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第149話

 外を眺めているとクモガネとアカガネが一緒に俺のところに飛んでくる。

 最初の頃はアカガネが熱くて避けていたクモガネだったけど、今では一緒にいるところをたまに見る。

 属性は違うけど同じ蛾のモンスターだからかな。


『ハルナ、ここって家なの?』


 クモガネが尋ねてくる。


「俺たちの家な。色々と改造するから、これがあったら良いってものがあれば言ってくれ」


 そう聞くとアカガネが答える。


『お花畑が欲しいかな』


『私も欲しい! 一緒に沢山蜂蜜を作れるね!』


 話を聞いていたのかどこからともなくシロガネが会話に混ざる。


「花畑だな。……色んな種を集めないといけないみたいだから、今度あのエリアに行って種を集めようか」


 受付嬢から渡された分厚い本に記載されている園芸の項目を確認しながらシロガネとアカガネに提案した。


『約束だからね、ハルナ!』


「分かってる」


『楽しみだねアカガネ!』


『うん!』


 嬉しそうなシロガネとアカガネ。

 周りを見るとみんなが俺を見てた。


「他にいるもんあるか?」


『甘いものがあればなんでもいい』


『僕は寒いところが欲しいかな』


『砂場……』


 コガネは特にないようだ。クモガネは寒い場所。クロガネが砂場と。

 このエリアだと寒い場所は確保できないから室内に冷凍室みたいなの作ればいいかな。

 砂場は、砂漠エリアの砂を集めてくればいいな。


「了解っと。アインたちは?」


 そう聞くとアインたちは話し合い始める。

 意見が決まったのかアインが代表として意見を言う。


『主、我らは樹液が出る大木を』


「樹液が出る大木?」


 木の苗を手に入れればどうにか出来るな。

 いっそのこと植林場を作るのもありだな。


「ありがとうみんな。ちょっと時間はかかるけど楽しみにしてて」


 コガネたちの意見を、未だ内装のことで話し合いをしている颯音と海都に伝えようと振り向こうとした時、海の方から水柱があがった。

 上空を見るとアオガネらしき姿を見つける。


「ビートル隊! アオガネを頼む!」


『『『はっ!』』』


 アインたちは急いで上空に打ち上げられているアオガネの元に向かう。


「シャアアア!」


 海中からモンスターが首を出す。俺は急いで確認した。

 モンスターの名前はシーサーペント。レベルは41と割と高い。

 シーサーペントは大きく口を開けて落ちてくるアオガネを待っていたが、ギリギリのところでアインたちが間に合いアオガネを救出する。俺は胸を撫でおろした。

 シーサーペントは口を大きく開けて、今度は水球をアインたちに飛ばす。

 急いで援護しないと。


「コガネ、いつでも【サンダーボルト】を撃てるようしておいて。クモガネ、アカガネ。同時【共鳴】だ!」


 クモガネとアカガネは同時に【共鳴】を行い、背中に薄い円盤を装着。俺は白と赤のひし形の翅を展開して急いで飛び立つ。

 アオガネを抱えながらシーサーペントの攻撃を避けるアインたち。一つの水球が当たる寸前、俺は赤い翅を二枚使い攻撃を防ぐ。赤い翅に水球が触れると水蒸気になった。


「ここは任せて、シロガネの元へ」


『『『はっ!』』』


 去っていくアインたちに攻撃が行かないように【挑発】のスキルを使い俺に敵視を集める。

 シーサーペントは俺に向けて鋭い視線を向けてくる。

 そうだ。それでいい。

 シーサーペントは水球を飛ばしてくるが、クモガネとアカガネの同時共鳴のおかげで余裕で躱せる。


「シャアアア!」


 突然、シーサーペントが咆哮すると次々とシーサーペントが出現する。仲間を呼んだか。


『ハルナ、敵が増えちゃったよ!』


「お前らならやれるだろう? 行くぞ、クモガネ! アカガネ!」


『うん!』


『行くわよ!』


『【共鳴技・フロストアンドフレイム】!』


 八枚の翅が背中から離れ、右手に赤い翅が集まり、左手に白い翅が集まる。

 俺は両手を空に掲げ、熱く燃える火球と凍てつくほどの氷塊を練った。

 二つの塊は混ざり合い大きくなっていく。俺はそれを今度は限界まで圧縮。そして、小さくなった塊をシーサーペントの群れに向けて放つ。

 シーサーペントの群れは一斉に逃げ出そうとするけど、俺が投げた塊は海面に触れた途端、大爆発が起きてシーサーペントが打ち上がり、上空で一気に凍り付いた。

 初めて使ったけど、威力やばいな。おっと、コガネの準備が出来たようだ。

 ゴロゴロと空が暗くなっていくのを気が付いた俺は距離を取るために速やかに離れた。そのあとすぐに氷の彫刻になったシーサーペントの群れに雷が落ちた。


次回の更新は3/5に予定しております。


追記、すいません体調を崩してしまい3/5の更新を3/6に変更します。

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