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第166話

 あっという間に目的地の火山に着いた俺はゆっくりと下降して、地面に降りる、

 颯音は地面に


「ぜぇ……ぜぇ……に、二度としないでくれ……マジで……」


「あはは、つい出来心で」


 そう言いながら俺は海都に着いたことを知らせる。


「うっ……気持ち悪い……」


 今にも吐きそうな颯音の背中を摩る。


「お待たせって、颯音大丈夫か?」


 海都が転移してきて、顔面蒼白な颯音を心配する。


「俺が無理なのを知ってるくせに……」


「悪かったって。今度課題見てやるからさ」


「……そこはやってくれるとかじゃないの?」


「何を言っているんだ。課題は自分でやらないと身に付かないだろうが」


「正論!」


 溜息をつく颯音。大分顔色も戻ったな。


「今度課題やりに春名んち行くからな」


「はいはい」


「そん時は俺も誘ってくれよ」


「分かってる。もう大丈夫か、颯音?」


 立ち上がった颯音はぴょんぴょんとその場でジャンプする。


「うん、もう大丈夫」


「それじゃ行こうか」


 警戒しながら火山を登り始めた。

 遭遇するモンスターは平均して35ぐらい。特に苦戦することなく進んで行く。


「着いたぞ」


 しばらく進むと大きな洞窟の前に辿り着く。

 俺は海都に確かめる。


「この洞窟に水晶があるのか?」


「ああ。ここで採れってアトラさんが言っていたけど、それを食ってしまうクリスタルクラブって言うモンスターがいて、相当硬いから気を付けろって」


「なるほどな。クロガネ」


 鉱石の採掘ならと俺はクロガネ呼び出した。


「クロガネ、水晶って鉱石を探すから力を貸してくれよ」


『……こっち』


 てくてくと歩き始めるクロガネ。


「クロガネの後を追おう」


「場所わかるの?」


「クロガネのスキルに【鉱脈探知】ってあるんだよ」


「便利なスキルだな」


 俺たち三人はクロガネの後を追って洞窟の中に入っていく。

 ダンジョンではないから明かりは光る苔だけ。ランタンで明かりを確保しているけど片手が使えないのは…… 


『ハルナ、明かりいる?』


「そう言えば、アカガネ覚えたんだったな」


 アカガネは小さな火の玉を作り、明かりにするスキル【蛍火】を使ってくれた。


「おお、明るい。サンキュー、アカガネ」


『どういたしまして』


 洞窟内が明るくなり俺たちの進むペースが上がる。

 しばらく進んで行くとクロガネがきょろきょろしだす。


「どうした?」


『……水晶以外取っても?』


「あ、ああ。別にいいけど。何見つけたんだ?」


『鉄鉱石』


 そう言ってクロガネは壁に穴を掘り潜っていく。

 後ろから颯音が聞いてくる。


「どうしたの?」


「クロガネが鉄鉱石の鉱脈を見つけたみたい。今取りに行ってる」


 その会話を聞いて海都が言う。


「鉄鉱石があれば少しは材料費が浮くんじゃね?」


「ああ、確かに。クロガネが戻ってくるまで待ってる――」


 そう言うと思っていたいたら俺の直ぐ近くの壁が崩れ、俺たちは武器を構えた。


『……何?』


「なんだ、クロガネかよ……びっくりするな……」


 クロガネの姿を見て俺たち三人は溜息を吐いて警戒を解いた。


『こっち』


 クロガネの道案内に従って進んで行く広い空間にでる。

 そこにはキラキラした色とりどりの鉱石が埋もれている空間だった。


「すっげぇところを見つけたな。てか、鉄鉱石だけじゃなかったのな」


『他はついで。水晶も少しある』


 器用にクロガネが指した方に無色透明な鉱石――水晶があった。


「海都、水晶があったぞ」


「了解」


 海都はインベントリからツルハシを取り出し水晶を採掘し始めた。


「よし、俺も採掘しよっと」


 颯音もツルハシを取り出して水晶以外のに採掘しだす。


『ハルナはしないの?』


「俺? 俺はクロガネをみてるからやらない。てか、ツルハシ持ってないし」


『そう』


 クロガネは歩き出して少し奥にある鉄鉱石のところに行く。

 すると、クロガネは鉄鉱石を砕いて食べ始めた。


「鉄鉱石食うの?!」


『うるさい』


 クロガネに注意されて俺は静かにした。

 どんどん食べていくクロガネ。鉄鉱石使うつもりだったけど、まぁいいか。

 鉄鉱石が食べ終わると、別の鉱石を食べ始める。

 その時、洞窟が揺れ始め、パラパラと塵が落ちてくる。


「海都、そっちは大分集まったか?」


「大分取ったけど、足りてるかみてくれ」


 海都から水晶を受け取り、確認してみる。


「うーん、少し足りないみたい」


「マジか……」


「クロガネ、他に水晶がある場所ってあるかな?」


 そう聞くとクロガネは頷く。


「それを採掘すれば足りるだろう。颯音行くぞー」


「わかった」


 いまだに採掘している颯音に声をかけて別の場所に向かう。

 歩き出すとさっきよりも強い揺れがきて、壁に手を突く。

 すると、地面が大きく裂けて水晶が生えてくる。さらに、鋏みたいのが見え、黄色く光る眼と視線が合う。

 甲羅に水晶を背負っている蟹。これがクリスタルクラブか。堅そうだな。



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