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第142話

 モンスターに遭遇することなく気球は順調に進んで行く。

 籠の中では会話が弾んで賑わっていた。

 アインたちは今のところ問題無さそうだ。

 まぁそれよりも……

 俺は白い球体に視線を向ける。


「シロガネ」


 呼びかけてもシロガネは返事をしてくれない。

 俺は溜息をつく。


「シロガネ、運ばなくていいから戦闘の時は参加してくれよ?」


『……それならいいけど』


 やっと口を聞いてくれて一安心だ。

 しばらく進んでいくとエジプトにありそうなピラミッドが視界に映る。

 その周りには沢山のプレイヤーが集まっていた。


「ハルナー! 広い場所に降ろしてくれ!」


「わかりました!」


 地上を見下ろして人が居ないところを見つけてゆっくり下降していき、砂の上に降ろした。

 アインたちは縄を離して俺の元に飛んでくる。


『主! 我ら誰一人も欠けることなく達成しました!』


「ご苦労さま。みんな休んでてくれ」


 アインたちを労ってから俺も地上に降り、【共鳴】も解いた。


「いや~早く着いた! ハルナっちのおかげだ!」


 アレンさんは伸びをしたあと気球をインベントリにしまう。


「それじゃ俺っちたちは行くっすね」


「はい、お気を付けて」


 アレンさんとフリッジさんはピラミッドの方に歩いて行く。


「ここに留まっていたら注目の的だ、俺たちも行くぞ」


 周りに視線を向けると沢山のプレイヤーたちが俺らを遠くから見ていた。

 空から登場したらそうなるか。

 グレンさんの後をついて行く。


「グレンさん、このダンジョンはどこから入るんですか?」


「入り口は沢山あるぞー。ほら、あそこが入り口の一つだ」


 グレンさんが指差した方を見ると、白く光る魔法陣がある。そこにプレイヤーが乗ると、一瞬で姿が消えた。

 あれでこのピラミッド内に入るのか。


「ちなみに中に入ると毎回別のところから始まる」


「へぇー」


 ベオルさんが追加で説明してくれた。


「よし、俺たちもはいるぞ」


『あ、主……』


 フィーアが話しかけてくる


「どうかした?」


『我も戦いたい……』


「あ、そうなん? 別にいいけど……お前たちも?」


 他の五体にも尋ねると頷いた。


「それなら、戦ってみるか!」


 そういうとみんなは喜んだ。


「ベオルさん、こいつら戦いたいみたいなんで戦闘は任せて貰ってもいいですか?」 


「無理と判断するまでなら好きしてくれて構わないぜ。お前らもそれでいいだろう?」


 三人は頷く。


「だそうだ」


「ありがとうございます」


 俺たちは纏まって魔法陣の上に乗る。

 一瞬、視界が暗転すると石レンガで作られ、明かりが壁に掛けられていた松明のみの通路にいた。


「早速、お出ましね」


 エレナさんがそう言うと、松明に照らされて骸骨の姿をしたモンスターのスケルトンが三体現れた。

 レベルは30と高い。こいつらにやらせるのは荷が重いか。


「二体は俺たちに任せろ。」


「頑張れよ」


 グレンさんとベオルさんは武器を構え、二体のスケルトンを無理やり引き離した。


「あーあ、行っちゃった。まぁ二人は大丈夫でしょ」


「そうですね、私たちはハルナ君を見守っていましょう」


「そうだね」


 モレルさんとエレナさんとユリーナさんは俺の後ろで戦いを見守るみたいだ。


「そんじゃ行きますか。ビートル隊、準備いいか!」


『『『はっ!』』』


「行け!」


 アインたちは一体のスケルトンに突撃していく。攻撃スキルの【角で突く】を食らわせるがスケルトンには僅かしかダメージが入ってない。レベル差があるから仕方ないか。

 アインたちは巧みにスケルトンの攻撃を躱して、少しずつダメージを与えてる。だけど、このままだとジリ貧だよな。なにかいい手があればいいけど。


「ハルナ君、スケルトンは物理防御力高いよ」


「なるほど……分かりました」


 モレルさんがアドバイスをくれた。

 物理防御力が高いのか……なら、魔法攻撃だな。


「みんな! スケルトンを囲って【ソニックウェーブ】だ!」


 アインたちは俺の指示通りに動きスケルトンを囲う。翅を素早く動かし衝撃波を飛ばした。

 四方八方からの衝撃波によりスケルトンはバラバラになった。

 アインたちのスキル【ソニックウェーブ】は衝撃波を飛ばす攻撃スキル。判定は魔法攻撃だ。

 六体分の衝撃波でスケルトンの体力を大分削れた。


『やりましたぞ! 主!』


 喜ぶアインたち。経験値が入ってないからまだ倒していないんだけど……


「おーい、お前ら! 油断すんなよ!」


 バラバラになったスケルトンは体を再生し始める。

 元通りになった途端、スケルトンは耳を押さえたくなる悲鳴を上げる。


「みんな離れて!」


 急いで指示を出すとアインとツヴァイ、ドライとフィーア、フュンの五体は直ぐに離れてけど、ゼクスだけ腰を抜かしているのか動こうとしない。

 俺は盾を飛ばし殴り掛かろうとするスケルトンの攻撃を受け止める。ゼクスに糸を絡めて急いで回収した。


「【炎の渦】!」


 アカガネの新しいスキル、相手を炎の渦に閉じ込めて継続ダメージを与える【炎の渦】を使った。

 火属性が苦手なのかスケルトンの体力は凄い勢いで減っていき倒し切った。



次回の更新は2/17に予定しております。

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