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第163話

「使えねぇ手下どもが!」


 罵声を飛ばす海賊船長は近くにいる仲間に銃口を向けて射殺した。

 自分の仲間を……マジかよ。


「死にたくなければ死ぬ気でやれ! クソどもが!」


「「「おおおお!」」」


 海賊たちの士気が上がり始める。

 海賊たちのステータスを見ると攻撃力が上がっていた。

 そういうスキルか、面倒くさいな。


「みんな! 敵の攻撃力が上がってるから気を付けろよ!」


 全員が海賊たちの攻撃に気を付けながら倒していくけど、倒しても倒しても海賊たちはどんどん湧いてくる。キリがない! 

 徐々にコガネたちは捌き切れずに攻撃を受けてしまっているけど、シロガネの回復スキルで相殺している。


「あの蜂を狙え!」


「無理です! あの周りに近づいただけで――」


 銃声が鳴り響き、海賊船長がまた仲間を撃ち殺した。


「俺様に口答えすんじゃね!」


 シロガネに銃口を向けているの気が付いた俺は盾を飛ばして【ラウンドシールド】を展開した。

 銃弾は弾かれ、支柱に当たる。


「クソが!」


 乱発するが俺の盾はそんなことでは壊れない。


「おい! あれを持ってこい!」


「へい!」


 大きい音を立て海賊たちが大砲を運んできた。

 こんな混戦している状況であれをぶっぱなす気かよ……!

 フックを外した海賊船長は、その大砲を持ち上げて右手に装備した。


「ぶっ飛べぇええ!」


 高エネルギーを圧縮させ放つ。

 俺は急いでシロガネの前に行き、防御系スキルを全て使いシロガネを守る。だけど、攻撃はそう長く防ぎきれず、盾に罅が入り割れた。俺は咄嗟にシロガネを庇った。

 吹き飛ばされた俺はシロガネを抱え、柵に激突した。


 片目を開けて自分の体力を確認。

 あの攻撃で体力が半分切るか。スキルで軽減はしたけど、火力高すぎだろう。


『ハルナ……? 大丈夫……?』


 心配そうに声を掛けてくるシロガネ。


「ああ、どうにかな。シロガネ回復……を」


『許さない……!』


 シロガネは飛び、海賊船長を睨みつける。


『許さない!』


 シロガネから強烈な光が放たれ、姿がみるみるうちに変わっていく。

 光が収まると、丸かったシロガネの姿は縦長に。蜂の巣のような腹部に、黄色と黒のラインが交互にあり、顔の周りには純白の毛が纏っている。

 名前もスイートハニービーからロイヤルハニービーになっていた。


『行きなさい、兵たちよ!』


 シロガネの腹部から沢山の黒い小さな蜂が召喚され、海賊たちを攻撃する。

 緑色の蜂が俺の方に飛んできて、甘い香りを放つ。俺の体力がみるみるうちに回復していく。

 これが、シロガネの新しいスキル【治癒蜂兵】か。じゃあ、あの攻撃をしているのが【特攻蜂兵】だな。

 スイートハニービーの時は回復特化だったから妨害系のスキルはあるものの攻撃スキルはなかった。ハニービー以来の攻撃スキルか。

 回復し終えると、小さな蜂は別のところにいく。


「鬱陶しい虫が!」


 海賊船長は敵味方関係なく銃をぶっぱしだす。


『守りなさい!』


 今度は青色の小さな蜂を召喚して、銃弾を防ぐ。あれが【鉄壁蜂兵】か。

 攻撃、防御、回復の三スキル。え、めっちゃシロガネが強くなったんだが。


『ハルナ、共鳴技であいつを倒すよ』


「分かった」


 シロガネは体を光の粒子にし、黒い球体と一体になる。

 左手に来た白色の球体は手袋と一つとなり、人差し指に蜂の針みたいなのが装着された。


「めっちゃ変わってるじゃん」


『使えるよね?』


「おう、任せろ」


 俺は左手を銃を撃つように構え海賊船長を狙う。


「【共鳴技・ホーミングホーネット】」


 放たれた針は海賊船長を目掛けて飛んでいく。

 海賊船長は躱すが、針は急旋回して海賊船長に刺さる。


「こんなもの……!」


 海賊船長は乱暴に針を抜き、投げ捨てた。


「あいつを殺せえええ!」


 海賊船長の合図で手下が俺の邪魔をしてくる。

 だけど、コガネたちが俺の周りに集まって食い止めてくれた。


「【共鳴技・ホーミングホーネット】!!」


 俺はもう一度針を飛ばす。

 海賊船長は手下を使い攻撃を防ごうとしたけど、急旋回して手下を躱し、さっき刺さったところにもう一度刺さる。すると、海賊船長は苦しみだし、口から泡を吹いて倒れ消滅。

 海賊船長が倒されたと同時に手下たちも一緒に消え、静かになった。

 シロガネの新しい共鳴技は自動追従の弾を同じところに当てると相手の方がレベルが低い場合のみ即死させる技だ。二回当てないといけないけど、結構強い共鳴技だな。


「おわったのか……?」


 そういうと海賊船はみるみるうちに姿が消えていき海に落ちる瞬間、クモガネとアカガネが掴んできた。

 アインとツヴァイとフィーアがコガネを掴み、ドライとフュンとゼクスがクロガネを掴み飛んでいる。


「ありがとう、みんな……」


 俺はインベントリから船を取り出して、海面に浮かべ、船に降ろしてもらう。

 海面から顔を出しているアオガネを回収し、船を動かしてこの場から離れることにした。



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