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第152話

「先手必勝!」


 颯音はリヴァイアサンに向けて駆け出した。

 リヴァイアサンは周囲に水球をいくつも作りだし、颯音に向けて放つ。

 颯音はギリギリで躱し近づいていく。


「たく、先走りしやがって」


 海都を炎の矢を番えリヴァイアサンに放つ。

 リヴァイアサンは颯音に放っていた水球を、海都の炎の矢を迎撃するために回す。

 その隙に颯音は駆け抜けてリヴァイアサンの懐に入る。


「【共鳴技・ブラストナックル】!」


 早速颯音は共鳴技を使いリヴァイアサンに一撃を入れる。だけど、リヴァイアサンの体力は少ししか減らなかった。

 颯音のレベルは45とリヴァイアサンより低いけど、攻撃力に自信がある颯音の攻撃が少ししか効いていないとはな。しかも、共鳴技。どれだけ硬いんだよ……アイスゴーレム以上だったら面倒くさい。

 苦笑いをしているとリヴァイアサンは颯音に噛み付こうと口を大きく開ける。 


「やばっ!」


 颯音は急いで離脱するが、リヴァイアサンは颯音を追っていく。

 俺は【挑発】のスキルを使い颯音に行っている敵視を俺に集める。

 そのせいで、リヴァイアサンの鋭い牙は俺に向かってきた。


「コガネ、シロガネ」


 右手にコガネ、左手にシロガネの特殊な革手袋にする。

 ワイヤーを天井に伸ばしてギリギリのところでアオガネを抱えて躱す。リヴァイアサンが俺を見上げた瞬間、口の中で爆発音が聞こえた。

 リヴァイアサンは口を開けたり閉じたりを繰り返していると段々と嫌な顔になっていくのがわかる。

 俺が避ける間際にリヴァイアサンの口に向けて投げたシロガネの蜜爆弾の粘着力は凄いだろう。


「海都!」


「任せろ! 【アトミックフレア】!」


 海都がリヴァイアサンの頭上目掛けて炎の矢を放つと、頭上で炎の矢は留まり、真下にいるリヴァイアサンへ炎の矢の雨を食らわせる。

 颯音の攻撃よりかはダメージがある。海都のレベルは44とそんなに颯音と差はないけど火属性が苦手なのかもしれない。


『ハ、ハルナ……僕、邪魔になっちゃうから戻して……』 


「わかった、戻れアオガネ」


 俺はアオガネを戻す。


「颯音! 多分だけど火属性が苦手――よっと」


 颯音に伝える前にリヴァイアサンが水面から出てきて、俺に突撃してくるが、ワイヤーを伸ばして横に回避。俺を探しているリヴァイアサンの横顔を颯音が思いっ切り殴り飛ばした。

 壁に激突したリヴァイアサンはずるずると水中に沈んでいく。 


「倒した?」 


 颯音が聞いてくる。


「そんな訳ないだろう」


 そう言ってると俺たちの立っているところが揺れ始め、下から凄い勢いで水柱がいくつも噴き出る。

 水柱は俺たちに向かって動き出してくる。


「厄介な攻撃してくるな……! みんな避けろよ!」


「分かってる!」


「面倒くせぇな!」


 迫りくる水柱を長い間避け続けるも収まる気配がない。いつまで続くんだこれ。

 ――ビチャ。

 足元で水溜まりを踏んだ音が聞こえ、周りを確かめると俺たちがいるところが浸水していることに気が付いた。

 この攻撃は俺たちの足場をなくすための攻撃だったのかよ。

 いつまでも姿を見せないなら、こっちから攻める。


「颯音! 辺りを凍らすぞ!」


「わかった!」


「クモガネ!」


『うん』


 水色の球体が俺の背中に来てマントは円盤の姿に変わり白い翅を展開した。


「【共鳴技・フロストウィング】!」


「【共鳴技・コキュートスブレス】!」


 俺と颯音の共鳴技で一気に水柱と水面を凍らせた。


「寒いんだけど!」


 海都は寒さに震えながら俺たちに文句を言う。


「水は収まったけど姿を見せないね」


「そうだな」


 俺はクモガネとの【共鳴】を解いて、シロガネに体力回復してもらう。


「今の共鳴技で大分減っていればいいんだけどさ」


 そう思っていると、部屋全体が激しく揺れ凍った場所に罅が入り水が噴き出してくる。

 そして、凍ったところからリヴァイアサンが姿を現す。

 リヴァイアサンの体力は三割まで削れていた。


「な、なぁ……なんかキレてないか? あいつ」  


 海都の言葉にリヴァイアサンの瞳を見てみると真っ赤になっていた。


「グラアアアアア!」


 リヴァイアサンが吠えると、また部屋全体が揺れ始め一気に水が溢れ出し、俺たちは大量の水に飲み込まれてしまった。



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― 新着の感想 ―
[一言] カイト君気がついてないと思うんだけど リヴァイアサンってドラゴンじゃないっけ?
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