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第169話

「ハルナ君~久しぶり~」


 相変わらずのほほんとしている人だな。


「お久しぶりです、アトラさん」


「水晶は手に入ったの?」


「クリスタルクラブと遭遇したけど、どうにか集めました」


「じゃあ後はインゴットだね。ハルナ君、孵化装置を見せてくれれば安くするよ」


「……ちゃっかりしてますね。構いませんよ」


「ありがとう~。じゃあこっちに出してくれる?」


「分かりました」


 インベントリから孵化装置を取り出してアトラさんに指定された場所に置く。


「おお! これが孵化装置なんだね!」


 アトラさんは目をキラキラさせながら孵化装置を隅々まで観察する。


「あの~アトラさん、インゴットを」 


「は! ご、ごめんね。いくつ欲しいんだっけ?」


 俺は必要な数を伝えると、アトラさんはインベントリから二種類のインゴットを取り出した。

 少し安くなった料金を支払ってインベントリにしまった。


「あと少しだけ見てもいいかな」


 頭を下げるアトラさん。


「別にいいですけど、作るんですか?」


「んー、結論から言うとこの装置は作れないんだけど、似たようなものなら頑張って作りたいかな。難しいけど」


「あーなるほど。ふたりとも、別にいいよな」


 颯音と海都は頷いた。


「ありがとう! お礼に店内にあるアイテムなら好きなの一つ上げるよ!」


「そんなのいいのに……それじゃお言葉に甘えて」


 俺たち三人はそれぞれ店内を見渡し始める。

 好きなのを一つって言われてもなぁ。何があるんだろう。


「お、なんだこれ」


 しばらく物色していると白い小石を見つける。

 手に持ってみるとほんのりと冷たかった。

 調べてみると氷結石と書かれているアイテムで、俺が欲している進化させるために使う石だった。


「アトラさん、この氷結石ってアイテム貰いますね」


「うん、わかった」


 アトラさんは返事しながらも観察を続けている。凄い集中力だな。

 俺は近くにある椅子に座り待つことにした。

 コガネたちのスキルを見ていると、颯音と海都も欲しいアイテムを選べ、アトラさんに一言いってからインベントリにしまった。

 ちなみに、颯音は十字架のペンダントで海都はシルバーのブレスレットを選んでいる。


「ふー。ありがとうハルナ君、ハヤト君、カイト君」


「もういいんですか?」


「うん。もう十分だよ。本当にありがとうね」


「それじゃ、俺たちはこれで」


 アトラさんにお辞儀をしてお店を出る。そのまま、拠点に転移した。

 拠点に着いたらすぐに俺は孵化装置をインベントリ内で修理を始める。


「修理まで一時間かかるって。丁度昼手前だし、昼飯食ってからにするか?」


「もうそんな時間なんだ。じゃあそうしよっか」


「了解ー」


 ログアウトした俺は部屋を出て、キッチンに行き、冷蔵庫を開ける。うーん、簡単なのでいいか。

 パッパッと昼飯を作り食べる。まだ、時間あるな。

 俺は時間まで部屋の掃除をして、洗濯物を急ぎで洗濯をする。


「暑い……」


 もうすぐ八月、段々と暑くなってきたな。いい天気だし、洗濯物は直ぐ乾くな。

 洗濯物を干し終え時間を見ると丁度いい時間に。部屋に戻ってすぐにログインした。

 ログインすると、すでに颯音と海都が来ていた。

 来て早々に海都が尋ねてくる。


「春名、もう修理は終わっているのか?」


 インベントリを確認したら修理完了と表示されていた。


「おう、終わっているぜ」


 インベントリから孵化装置を取り出して床に置く。


「そんじゃ、孵化させますか。海都、卵を孵化装置に入れてくれ」


「わかった」


 海都はドラゴンの卵を慎重に孵化装置の中に入れる。

 蓋を閉めてから電源を入れた。


「あとは、ここに手を翳してくれ」


 俺の指示通りに海都が手を翳すと、機械が動き出す。

 無事に動いてくれたようだな。


「あとは一時間ぐらい待てば孵化するぜ」


「また一時間待つのか……」


 海都の肩に腕を回す颯音。


「もう少しの辛抱だから、一緒に待とうよ海都!」


「颯音……!」


 何故か抱き合う二人。何してんだこいつら。

 俺たち三人は適当に時間を潰して孵化が終わるまで待った。



次回の更新は4/5に予定しております。

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― 新着の感想 ―
[一言] MP的な不思議パワーで装置を動かすのかと思ったら電源が出てきてびっくり。 思った以上に工業が発展している世界観? 装置自体が発電機能を備えているのだろうか。
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