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練習相手

「貴方に他にお仲間はいらっしゃるのでしょうか。いらっしゃるのでしたらご挨拶に行かせていただきましょう」

「ひっ……」

 斧で側頭部を殴った奴と喉に剣を叩きつけた奴は気絶。短剣で斬りつけた奴は麻痺で動けない。顔面弓パッチンした奴が辛うじて意識を保ってる状態だから他に仲間が居るか胸元を掴んで聞いてみる


「仲間の所まで私を連れて行ってくれるなら、まぁあなたの事は見逃しても良いかなとは思ってます。あなたがこの4人でこの森で遊んでいる程度の存在なら……まぁ熊の餌にでもしてその後で熊と戦いましょうか」

「い、いう……ふえへふ……」

 鼻を押さえているせいで聞き取り辛いけど、多分「連れてく」って言ってると思う。先に歩かせて連れて行ってもらおう


「これは道案内に必要ありませんね。【ディザーム】道案内をする気が無いとこちらが判断した時は貴方の顔が判別出来なくなるまでコレでまた先程の罰を与えます」

「あっ、あぁぁ……」

 弓と矢を奪い、矢は捨てて弓だけ持つ。弓を罰を与える為だけに使うという脅しでチラつかせると膝を震わせながら案内を始めた


「こ、こっひれふ……」

「ほう?それなりの集団みたいですね」

 森の奥に進んだらテント群があり、その中に1つデカいテントがあるからあれがこの集団のボスかな?


「道案内ご苦労様です。約束ですから解放しましょう」

「ぼふー!ぼふー!」

 解放した途端、テントに向かって助けを求めに走りに行く弓使い。さぁ、さっきとは比べ物にならない物量だぞ


「どうしたお前……」

「ヤバい奴が来た!」

「何連れてきてんだ!」

 大男が怒ってるけど、ごもっともである。【察気術】で見る限り、総数は30人くらいか。無力化だけに留めるのは意外と難しいかな?


「す、すいやせん!」

「にしても、なんだこの御立派な執事さんはよぉ?」

「こいつ、結構良いとこの奴なんじゃないすかぁ?」

「身代金を……」

「そのくだりもうやりましたね」

 やっぱり身代金なんだなぁ……


「そうですね……流石にこの人数を相手にするのであれば魔法を解禁しましょうか【ミスティックミスト】」

 対多数戦で何度もお世話になってる【ミスティックミスト】を展開して戦闘準備を整える


「では始めましょう。可能な限り私の糧となってください」

 対人での無力化戦闘練習にこの人達はどれくらい役に立ってくれるかな……


「クソっ!目くらましか!」

「固まれ!個別にやられるぞ!」

「ぐえっ!?」

 最初の号令を言われてから反応する前に【魔糸生成】で作った糸をボーラの様に投げ付けて、転ばせることで迅速な集合させないようにする


「奴は何処に行った!?」

「誰かこの霧を払え!」

「【トルネ……」

「【ハシャフ】」

 杖を持ってる奴が4人居たので警戒していたら、その中に居た1人がボスの指示を受けて魔法を使おうとしたので黙らせる


「【ディザーム】」

「……!?」

 現状一番マズいのは魔法による範囲攻撃や、集団に対する連携崩しの為の霧が解除される事。盗賊は約30人居て、その中で4人杖を持ってる人間が見えたので、他の杖持ちが霧を払わない様にテントの上に登り【魔糸生成】と【ディザーム】を合わせて杖を奪う事にチャレンジしてみたら、杖を奪う事に成功した。軽いパニック状態にしてしまえばこういう武器の奪い方もあるのか


「これはもう必要ありませんね」

 近場の木の上に魔糸で纏めた杖を放り投げて、落ちてこない様にしたので、魔法を撃ちたければ杖を探すという一苦労が必要になってくるだろう。魔法使いはほぼ無力化とまでは言えないけど、戦力を削ぐ事には成功したハズだ


「どうした!早くこの霧を払え!」

「……」

「何をしてる!」

 盗賊のボスが【ハシャフ】の効果で喋れない魔法使いを追い詰めている間にパニック状態の盗賊の顎やこめかみ、首を狙った一撃で脳を揺らして気絶させる。【恐怖圧】を使えばもっと楽になるかもしれないけど、隠れて護衛する為の練習をするなら、周りに影響が出てしまう【恐怖圧】は使えない。むしろ使わないからこそ良い練習になる


「ええい、お前達!俺を守れ!」

「「「「「へい!」」」」」

 とりあえず埒が明かないと思ったのか、盗賊のボスが自分を守る為に大声を上げて自分の周りに人を集めている。この状態で人を動かすのは良くないよぉ?


「頼んだ」

「はい」

「がはっ!?」

「ぐへっ……」

 敵が背を向けるのであれば、縛占貨をアキレス腱に向けて投げつけて、他の盗賊を巻き込みながら転ばせる。最後尾の奴は捕まえて、膝裏に足を掛けて背中から落とす柔道の大外車で地面に叩きつける。転んだ奴らはモノが頭を蹴って気絶させている。あれ、気絶だよね?死んでないよね?


「おい!他の奴は何処に行った!」

 ボスの所に到達したのは13人といった所か。生き残っている中に杖を取り上げた魔法使いが4人居るから実質的な防衛戦力は9人か。大分少なくなったねぇ?


「何処に行ってしまったんでしょうかねぇ?」

「はっ!何処に居やがる!」

 霧でこちらが見えない盗賊のボスの背後から話しかけてすぐに後ろに下がる。適当に武器を振るって大分焦ってるみたいだねぇ?



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― 新着の感想 ―
[一言] …ああ、彼等の護衛訓連なんですねえ?まだまだ訓練が足りないようですよw
[一言] 濃霧で見えない中、戦闘音と執事の余裕ぶった声が聞こえてくる……これは怖い だが盗賊死すべし、慈悲はない
[一言] ハチ君、キレそうだけど頭の中で黒執事のシエルより小さいか同じくらいの身長で執事服着てるような感じに思えてきた
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