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第110話

「お前が盾士なのは知ってるぜ? 俺様との相性は最悪だぜ! ガハハ!」


「ふーん」


「この剣はな! 防御貫通なんだよ!」


 おっさんはベラベラと自分の武器の事を話す。余程余裕があるんだろうな。まぁそれは完全な盾士な場合だけどな。

 俺は白い球体を盾に変形させる。


『両者、準備はよろしいでしょうか』


 頭上から機械音声が聞こえてくる。


「こっちは問題ないです」


「一瞬でぶっ殺してやる!」


『それでは試合開始!』


 合図と共に俺は駆け出す。


「馬鹿なガキだ! ブリオ!」


「へい!」


 剣士のプレイヤーが俺に向かって走り出してくる。

 俺は剣士の攻撃を盾で受け止めた。


「ガリア! ジル!」


「「へい!」」


 弓士は矢を放ち、魔法使いは火の玉を放った。

 無理やり剣士と距離を離して、矢と火の玉を避ける。


「逃がさないぜ!」


 直ぐに剣士が距離を縮めてきて、剣を振り下ろす。

 俺は盾で弾き返し、すかさず盾を回転刃に変形させて剣士に攻撃を与えた。

 剣士は後退していく。


「あんな攻撃があるなんて聞いてないぜお頭!」


「お前、盾士じゃねのか!」


 おっさんの言葉には答えず回転刃を弓に変形させる。そして、ソウルを全て消費して矢を放った。

 飛翔する一本の矢は無数に増えておっさんたちを襲う。


「【グランドシールド】」


 大盾を持ったプレイヤーが広範囲で半透明なシールドを展開して俺の攻撃を防ぎきる。やっぱり大盾士は面倒くさいな。

 俺一人でなんとか出来たら良かったけど……しゃーない、バレてもいいか。てか、イベントでバレてると思うし今更か。


「コガネ、シロガネ、クモガネ、クロガネ」


 紋章が光り、俺の周りコガネたちを呼び出した。


「も、モンスターだ、と……!」


 俺がコガネたちを呼び出しことでおっさんたちは動揺した。


「皆、【共鳴】だ」


 コガネたちは頷き、光りの粒子になって俺の周りに現れた黒い球体に吸い込まれる。


『ハルナが珍しく怒ってる』


 コガネが指摘してくる。


「友人が殴られたんだから怒るに決まってんだろう」


『仕方ないな、協力してあげるよ』


『任せてハルナ!』


『僕も力を貸す!』


『私を使っていいわよ』


「ありがとな皆んな」


 それぞれの球体が各所に近づき変形していく。


「おい、審判! あれは卑怯じゃねーのか!」


 おっさんが声を荒げて叫んだ。


『いえ、あれは全てテイムされたモンスターになりますので、システム上問題ありません』


「なんだと!?」


「そう言うことだおっさん」


 そう言いながら翅を展開する。


「や、やれ!」


 おっさんの指示で、剣士が駆け出し、援護する様に弓士と魔法使いが攻撃をしてくる。俺は空中に浮き上がり、回避しながら上空に逃げた。


『【共鳴技・ブレードワイヤーボム】』


 両手が勝手に動き、手を合わせるとひし形の爆弾が作られる。また勝手に動いて……まぁ良いけど。

 俺はひし形の爆弾を上限までの数を作り、下にいるおっさんたちに落とした。


「バースト!」


 爆発させるための言葉を言うとひし形の爆弾は光り出すと、縦横無尽にワイヤーが暴れ回るように展開され、剣士と弓士と魔法使いは飲み込まれた。

 おっさんは大盾士のおかげで難を逃れたけど、三人は負傷させたのは大きいな。

 右腕にある巨大なドリルを回転させ急降下する。


「デグラ!」


「へい!」


 大盾士は俺の攻撃を防ぐ。だけど、しばらくすると大盾から嫌な音が聞こえ、罅が入り砕けて大盾士こど吹き飛ばした。

 クロガネとの共鳴技は対象が固ければ固いほど砕けやすくなる性質を持っている。守りに特化したジョブほど相性がいい。


「残るはおっさんだけだな」


「クソガキが……!!」


 おっさんは顔を真っ赤にさせるほどに怒り、大剣を掲げる。

 そんなおっさんに俺はワイヤーで拘束した。


「う、動けん……!?」


「俺の勝ちだね、おっさん」


「貴様!!」


「【共鳴技・スパイダースネットスパーク】」


 拘束していたワイヤーに電気が流れ、おっさんの体力をどんどん削っていく。

 おっさんは抜け出そうと暴れ回るけど、両手をワイヤーの特殊な革手袋にしてより強度上げて完全に逃げれなくさせる。やがておっさんの体力はなくなった。


『それまで! この勝負、ハルナ様の勝利!』


 頭上から俺が勝ったこと告げる機械音声が響き渡った。




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