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第115話

「カレンさん、助かりました。ありがとうございます」


「友人を助けたまでだ、礼は要らぬ。それよりもあのトカゲはまだお前たちを探して暴れ回って居るみたいだから、私が倒しても構わないか?」


「別にいいですけど……かなり熱いですよ、あいつ」


「気合でどうにでもなる」


「気合って……」


 俺は苦笑を浮かべる。

 どこまでも脳筋だな、カレンさんは。


「それじゃ行ってくる」


「気をつけてくださいね」


「わかってる!」


 カレンさんはひとっ飛びでラヴァルリザードの頭上に移動した。

 あっちは任せるとして。


「クモガネ、大丈夫か?」


『……』


 クモガネに話しかけても返事がない。


『ごめんなさい……』


 か細い声でクモガネは謝る。


「気にしてねーよ。それよりも体は? どこかおかしなところとかない?」


『今は大丈夫だよ』


「そうか、それなら良いんだけどさ」


『僕のことよりもヒートモスは怪我ない?』


「大丈夫だ、怪我はしてないよ」


 ヒートモスは腕の中から、俺を見上げている。

 大人しいなこいつ。クモガネの時の様に餌付けすれば仲間になると思うしテイムしてみるか。

 今更だけど、コガネ以外は幼虫の時にテイムしてるな。

 そう考えながらインベントリから蜂蜜が入った瓶を取り出した。

 指につけてヒートモスの口に近づけるけども食べようとはしなかった。

 火山エリアで自生している実しか食べないのかな? クモガネも基本的にフローズンベリーしか食べないから、十分あり得るな。

 そうなると見つけないとだけど、火山エリアには詳しくないしどうしよう。あ、こういう時の為のヘルプ機能だった。


「戻ったぞ」


「え、もう倒したんですか……?」


 ラヴァルリザードが暴れ回っていた方を見ると、静かになってて姿も消えていた。

 考えごとして気付かなかった。


「あんなのに苦戦はしない」


 胸を張って自慢げな顔でカレンさんは堂々と言い放つ。


「ラヴァルリザードも倒した事だし、街に戻ろう」


「その前に」


 俺はメニュー画面のヘルプ機能を押すと、少し経って上空からカルツが飛んできた。


「何か御用でしょうか?」


「火山エリアに自生してる植物があるのか知りたいんだけど」


「ファイアフラワーのことですね」


 カルツは直ぐに答えてくれた。


「そのファイアフラワー? の事を教えてくれ」


「畏まりした。ファイアフラワーはこの火山エリアにしか咲かない花。主に咲く場所は火口周辺です」


 火口周辺……てことはもう一度火山を登んないといけないのか。


「採取方法も特殊で、水をかけてから一気に冷やさないと採取が出来ません。万が一、採取に失敗すると花は爆発。周囲に他のファイアフラワーがあった場合には連鎖して爆発が起きます」


「めっちゃ危険じゃん!」


「採取されるならお気をつけて。他にはございますでしょうか?」


 俺が聞きたかったのはそれだけだったから、首を横に振る。


「では、私はこれで。また何か御用があればヘルプ機能をお使いください」


 そう言ってカルツは去っていった。 


「火山を登るなら付き合うぞ」


「それは有難いですカレンさん」 


「友人だからな! 気にするな!」


「助かります。ファイアフラワーを採取するとして、水をかけないと行けないけど……カレンさんは水筒とか持ってます?」


「持っていないな」


「俺もほとんどないからな……」


「水があれば良いのだな、少し街に戻る」


 そう言ってカレンさんは駆け出すが、俺は引き止めた。


「カレンさん、街に行く前に」


 俺はカレンさんにプレイヤーカードを渡す。


「プレイヤーカードを渡しておきます。そうすれば、転移で戻ってこれますしね」


「おお、そうだな! これが私のプレイヤーカードだ」


 カレンさんから受け取ったプレイヤーカードを確認するとレベルは予想通り上限の50だった。


「少し待っててくれ」


 カレンさんは土煙が立つほどの速さで走っていった。




諸事情により次回の更新は12/17になります。

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