を合わせて放たれた猛吹雪が巨人を襲い、一瞬で氷漬けにした。
「準備は整った!」
俺は杖を地面に突き刺す。六色の球体が光ながら俺の周りを漂い、魔法陣を生成していく。
何かを察したリッチロードはゾンビと白い手を大量に召喚して、俺を阻みに来たが遅い!
「【共鳴技・ラストリゾート】」
魔法陣から目が開けられないほどの強烈な光が放たれ部屋全体を包み込んだ。




