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第106話

 街に戻った俺たちは解散して、俺とカイトはログアウトした。

 ヘッドギアを外して、外を見ると外は暗く夜になっていた。結構な時間やってたんだな。

 腹の虫が鳴り、部屋を出た俺は流し下にある収納棚から適当にカップ麺を取り出した。

 瞬間湯沸かし器に水を入れてスイッチを入れる。沸騰するのを待っているとガチャって玄関のドアが開く音がした。


「ただいま」


「兄ちゃんおかえりー」


 兄ちゃんがリビングにくるとテーブルの上にあるカップ麺を見てから、視線を俺に向ける。


「今から夕飯?」


「あ、うん」


 お湯が沸いてカップ麺に注ぐ。


「ちゃんとしたのを食べろよ」


「はーい」


「春名、手を出せ」


 兄ちゃんに言われて手を出すと紙袋と弁当袋を渡された。弁当袋は軽くなっているから全部食べてくれたのかな。


「この紙袋は」


「弁当のお返し、美味かったぞ弁当」


「残り物だったんけどな……ありがとう兄ちゃん。中身なに?」


「お菓子だ、食い過ぎるなよ」


 そう言いながら兄ちゃんは俺の頭を撫でくる。


「俺、高校生なんだけど…….」


「あはは、悪い悪い」


 兄ちゃんの手が離れていく。


「明日も早いから寝るわ」


「あ、明日も弁当いる?」


「頼むわ、おやすみ〜」


「うん、おやすみ」


 大きな欠伸をしてから兄ちゃんは部屋に入っていく。少しは兄ちゃんの助けになればなって思っての弁当だったけど、なんか嬉しい。

 よし、ちゃんとしたのを明日は作ろう。


 弁当箱を洗ってから兄ちゃんから貰ったお菓子を持って部屋に戻る。

 ボリボリとお菓子を食べながら公式サイトを確認した。

 最初に目に付いたはクランの事。

 クランを立ち上げる為には最低でも三人は必要で、各エリアの組合所で申請することでクランを立ち上げれるみたいだ。

 最低三人は必要だと、俺と颯音とカイトで三人。

 普通にクランの設立が出来るな。

 実装日は今週の土曜日にあるアップデートの時に実装。それと、サバイバル戦で生き残った百人に渡された鍵のアイテムの詳細も土曜日に発表だそうだ。


「他にないかな……」


 更に目を通すと下の方に上位職が追加と書かれていた。条件とか、何処で出来るのか一切書かれていない。自分たちで見つける系かな。

 上位職か、俺の場合はより一層変形が出来るとか? まぁ、最近手に入れた【エキストラトランス・レゾナンス】で十分な気がする。

 なったらなったでラッキー! と思えるぐらいでいいか。

 粗方確認し終わってゲームに戻ることにした。

 プレイヤーカードをみると颯音はログインしているようだけど、カイトはログアウト状態。疲れたって言ってたし寝落ちしたのだろう。

 俺は颯音にメッセージを飛ばすと、俺がいる沼地エリアに転移してきた。


「遅かったね」


「兄ちゃんと話してたのと、ちょっと調べもんしてただけ」


「調べもの? あ、次のアプデ情報のこと?」


「そうだけど、なら話しが早いな。クランを立ち上げるんだろう?」


「もちろん!」


「カイトもクランに入れたいんだけどさ……」


「構わないよ! 寧ろ、大歓迎! この前のハイウィッチの時とかすっげぇ頼りになったからさ、嬉しい!」


「てことで、後一人はグレンさんたちに声を掛けようと思ってる」


「それがいいかな」


「じゃあとりあえずそんな感じで、カイトにはどっちかが会ったら伝えるってことで」


「了解! それと春名……ちょっと用事出来たからさ、今日は先にログアウトするね」


 申し訳なくいう颯音。


「おう」


「本当にごめんな!」


「わかったからさっさとログアウトしろよな」


 謝りながら颯音はログアウトした。

 言うて俺も朝早いから長く出来ないし、ビートルワームたち見つけに行きますか。

 静かな街を出たらすぐにクモガネを呼び出す。


「キュゥ!」


 頭をすりすりして甘えてくるクモガネ。


「クモガネ、【共鳴】だ」


「キュゥ!」


 クモガネと共鳴をしてビートルワームがいる所まで安全な上空を飛んで向かった。




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