キャンサー
『Lv58にレベルアップしました 魔法 【キャンサー】を入手』
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ハチ 補助術士Lv58 天衣無縫の器Lv5
HP 735→765
MP 1160→1190
STR 46→48
DEF 45→47
INT 76→78
MIND 168→172
AGI 138→142
DEX 158→162
成長ポイント 80
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「いやぁ、さっきの凄かったなぁ?」
「久々にスゲーの見たぜ……」
「あんなちっちぇのに大の大人をポンポンぶっ飛ばすのを見るのは面白かったなぁ」
「見た事ねぇ技だったな……どうやってんだ?」
「ちょっとやってみようぜ?確かこう……」
「「痛だだだだ!」」
プロレス技で挑んできた相手をぶっ飛ばしたり、人にぶつけたり、木箱に突っ込ませたり、関節を極めたりしてドンドン捌いていったら僕を倒すのは誰だ!という事になり、僕対祭りに来てる人というノリで戦って勝ち抜いていったら「お前がチャンピオンだ!」皆に拍手されたので、レベルも上がったし、ここは素直に下がる事にした。周りの人もなんちゃってプロレス技で盛り上がってるけど、お互いに4の字固めを掛けようとしてお互いに痛め合ってるからあれは無理だろうなぁ……
「にしてもちゃんとレベルアップしたな……しかも星座魔法もゲットか」
『キャンサー MP100 5分間、蟹の守護エリアを発生する』
「出たなぁ?曖昧な説明の奴」
こういう曖昧な説明のは割と融通が利く可能性がある。これはお試ししないとねぇ?
「はい、いらっしゃいませー」
「近接少な目、弓、銃、魔法マシマシで」
もうラーメン屋か牛丼屋の注文みたいなノリでオーブさんに敵の注文をする。守護エリアという謎を解読する為には発動して試してみよう
「近接少な目、弓、銃、魔法マシマシ了解です。それでは」
「【キャンサー】」
蟹の守護エリア……どういったものかな?
「おぉ……蟹だ」
白い幽霊のようなワタリガニ系?の蟹が現れたらキュっと縮こまり、半球状に近い形になった。蟹の守護エリア……なるほどこれかぁ
「かなりの防御力ですね」
「確かに結構硬いですね。これだけ攻撃を受けたらすぐに破壊されるかと思いましたが、まだ持ちそうです」
矢に銃弾、火や水が雨あられの様に飛んで来るが、蟹の甲殻によって防がれているのか蟹の内側には攻撃が届いてこない
「あっ」
凄い防御力だと思ったけど、20秒程経過したら巨大な蟹にパキパキと罅が入り、バリンと大きな音を立てて蟹が割れたかと思ったら、次は泡が僕の周りを覆った。泡に攻撃が当たると割れて消えてしまうが、床から次々と泡が湧いてきた
「泡も防御判定があるのか。あっぶね」
流石にさっきの蟹程の防御性能は無いみたいで雨あられの様に撃たれる矢や弾が数発すり抜けてきた。100%じゃないけど攻撃を防御出来るな
「泡が減ってきたな……」
最初は泡の壁とでも言えそうなくらい出ていた泡が段々減っていき、2分も経てばもう両手で数えられる程度の量の泡しかない
「今度はちっちゃい蟹か」
泡が無くなったら次はちっちゃい蟹が泡の代わりに沢山地面から出てきて積み重なるようにして蟹タワーを形成して正面からの攻撃を防ぐようになった。なるほどね?この魔法は発動したら最初は100%ガードしてくれるけど、時間経過でガード率が下がっていく感じの魔法なのか
「あぁ、これはもう守るのも難しい……」
「普通にハチ様が避けてますね」
蟹タワーの形成スピードがドンドン落ちて行き、もう足元に放たれる攻撃くらいしか防げないので正直防御性能としてはもう無いような物。効果時間は5分として、実際に防御性能があるのは3分か4分程度と言った所か……
「いかがでしょうハチ様?」
「大体分かりました。最初のデカい蟹と泡はその場から移動出来ない代わりに高めの防御性能。ちっちゃい蟹になったら防御性能が低い代わりに移動可能って所ですね」
ちっちゃい蟹になった時、防御性能が落ちて自分で攻撃を防いでいたら、ちっちゃい蟹が僕に追従してきたので、低防御の代わりに移動してくれる性能に変化するのが何となく分かった
「最後の方はほぼ守れていませんでしたがね」
「確かにそうですけど、これは普通に使えそうです」
これを使えばシスター服に着替えなくても【精神防壁】クラスの防御を行う事が可能になる。もしくは併用する事で複数箇所の防御が可能になる。最低限20秒は強力なガードが出来るから咄嗟の防御性能が上がったのは嬉しいな
「あのちびっこ蟹……掴めるよな?」
最初のデカい蟹は防御に使えるとして、ちっちゃい蟹は投げつけたり出来ないかな?
「的お願いします【キャンサー】」
「どうぞ」
色んな所に的が現れる。ちょっと待ってちっちゃい蟹になってからその中の1匹を掴んでみる
「いっけー!」
的に向かって蟹を投擲。流石に空気抵抗というか、動いているから真っ直ぐには飛ばせないけど、投げつけた蟹が小さな鋏で的を挟んでいる。攻撃として使えるかは微妙な所だけど、鼻とか指とか挟まれたら痛いかも
「一応攻撃に使えなくもない……かな?」




