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第158話

 なんか気まずい雰囲気の船内。俺とモレルさんで話題を作りながらどうにか時間は過ぎて船は拠点に着く。

 船着き場がないから三人には足がつくところで降りてもらい島に上がってもらった。

 船着き場がないと不便だな。必要リストに追加しよう。

 辺りを見渡すトオルさんが言う。


「意外と小さな島だな。これ全て拠点なのか?」


「ハウスの周りも改造できるので、この島自体が拠点です」


「よく見つけたな。俺の所はまだ見つかってねーから羨ましいぜ」


「いい所が見つかるといいですね」


 先に行ってるモレルさんが大声で俺のことを呼ぶ。


「ハルナ君! 入ってもいい!」


「なんもないですがどうぞ!」


 モレルさんとルーシャさん一緒にハウスの中に入っていく。

 隣にいるトオルさんが言う。


「さ、やろうか」


「分かりました。ルールは前回と同じで?」


「それでもいいが、どうせならガチでやろうぜ」


 楽しそうに笑うトオルさん。


「ルールは簡単。体力がなくなった方が負けだ。お前が勝ったら残りの石を全部くれてやる」


「負けた場合は?」


「一個だけだ」


「その条件だと、俺にしかメリットがないと思うんですけど……」


「俺は楽しめればいいんだよ。さ、やろうぜ」


 俺の目の前に承諾のウインドウ画面が出てくる。

 俺は溜息をついてからボタンを押す。

 俺とトオルさんを中心に専用エリアが生成されていく。空と少しばかり海もエリア内のようだな。

 トオルさん相手に本気を出すためにはありがたいな。


「コガネ、シロガネ、クモガネ、クロガネ、アカガネ、アオガネ」


 俺は六体を呼び出す。


「お、最初から全力か。嬉しいぜ」


「トオルさん相手ですからね。本気で行きます――ってコガネ!」


 後ろからコガネに押し倒されてしまう。


『ハルナ! ご褒美は!』


「え、あ……あとでもいいか?」


『今!』


「今? トオルさんとの対戦が終わったら絶対にあげるからさ」


『『ダメ!』』


 シロガネも一緒にコガネに同調する。


『くれないなら戦わない』


『私も』


「え……」


 俺は溜息をつく。


「トオルさん、すいません。一旦棄権していいですか? こいつらとの約束でご褒美を上げないといけなくて……」


「ん? 別にいいぜ」


「すいません……」


 俺は試合を棄権すると生成された専用エリアがなくなった。

 俺はインベントリにある洋菓子を全部取り出してコガネたちの前に置く。

 ダンジョン攻略に参加してなかったアインたちも呼び出して、みんな仲良く美味しそうに食べ始めた。

 そんな光景をしゃがみながら見ているトオルさんが言う。


「なぁ、モンスターを仲間にするの難しいのか?」


「俺はそんなことはなかったですけど、俺と友達以外テイムしている人を見たことないんで難しいのかなって。なんかテイムしたいモンスターがいるんですか?」


「いないけど、気になっただけ」


「やり方教えましょうか?」


「教えてもいいのか?」


 トオルさんが聞き返してくる。


「ええ、掲示板の方でも載せているので構いませんよ」


「それじゃ、一応聞こうか」


 俺はテイムの仕方を一通りトオルさんに教えた。

 教え終わるころにはコガネたちは洋菓子を食べ終えていた。


「みんな満足か?」


 そう聞くとコガネたちは頷く。


「じゃあ戦ってくれるか?」


『仕方ないな』


『またあとで頂戴ね』


 シロガネはちゃっかり洋菓子を要求してくる。


『僕はいつでもいいよ』


『あ、あんまり戦いたくないけど……い、いつでもいいよ』


 クモガネは準備万端。アオガネは消極的だけど準備はできているようだ。


『クロガネ、頑張ろうね!』


『頑張るのはハルナよ』


『そうだった!』


 クロガネとアカガネがそんな会話をしているとアインたちが俺の周りに集めってくる。


『主、我らも参戦で?』


「ごめん、アインたちは待機なんだ」


 そう言うとアインたちは少ししゅんとなる。


『主、戦いを観戦してても?』


「あ、ああ。それは構わないけど」


『では、我らハウスの屋根で観戦しておりますぞ。皆のモノ行くぞ』


 アインの合図で六体はハウスの方に飛んでいく。

 アインたちを見送っているとコガネたち六体は【共鳴】を使い黒い球体と一体になる。


「トオルさん、お待たせしました」


「おう。じゃあもう一回申請するぞ」


「はい、お願いします」


 俺はもう一度承諾を押すと、再び専用エリアが生成された。

 俺が軽くウォーミングアップをすると、トオルさんは黒い大剣を振り下ろす。


「今回は最初から剣を使うんですね」


「当たり前だろ? ガチなんだからさ。それじゃ始めるぞ」


「分かりました」


 試合開始の合図が鳴り響く。




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