表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
977/2008

面倒事回避

今年もありがとうございました。来年もよろしくお願いします!

「あ、そうだ。例の写本の解析とかどうなってます?進みましたか」

 どうせ現物は見る事は出来ないだろうから聞いてみよう


「あぁ…常人では理解出来ないだろうけど、確実に解析は進んでますよ。それに君の事も書いてありました」

「え?僕の事?」

 どういう事だろう……


「写本の内容とは関係ありませんが、最後の方に面白いからハチに協力しろって書いてありましたね。だから君には色々と有利に動ける様にしてあるけど、性別すら変わってしまうんだからニャラ様が目を付けたというのも分かります」

「今後もニャラ様を楽しませたいなぁ……」

 力を貸してくれてるんだからどうせなら楽しんでもらいたい。まぁ信奉者にはなるつもりは無いけど


「君は正直生きてるだけで面白いと思うよ。普通はあんなに気に入られる人間は居ないし」

「そうですかね?まぁ今後も自分の生きたいように生きるのは変えないつもりですけど」

「それで良いんです。あなたの人生は強制するより自由にした方が見ている側としては面白いですから。おっと、話が長くなってしまいましたね。資料運びありがとうございました」

「いえ、それでは。会場でまた会いましょう」

 とりあえずナコト写本は別に確認しなくても良さそうだな。まぁ確認しようとしても禁書保管庫だろうから確認出来ないだろうし、サクッとシクサームの方の確認に行くか


「さ、帰ろ帰ろ」

 他の余計な事に巻き込まれる前にさっさと帰ろう


「すみません……」

「とりあえずあの街は何が名物なのかの確認が一番最初かな」

「あの、すみません!」

「え、僕?」

「僕?」

 急に声を掛けられてまさか僕に話しかけられているとは思っていなかったので、つい「僕?」と返事したけど、今はまだ【ヴァルゴ】使用中だったせいか相手が若干混乱している。まぁ別に直さなくてもそういう人だって事で良いか


「あの、少々お時間頂けますか?」

 ふむふむ、結構可愛い系な子だ。男子生徒とか話しかけられたら結構勘違いしちゃうんじゃないかな?僕は今シクサームの名物は何か、温泉にはどんな効能があるのかとか知りたくて今すぐにでも向かいたい気分だ。だからここでの答えは1つ


「すみません、今は忙しいので」

「えぇ!?」

 多分断られるとは思ってなかったのか凄い驚いている


「あの、さっきの戦闘の事なんですけど!」

「戦闘?そんな物ありませんよ」

 さっきの喧嘩を見られていたのか?でも喧嘩の時には別に深淵とか使ってないし……


「聞きたい事がー!」

 最後に何か聞こえたけどそそくさと走り去る。これ以上面倒事は要らないよ


「ふぅ、よし。これでもう分からないだろうな」

【ヴァルゴ】の効果時間が終わったので、僕を追いかけてきたとしても同一人物だと認識出来ないだろう


「よし!それじゃあ行くか」

 フィフティシアでやる事も終わったし、シクサームの街に行こう




「やっぱり暖かいなぁ」

 シクサームの街に来たら雪が降ってるのに街の中が温かい。街全体に張り巡らされている管のお陰でこの街は温かいみたいだし、この熱源が何処なのか見てみるかな?


「やっぱり街の中央だよね」

 それなりに高い建物があったので、そこに登って街の全体をザっと見てみたら、街の中央から管が広がっているみたいで、やっぱり熱源は街の中央にあるみたいだ。そしてその中央には歯車とかピストンが稼動している城が建っている。あそこで熱源を作ってるのか。なんだろう?温泉とかあるみたいだしマグマ的な地熱か、それともやっぱり魔法で熱を生み出してるのかな。まさかこんな所で核融合とか……いや、そんな物の上に城建てるとか正気じゃないからそれはないか


「流石に城にお邪魔しますして熱源ってどうなってるんです?なんて聞きに行くのは無理だな」

 街のまさに根幹と言っても良い所をそんなふらっと来た人間に見せられる訳が無い。城の近くまで行って見るくらいなら出来るかな?


「とりあえずもう少しあの城の近くまで行けば何か分かったりするかなぁ」

「そこに居るのは誰だ!」

「やべっ」

 今までバレた事無かったのに建物の窓が急にバーンと開かれ、警告された。独り言が大きかったかな?

 開いた窓と反対方向から降りて人混みに紛れる。ふぅ、危ない危ない


「ん?あの建物……もしかしてギルドだったかな?」

 なんかあの建物の看板は何処かで見た事ある気がする。建物も大きいし、武装した人が出入りしてるからやっぱりギルドかも


「この建物の作りは覚えて置いた方が良さそうだな」

 ギルドって大体何処に行っても同じような作りにしておけば冒険者が初めて街に来ても分かりやすいだろうから作りを統一するって事はあると思う。だから今後同じミスをしないようにあの建物の形は覚えて置いた方が良いな。今回のミスは学びという事でミスじゃない。うん、ミスじゃない


「怪しい奴が居た!まだ近くに居るハズだから探せ!」

「ほほぉ、鍋か。美味しそうだなぁ」

 ここで下手に隠れようとしたら怪しまれるだろう。屋根の上に居た事を見抜かれているのなら隠密系スキルを使おうとしたら逆にそのスキルを使おうとする事で見抜かれるかもしれない。スパイ的な相手だと向こうが考えてると仮定したら、ここは街中で食べ物のお店を見てる方が怪しまれないだろう。にしてもお鍋かぁ……冬のお鍋って良いよなぁ



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 今年一年ありがとうございました来年もよろしくお願いします
[一言] ふむ、セントラルヒーティングですね~(都市ごと) と言うか、まーた謎のボクっ娘が誕生していますがw
[良い点] 息を吸うようにフラグをへし折り、逃亡者になるハチくんw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ