第150話
また日付を間違えていました!
本当にすみませんでした!
海面に飛び散るシーサーペントの素材を回収してから俺はみんなのいるところに戻る。
外の騒ぎを聞きつけて颯音と海都も外で待っていた。
地面に降りると颯音が駆けつけてくる。
「春名! さっきのは一体……」
「クモガネとアカガネの共鳴技。アオガネがシーサーペントに襲われてな」
俺はシロガネの回復を受けているアオガネに視線を向ける。
体力はシロガネのおかげで全快しているな。怪我もないようだ。
それに、シーサーペントの群れを倒したことで経験値を大量に手に入れアオガネとアインたちはレベルが大きく上がり、コガネとクモガネとアカガネは少し上がった。
「今のも共鳴技かよ……いくつ使えるんだよお前は」
海都が呆れながらも聞いてくる。
「アオガネとアインたちは出来ないから、五つ? あ、コガネとシロガネの共鳴技もあったな。クモガネとアカガネのも合わせて七つだな」
「七つ!? 羨ましい……! ……颯音は?」
「俺? 俺は三つだよ」
「はぁ? チートかよお前ら……」
「違うし、俺とヒスイとギンとの絆だし」
「そうそう」
俺はうんうんと頷き同意する。
『ハ、ハルナ……』
よそよそしくアオガネが話しかけてくる。
「どうかしたか? アオガネ」
『う、海の中で洞窟みつけた……』
「洞窟?」
『そ、そこに近づいたらあいつらに見つかっちゃって……ごめんなさい……』
何故か謝るアオガネの頭に手を置く。
「お前は悪くないんだから謝るな。無事でよかったよアオガネ」
そう言いながら俺はアオガネの頭を撫でる。
「洞窟……ダンジョンか?」
「多分、ダンジョンだろう」
海都の考えに俺は頷く。
「拠点の近くにあるのは見過ごせないから偵察しに行こう」
「海の中か……」
ため息をつく海都。
「どうかした?」
「いや~……俺、泳ぐの苦手でさ……」
「名前に海って文字入ってるのに泳げないの?」
「名前は関係ねぇだろうが!」
「春名、意地悪しないでスキルのこと教えなよ」
「はいはい。海都、SP余ってるか?」
「一応余っているけど?」
「【潜水】ってスキルを取れば水中でも動きやすくなるから取ってみ?」
「お前らは持ってんの?」
俺と颯音は頷く。
「……二人が持ってんなら取ってみる」
「よし、じゃ海都がスキルを取ったら行こう。あ、これも渡しておく」
俺は海都に水中呼吸機の使い方を説明してから渡す。
「予備ないからなくすなよ」
「分かってる」
海都は水中呼吸機をインベントリにしまった。
「コガネ、シロガネ、クモガネ、クロガネ、アカガネの五体は【共鳴】を。アオガネは案内を頼む。アイン、ツヴァイ、ドライ、フィーア、フュン、ゼクスのビートル隊は悪いけど一旦戻すぞ」
コガネたち五体は【共鳴】を使い黒い球体と一体になってからアインたちを戻した。
「ヒスイ、ギン」
颯音は二体の狼を呼び出す。
「俺たちも行くぞヒスイ、ギン」
「「ワフ!」」
二体は颯音の籠手と一体になった。
「準備万端じゃん。そのまま攻略するつもりか?」
「可能ならするんでしょ? 春名」
「勿論だ」
俺たちは浜辺に歩いて向かう。
海都は海に足を浸けると不安そうな表情をする。
「な、なぁ……本当に大丈夫なんだよな……」
「大丈夫だから行くぞ。海の中では喋れないからなんかあったらメッセージを飛ばせよ」
俺はそう言って水中呼吸機を口に咥え海に入る。
俺のあとから颯音も続く。少し遅れて海都も来た。
『やっべぇ! 泳ぐの楽しい!』
相当泳げたのが嬉しいのか直ぐにメッセージが飛んできた。
『ハルナ、こっち』
アオガネの案内され、少し深く泳いだところにぽっかりと開いた洞窟の入り口を見つけた。
俺は二人に合図をして洞窟に入り、慎重に進んで行く。
しばらく進んで行くとアオガネが急浮上し始め、俺たちも後を追った。
ゆっくり海面から顔を出し辺りを見渡す。
「海都、モンスターの反応は?」
「この近くにはいない」
俺たちは近くにある道らしきところから上がる。
真ん中に大きな水路でその両脇に道がある。まるで映画とかでみる下水道だな。
明かりは壁に付いている光る苔だけで視界が悪い。俺はインベントリからランタンを取り出して火を灯した。
「意外と広そうだね。これ、今日中に終わる?」
「今日は泊まりだから、徹夜でも俺は構わないぜ」
「よし、じゃあ徹夜で攻略しますか」
次回の更新は3/8に予定しております。