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第123話

 颯音よりも一足先に島の上空に着いた俺は島全体を見下ろした。

 あちらこちらで戦闘しているのが見えるな。

 前に来た時は敵対しないモンスターのシルクシープしか見かけなかったんだけど、それ以外にもいるようだな。


「すげぇことになってんな」


「そうだな」


「おーい! 春名! カイト!」


 浜の方から颯音の声がして、俺は颯音がいる浜に降りた。


「どんな状況?」


「そこら中で戦っているぜ」


「シルクシープと?」


「うーん、遠くからだったからそこまではわかんなかったけど、敵対しないモンスターをわざわざ攻撃しないだろう」


「そうだよな」


 俺と颯音が話しているとカイトが俺の肩を突っつき尋ねてくる。


「な、そのシルクシープってあいつのことか?」


 カイトが指さす方に顔を向けるとそこには目を真っ赤にした白いもこもこしたモンスター、シルクシープが鼻息荒くしていた。

 うん、どうみても敵対してんな。誰だよ攻撃した奴……


「メェーーー!」


 シルクシープが砂煙を起こしながら突撃してくる。

 シルクシープのレベルは38と前より高い。島が出現するたびにレベルが上がるのかもな。

 でもまぁ、相手が一体なら問題ない。


「キュン!」


「え、アカガネっ!」


 俺に掴まっていたアカガネが離れ、翅を動かして鱗粉を撒き散らし始める。

 だけど、シルクシープはアカガネのスキル【炎の鱗粉】を物ともせずに突撃してきた。

 慌てて俺はアカガネを回収し盾を展開。


「ぐっ……重っ……!」


「メェーーー!」


 予想以上にシルクシープの攻撃が重く、受け止め切れずに吹き飛ばされた。


「っ……クモガネっ!」


 俺は空中で翅を展開して体勢を立て直す。


「あっぶねぇ。アカガネ、怪我ないか?」


「キュン……」


 少し落ち込んでいるけど怪我はないな。

 さて、シルクシープのはっと。


「おおおおりゃあああ!」


「メェーーー!?」


 颯音が勢いよくシルクシープを打ち上げた。


「燃やし尽くせ! 【アストラルフレア】!」


 カイトの炎を纏う矢は一直線にシルクシープに飛翔し、直撃した瞬間に炎は広がりシルクシープを飲み込んだ。


「春名ー! 大丈夫かー!」


「おう!」


 俺は手を振って返事をした。

 シルクシープは燃えながら落ちていくもまだ体力は残っている。


「コガネ」


『あいつを倒せばいいんだよね』


「行くぞコガネ。【共鳴技・スパイダースネットスパーク】!」


 両手にある帯電しているワイヤーを全て展開してシルクシープを拘束。電気がシルクシープに走り体力を全て削り切った。

 空中で飛散する素材を回収しながら颯音とカイトのところに降りる。


「良いところ持っていくなハルナ」


「まぁな!」


「春名! カイト! さっきの騒ぎでシルクシープが集まってきてる!」


 辺りを見渡せばシルクシープがちらほらと。

 シルクシープだけじゃなく、物理攻撃が効かないゴーストも集まってきていた。

 ゴーストがここまで来れるのか、面倒くさいな。


「うわああ、逃げろ!」


「あんなの無理だ!」


 ついでにモンスターに紛れて沢山のプレイヤーたちがこっちに逃げてくる。


「颯音、カイト。俺に掴まれ」


 颯音とカイトをしっかり掴んだを確認してから一気に上昇して上空に逃げる。

 すると、突然島全体が揺れ始めて、島のど真ん中から巨大な触手が出現した。


「クラーケンの触手、デカすぎかよ……」


 巨大な触手を見た俺は苦笑いした。


「前と全然違うね春名」


「颯音、楽しそうだな」


「なんかワクワクしちゃって」


 ニッコリしながら颯音は言う。これだから戦闘好きは。


「なあ。あれ、やれると思うか?」


 巨大な触手が色々となぎ倒していく中、カイトが聞いてくる。


「三人じゃあ無理」


「えー、行けるって!」


「お前のその自信はどこから湧いてくるんだよ……とりあえず、ここは退くぞ。どうせ討伐パーティーがまた募集されると思うし、そん時に参加しよう」


「えーー!」


「俺もハルナの意見に賛成だ。諦めろハヤト」


「二対一か……わかったよ、二人の意見に従うよ」


 颯音は渋々と納得してくれた。


「来たばっかりだけど、島から離れるぞ」


「船を取り出す?」


「いや、離れてから取り出した方がいい。巻き込まれる可能性がある」


「わかった」


暴れ回る巨大な触手を一瞥してから島を離れた。

 



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― 新着の感想 ―
[気になる点] ハヤトが船を回収してるのにどうやって船に戻るの?
[気になる点] 最後の方の文で納得が納豆になってますよ
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