攻略のヒント
「シクサームの街?それはいったい何処なんでしょうねぇ?まさかぁ?」
「ハチ君、君まさかあの後ボス攻略したのかい!?」
「ホントですか!」
「追手を撒く為にボス攻略するって、やっぱりハチは面白いわ」
「凄いなー」
キリアさんの所が一番突破しやすいような、突破が難しいような……
「あぁ……いやまぁ、突破した……って言って良いのかなぁ?」
あのボス戦と言うよりただ遊んでただけと言っても良い攻略内容を伝えた方が良いのか?いや、それは良くない気がする
「攻略法!攻略法を!」
「忘れましたか?チェルシーさんが報酬として聞いたのは僕が何処まで進んだのかでしたよね?攻略法まで教えるとは言ってません」
「ぐっ、流石ですね…」
いや、そんな良い一発貰ったぜみたいな顔されても困る。教えると言った範囲は元からそこまでだし
「攻略法は自分で見つけるのが楽しいんじゃないですかね」
「それはそうですけども……」
「そうは言っても僕に何か情報の対価として提示出来る物とか有ります?」
「お金……で解決出来ないのが本当にハチさんしてますね…」
おい、ハチさんしてるとかハチ君してるを便利に使うんじゃない
「対価無しで教えられる情報じゃないですし、例え対価があったとしても相応の物じゃないと教える気はないですよ」
「まぁそれは当然よね」
ん?キリエさんが結構庇ってくれてるな
「ところでハチ?面白そうな敵の話があるんだけど…聞く?」
「おっ?それはボスの話と交換って事ですか」
なるほど、それが狙いだったか
「分かってるじゃない」
「そういう事ならハチ君。こっちにも街に隠されたダンジョンの情報がある」
「ほほう?」
ロザリーさんがダンジョン情報をチラつかされた。ふむふむ、気になるな
「普通にそっちも聞きたいレベルの話なんですが……やっぱりハチさんには情報かぁ。ここはレアアイテムの情報でどうか1つ!」
「ふむふむ、そういう事なら教えても良いかな……いや、やっぱりヒント程度にしておきましょう。完全に教えるかどうかは皆さんの提示してくれた情報が僕にとって有用だったら教えるって事で」
正直これなら程々で良いかな?
「まず大前提ですけど、ボスには挑みました?」
挑んでいなかったら、正直ヒントを与えても意味が分からないだろうし、そもそもそれは攻略出来なくて困ったとは違うだろう。5人ともあのボスに挑んだ事が有るのなら教えても良いかな
「私達はある。まさかなと思いながらハチ君が挑んだかもしれないとボスに挑んだ」
「申し訳ありません。私はまだ無いです」
「えっと、そういう事ならチェルシーさんにはお話出来ません。多分一度挑んで見ないと分からないと思うので」
「うわぁ!色々と調査してた事が裏目に!」
残念ながらチェルシーさんには退場して頂こう。これは本当に一度も挑んでいないのなら教えるのはちょっと嫌だ
「で、4人はボスには挑んだんですよね?」
「あぁ」
「これは予想ですが、あそこはパーティで行くよりソロか2人くらいで行くのが良いって言うのは何となく分かります?」
「それは戦闘中に感じたな」
「おっと、これ以上はチェルシーさんに聞かれると困るので、個室風呂の方を使いましょう」
「ぬわぁー!」
聞き耳を立てているのが分かりやすい。でも挑んでいない人にはこのくらいの情報で良いだろう
「で、僕から言えるヒントですけど、ボス戦って別にバトルする方法が1つじゃないんですよね。単純に相手を倒すと言っても色んな形がある。と言う事だけお教えします。ピンとこないならそれでも構いません。あえてそういう風に言ってますから。よく分からないと言うなら対価の情報も頂きませんから安心してください」
僕は1発でクリア出来たけど、他の人が自分で気が付ける機会を奪うのも出来ればそこまでしたくない。それならなぞなぞみたいなヒントの出し方で皆には頑張ってもらおう。面白そうな敵やダンジョンの情報も気になるけど、やっぱり自分で攻略法を見つけた時ってちょっとした感動があるし
「なるほどねぇ……まぁそういう事ならそれで良いわ」
「あれ?意外と聞き分けが良いですね?」
「あら?それはどういう事かしら」
「何でもないです」
やっべ、余計な事言ったな。とりあえずスルーしてもらわないと
「と言う訳で、ヒントだけ教えたのでここで失礼します。まだまだやる事はいっぱいあって忙しいので!」
「楽しそうだな?」
「次から次に新しい物を見つけたり、色んな事が起こったりするから毎日楽しいんですよ」
これは本当の話だ。最近この人達のガツガツ来る感じがちょっと苦手に感じてるけど、新しい事に関しては僕も結構ガツガツ行く感じだから人の事は言えない
「こっちとしては何か起こるたびにハチ君の関与を疑ってるんだがな……」
「そんな何にでも僕が関与してる訳無いじゃないですかー」
「セカンドジョブの開放とか」
「飛行船がプレイヤーでも使えるようになったとか」
「お米食べれるー!」
「そういえばフィフティシアで保管されていた禁書の解析が進んだとか…あれもハチの仕業?」
「………」
なんだろう。冷や汗が止まらないなぁ……