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第153話

 水に飲まれた後、何とか体勢を整えた俺は急いでインベントリから水中呼吸機を取り出し咥えた。

 俺は二人にメッセージを飛ばし無事を確認する。


『こっちは大丈夫だ!』


『俺も平気!』


 直ぐに二人から返事が来て胸を撫でおろした。


『ハルナ、後ろ!』


 コガネに言われて振り向き盾を構えると重い衝撃に襲われ俺は壁まで吹き飛ばされ壁に激突。瓦礫に埋もれてしまった。

 リヴァイアサンの攻撃で俺の体力は一気に半分まで削られてしまう。盾で防いでいなかったら確実にやられてたな。


「グリャアアア!」


 リヴァイアサンが俺に突撃してこようとしてくる。

 急いで避けなきゃ!


「っ!」


 瓦礫のせいで動けない! やばいやばい!


『ハルナ! 急いで!』


『動けないんだ!』


 コガネが急かしてくるがびくともしない。俺は【念話(蟲)】でコガネに伝えた。


『クモガネ、壁作って!』


『うん!』


 クモガネは【凍てつく壁】のスキルを使い何重もの氷の壁を作りだしていく。周りには水が沢山あるから作り放題か。


『ハルナ、アオガネを呼び出して。この中でまともに動けるのはアオガネだけだよ』


 リヴァイアサンは氷の壁を壊しながら向かってくる。


『呼び出すには名前を呼ばないといけないんだけど、水中じゃあ……』


『念話でやって! シロガネ、ハルナを回復してあげて!』


『言われなくてもやってるよ!』


 シロガネの回復スキルのおかげで俺の体力が回復していく。

 俺はコガネの言葉を信じて【念話(蟲)】を使いアオガネの名前を念じた。

 すると、俺の目の前にアオガネが呼び出せた。


『アオガネ! 時間を稼ぐからハルナの瓦礫を退かして!』


『う、うん……!』


 アオガネは俺の瓦礫を急いで退かす。


『クロガネも手伝って!』


『仕方ないわね』


 コガネは糸を、クロガネは石の礫を飛ばしてリヴァイアサンに攻撃する。

 アオガネが頑張って瓦礫を退かしてくれてようやく動けるようになった俺はアオガネに掴まり、その場を離れた。

 その直後に、俺がいたところにリヴァイアサンがぶつかってくる。あっぶね、間一髪だな。

 俺は颯音と海都の元に行くと、2人は鋭い槍を持った魚の上半身に人の足があるモンスターと戦っていた。

 助けに来ないと思っていたらこいつらに足止めされていたのか。水中じゃ苦戦するよな。


『アオガネ、あいつらをどうにか出来るか?』


『ぼ、僕? む、無理だよ……』


 後ろを見るとリヴァイアサンが俺に狙いを定めている。


『大丈夫だ。お前は水中じゃあ最強だ。自信を持て』


『最強……?』


『おう。お前は強い。』


『僕は強い……僕は最強……』


 アオガネはブツブツと呟く。


『アオガネ?』


 様子がおかしいアオガネの顔を覗き込む。


「グリャアアア!」


 リヴァイアサンが迫ってくる。


『……ハルナ、掴まってろ』


『へ?』


 凄い速さで動き出すアオガネに俺は必死でしがみつく。

 アオガネは二人が対峙していた一体の半魚人に近づき、絡みつき、半魚人の背骨をへし折った。

 すかさず、アオガネは次の半魚人を通りすがりに足で切り裂く。足を鋭くして切り裂くアオガネのスキル【切り裂く】。アオガネが接近戦をしているのは初めて見たけど、凄い威力だ。

 リヴァイアサンの攻撃を掻い潜り、あっという間に湧いていた半魚人をアオガネが一掃した。 


『ハルナ、あいつも倒す』


『ちょ、待っ!』


 俺の制止の声も聞かずにアオガネはリヴァイアサンに立ち向かっていく。

 体格が大きいリヴァイアサンを、機敏に動き翻弄するアオガネは少しずつ体力を削っていく。


『春名! 離れて!』


 颯音からメッセージが飛んできて直ぐに離れると颯音は凍てつく風を放ち、リヴァイアサンに向かって水が凍っていく。

 リヴァイアサンは逃げようとしたけど、凍る早さの方が早くリヴァイアサン自身は凍らなかったけど、周囲が凍り身動きを止めることが出来た。そこに海都の炎の矢が降り注ぐ。

 海都の攻撃もあってリヴァイアサンの体力は半分まで削れた。


『進化するぜハルナ!』


『え?』


 そう言った瞬間アオガネが光り輝きだし、アオガネの姿がどんどんと大きくなっていく。

 光が収まるとアオガネの体格が二、三倍ほど大きくなり、各胴部には赤く光る二重の円が浮き出る。

 アオガネはシーセンチピードからジャイアントシーセンチピードに進化した。

 先程の半魚人を倒したことで進化条件を達成したんだな。俺は戦いの最中だが口角が上がる。


『アオガネ、やるぞ』


『任せろ!』


 アオガネは体を光の粒子にし、俺の空いている六個目の黒い球体に吸い込まれた。



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