表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
996/2014

クリーナー執事

「とは言ったものの……一応心配だし、ポン君」

 こっそりとポン君を呼び出して首に噛みつかせて知覚ブーストを行う。脳への負担が大きいはずだけど、これまで結構色々やってきたお陰か慣れか、この会場の中全てを見通せると言っても過言では無い。オーラの反応から察するに、闘技場っぽいこの観客席の下側。おそらく選手の控室的な所には結構強めのオーラを感じる。観客席にも強そうな人の反応があるから仮に中央に強い人が閉じ込められてもギリ何とかなるかな?


「隠れて動く奴は顔を隠したくなるのはやっぱりどこでも一緒なのかな」

「え?」

「いや、何でもないよ」

 身元がバレない様に動く奴ってやっぱりフードとか被ってるみたいだなぁ……この会場にも何十人かフードを被って顔を隠している連中が居る。流石に何もやってないのに動くのは冤罪を掛けるのと一緒だからせめて動きがあってからだな。単純に人に顔を見られたくない人って可能性も全然あるし


「へぇ、ああいう感じなんだ」

「はい、模擬戦なので、一定以上の威力の攻撃を喰らった場合に赤く光って敗北になります」

「なるほどねぇ。あの装備で判定するんだ」

 いよいよ模擬戦が始まり、どういう風に戦うのか見ていたら、剣を持った人と杖を持った人がボディスーツっぽい物を着て、その上に普段の装備を纏った様な状態で出てきた。要するにあのボディスーツがやり過ぎを防ぐ防具で、ダメージを検知したら光って知らせる判定機になっている訳だ


「へぇ……おっ、あの騎士、んーそこで土を投げて相手の目くらましをすればチャンスだったのに。あっちの魔法使いも氷魔法を使うならもっと足場を凍らせて相手の自由を奪わないと。ちょっと勿体無いなぁ」

「ハチさんって本当に……お互いのプライドとか微塵も考えてないですよね」

「え?」

「いえ、ハチさんは実戦の中で生きてきた本当の実力者でしょうから、教科書通りの戦い方とか、訓練通りのやり方で戦闘している人を見るのは苦痛かもしれませんね」

「いや、まぁ……馬鹿にする訳では無いけど、プライドと自分の命を天秤に掛けてどっちを重視するのって話だから。命の危険が無いならプライドを持って戦うのは良いと思うよ?ただ、模擬戦だからってそこで気を抜くなら本当に命を懸けて戦う時に死ぬよねって……」

 貴族階級の騎士とかが「貴く生き、気高く死ぬ」って言うならそれはまぁ頑張ってやった結果がそれなら良いんじゃない?とは思うけど、死人に口なし。死んでしまったら後から何と言われても訂正出来ない。無様でも生き残っている事の方が僕は大事だと思う


「まぁ、言いたい事は理解出来ますね。使える手段は色々あるのにプライドという物が邪魔をして選択肢を狭めているのは自分だと気が付かない事は多々あります」

「この件に関してはその人の曲げられない物だったりするだろうからこれ以上は言わないけど……あっ、ちょっとトイレに行ってくるから。その間よろしく頼んだよ?」

「わ、分かりました」

 会場内で動きがあったな。さっき怪しんでた奴の数人が何か運んでる?


「これが今回の仕事で重要な物だ」

「これで我等の正義がなされる」

「正義の為に」

「我等の正義の為に」

 怪しい気配が集まっている所に向かうと4人が4方向に何か箱のような物を持って別れた。おやおやぁ?これは回収しないといけませんねぇ?箱からも良くないオーラを感じるから全部コッソリ回収しちゃおう


「それじゃあまずはあの人から行きますか」

 多分別れた方向的にこの丸い闘技場に四角形になるように配置してるようだ。爆弾か結界って所かな?


「よし、これでまずは正義の1歩目だ」

「立ち去ってくれるのはラッキーだな」

 箱のような物を柱の影に設置するとローブを被った奴は立ち去った


「さて、どんな物かなぁっと?タイマーっぽいの付いてるし、爆弾か」

 確認してみると柱に張り付けられた爆弾らしき物を発見した。中に魔石の様な物が入ってるし、これが暴走か何か起こして爆破して闘技場全体を破壊する感じか。という事はさっきの奴らは爆弾を設置して闘技場ごと全部破壊する危険な奴等か。じゃああの4人も無力化させておくかな


「ちゃんと見張っておかないとダメだよねー」

 4つの爆弾をオーラを頼りに探して回収した。爆弾に見張りや護衛も無いし、外そうとしたら……みたいなブービートラップ的な物もない。時間的にまだ2時間くらい余裕もある。一応まだ4人は闘技場から出ずに再集合してるみたいだからお邪魔しよう


「クックック。これで我等の計画は進んだ」

「悪しき者共に罰を与えるのだ」

「正義は我等にあり」

「その血で償うのだ」

 ポン君で強化した聴覚で聞き取ってるけど、君ら大量殺人して正義ってマジ?正義の反対は別の正義とは言うけど、これはかなり悪性でしょ……


「すみませんそこの方々。その辺りを掃除をしろと言いつけられたので、掃除してもよろしいですか?」

「あ、あぁ……」

「なんだ掃除か」

「執事が?」

「どうせ厄介な貴族の命令だろう」

「失礼します」

 大体の人が競技場の模擬試合を見ているので人の目はほぼ気にしなくて良い。なら4本出しても問題無いだろう



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] そっか〜! 脳みそって筋肉で出来ているんだ!! そのうち脳筋ピクピク出来る様になるんですね♪
[一言] 影に隠れて悪を斬る!人呼んで戦う執事ファイティングスイーパー!? と言うかやっぱり爆発物か!おのれテロリスト!
[一言] 掃除(対象はお前ら)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ