追加のお客様
「一応実験としては成功かな?」
ファイターモンキーとかいう猿を練習相手にしてみたけど、アイツらはまず相手の事をバカにする習性があるのか知らないけど、油断してる所を一気に距離を詰め、心臓へ掌底を打ち込んで【オーガン・ブレイカー】の能力で破壊して仕留めた後、草陰に死体を放置しておいたが、この感じなら相手を殺す必要は無く、無力化するだけなら肺か喉でも破壊しておけば良いかな
「戦闘してもバレなかったみたいだし、これなら隠れながら護衛するは何とか出来そうだな。あとはすれ違いざまに攻撃するくらい自然にやる平常心と、敵を先に発見する観察力か。もうフィフティシアの街中に怪しい人が紛れ込んでたりするかな?」
何も来ないのが一番良いけど、もし組織的な物が動いていた場合は事前に街に入っている可能性もある。人間観察をする事で挙動の怪しい人間とかを発見出来たら顔をSSで撮ってマークする事も出来るかな?
「レベルが上がったら街で人間観察だな」
まだファイターモンキー数体を倒した程度ではレベルが上がらないし、もう少し討伐しよう。人型の敵が良いけど、念の為熊とかも倒しておこうかな
「おっと、その前に次のお客さんか」
どうやら僕が訓練をするより前に森に入っていた人達が戻って来たみたいだ。一応普通に歩いてすれ違おうかな?
「こんにちは。いい天気ですね」
「執事?」
「何だコイツ……」
「やっちまうか?」
「人質にしたら身代金取れるんじゃねぇか?」
おぉ、久しぶりの盗賊みたいな人達だ。僕を捕らえて身代金を取ろうと考えてるなぁ?
「人質にされるのは困りますね。お嬢様にご迷惑を掛けてしまうので、そのつもりでしたら抵抗はさせていただきます」
良かった。対人戦闘も一応やっておきたかったから助かる。流石に殺害するのはマズいし、敵が組織だったら情報を聞き出す事とかも考えて生かしたまま倒す必要も出てくるからその練習にもなりそうだ
「おいおい執事さん。それなら武器も持たずに森に入っちゃあダメだろう?」
「そうだぜぇ?」
「悪ーい人に捕まっちまうぜぇ?」
「俺達の小遣い稼ぎに使わせてもらうぜ?でっかい小遣い稼ぎのなぁ!」
斧、短剣、弓、長剣……構えてる物をよく見てみたら短剣と矢の鏃が濡れている気がする。矢と短剣は毒が塗ってるのかもしれない。あの2人はさっさと沈めた方が良いかも
「死なない程度にお相手しましょう」
相手がどういう出方をしてくるのか……
「「「「はぁ!」」」」
「ほほう」
山賊だとは思うけど連携は凄いなぁ……トライアングルで囲んで逃げられない様にしてから矢を撃って来るし、囲んで叩くはやっぱり基本戦術なんだなぁ
「さて、どの程度にしましょうか」
「オイオイ、フラフラじゃねぇか!」
「避けるので精いっぱいかぁ?」
「ヒヒッ!あんまりフラフラしてるとスパッとやっちまうぜぇ!」
「ほらほら!何処まで避けられるか試してやるよぉ!」
回避と観察に重点を置き、敵の矢や切りつけを避けていたら、勝手に向こうが盛り上がって攻撃が温くなった。骨を折るのが良いか、臓器を破壊するのが良いか……でもこの森に置いていくと面倒になるし、街まで連行するって事を考えたら抵抗が出来なくなれば良いのだから武器没収からの腕破壊くらいが丁度良いのかな?
「ほらほらぁ!コイツにはパラライズスパイダーの毒が塗ってあるから一発でも喰らえばお前はもう終わりだぜぇ?」
「……そうですか」
いや、街まで連行するって面倒だな。別にこの森に放置でも良いか……なら、ここは
「刀身を舐めたりしないんですね。ちょっと残念です」
「舐める訳ねぇだろ!」
「【ディザーム】」
少し煽ればすぐ大振りな攻撃をするなぁ?簡単に短剣を奪えたので、そのまま相手の右足を斬りつける
「ぐわっ!?」
「【ディザーム】」
一度使用したのでそのまま手から弾かれる短剣。次は左から斧を振り下ろされたので、一本背負いの要領で懐に入り、斧を奪いつつそのまま地面に投げつけて、斧の刃がついていない部分で地面に転がっている奴の側頭部を殴る
「なっ!?急にこいt」
「【ディザーム】」
いきなり2人やられたので弓の所まで退こうとした長剣の奴はこちらに背を向けていたので皮鎧の背中の隙間に手を入れ、膝裏を蹴り、強制的に仰向けに引き倒して剣の腹で喉に一撃。大丈夫切れてない
「さて、あとは貴方1人ですね」
「く、来るなぁ!」
「おやおや、弓を撃つ時は冷静に、良く狙わないと当たりませんよ」
10秒経たずに前衛3人無力化して向かってくる相手に冷静に狙えとかいう無茶を押し付けながら距離を詰めていく
「当たれ!当たれぇ!」
「ではこれで」
【バレットキャッチャー】の能力で矢を捕まえる。一応当たっているコースではあるけどね?
「ば、化け物!」
「失礼ですね。ただの執事ですよ【ディザーム】」
一気に距離を詰めて、番えている矢をがっちりと掴み、射出出来ない状態にしてから足払いで相手を転ばしながら弓を奪う
「このような使い方は弓に失礼ですが、まぁ良いでしょう」
「あ、や……」
こけた相手の頭を弓の中に入れ、弦をうなじに引っ掛けて、弓の本体を思いっきり引っ張ってから離す。罰ゲームとかにあるゴムパッチンの超痛いバージョンとでも言うべきだろうか
「ぐがっ!」
顔面に弓の本体がクリーンヒットして、赤ポリゴンが鼻から吹き出している。これは痛いよねぇ……




