表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
970/2034

積み仕事終わり

「まぁその話は置いておいて…ハチ、感謝するぞ。何かあればいつでも頼ってくれ。このイクサバンの街全てが力になるぞ」

「ありがとうございます。何かあったら頼りにさせてもらいますね」

「では行こう。サラバだ!」

 ウカタマ主導でそのまま泉まで連れていかれる。まぁ僕も話をし終わったらそのまま帰ろうと思ってたから楽が出来て良い




「ふむ…やはり誰か1人の物になる様な男では無いな。残念ながらあの娘らにあれ以上のアドバイスは出来そうにない」

 ハチを自分の所に引き込む事を諦めて肩をすくめる


「緑に水に畑……この砂漠の街にこれ程の事が出来るとはまさに神の所業だな。皆の者、絶対にあのハチと敵対するなよ。敵対した者はこの街から追放だ」

 改めてハチが行った事の異常さを再確認する。砂漠にある街をオアシスの様にしてしまうなど、神の所業と言っても差し支えない。そしてそれを行ったのはハチと召喚獣と思われる1匹の大狐。オアシスの様に出来ると言う事は、逆にその地を元の状態に、もっと言えば街自体を無かった事に出来る程の力を持っているかもしれない。そんな力を向けられるかもしれないのなら、それこそまだ街をあの砂漠の連中に荒らされた方がマシだ


「陛下、この後はどうなさいますか。モルガ様の弟子との事でしたが、モルガ様を通じてこちらから何か更なる礼の品を贈った方がよろしいでしょうか。国の為でしたらこの身を捧げる事も厭いません」

 ニーニャが自分を貢物にする事は厭わないと言うが……


「いや、それは絶対にやめておけ。英雄色を好むとは言うが、アイツはそんな簡単ではなさそうだ。むしろ、そういうのは逆に癇に障るかもしれん。ここは何もしないのが一番良いだろう」

 むしろ「そういうのは迷惑だ」とこの街への施しを止めてしまう可能性の方が高い。やるにしても手紙程度が良いか


「そうだな。師匠経由で感謝の手紙を送る程度にとどめておこう。それならハチも受け取ってくれるだろう。なにせアイツは逃げ回って捕らえる事は出来ないだろうからな」

 感謝していないと取られるのはマズい。手紙で感謝の気持ちを伝えるにしても確実に届ける方法がかなり少ないので、師匠という繋がりがあるのであれば元救世主だろうと利用させてもらおう




「くしゅん!」

 空島に戻ってきたらなんか鼻がムズムズしてくしゃみをしてしまった


「風邪かぁ?」

「噂でもされてるんじゃないかなぁ」

「はっはっは。ハチの噂ぁ?そんな事で一々くしゃみをしてたらハチは呼吸する時間も無いぞ」

 くしゃみのし過ぎで酸欠とか嫌だなぁ……


「へいへい!温泉出来たってぇ?」

「あぁ、仕事頼もうかと思ったけど逃げたからおやつもアイスも抜き師匠!」

「あのあの、それは流石に酷いんじゃないかなぁハチ君?」

 あぁ、そういえばイクサバンの街にアイスを教えるの忘れてた。もう一回だけ行ってくるか


「ちょっとイクサバンの街に用事を忘れてた事を思い出したからもう一度行ってくる」

「ちょー!ちょー!ちょーっと待ったハチ君!謝るから!ね?謝るからどうかお風呂アイスの権利だけはっ!」

 走り寄って来て僕の手に縋りつき、そのまま流れるように土下座するモルガ師匠。威厳の欠片も無い……


「分かりましたよ……でも、イクサバンの街には行かないといけないので今は……」

「ついてく!ついてく!ハチ君の面倒にはならないようにするから!」

 逃げられると思ってついてくる気か…まぁ別に良いか


「じゃあ行きますよ」

「ほいほーい」

 ウカタマと交代で今度はモルガ師匠を連れてイクサバンの街にまた戻る


「あの、そういえば忘れてた事があって……」

「もう何か困った事でも起きたのか!?ってモルガ様も居る!?」

 さっき「ではサラバだ!」ってウカタマが恰好つけて空島に帰ったのに、またノコノコやってきたんだからそりゃあビックリするよなぁ……


「実は、1つニーニャさんには渡したんですけど、他の皆さんには渡して無かったなって物を思い出しまして、陛下。これどうぞ」

「これは?」

「あー!あー!ハチ君それ私の分では!」

「うるさいと本当にあげませんよ?」

「あっあっ、黙ってます……」

 これで師弟関係とか信じる人居るかなぁ?


「アイスクリームって物です。冷たくて甘いですよ」

「なにっ!うまぁ~……」

 イクサバンの人はアイス大好きなんだな


「ニーニャさんにご馳走した時幸せそうに食べてたんで、これのレシピを教えてあげようと思ってたんですけど、色々あって忘れてました。どうぞ」

 レシピのメモを近くに居たニーニャさんに渡しておく。よし!これでやる事終わり!


「じゃ、忘れてた物も渡せたんで今度こそ本当にさようなら!」

「さよならさよなら!何かあったらいつでも言ってね~」

 空島にまたUターン。バタバタしちゃったなぁ


「あぁ、師匠?仕事を1つ頼みます。ウカタマに協力して、街と温泉を繋ぐゲートを作ってください。それが出来たら温泉アイスを進呈します」

「すぐ!すぐにやりまーす!」

 よし、これでもうハスバさんとトーマ君に連絡しても良いかな



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ハチの声について聞きたいです! ハチの声って、少年声ですか? それとも少年声よりは低いですか? ちゃんと変声期きてる男の子の声ですか?  なんか想像しながら読んでると、どうしてもハチの声が男にしては高…
[良い点] 女王様、どこぞのハスバさんなみにハチ君への対応うまいなぁ。 追ったり面倒なことするよりも、来たときにもてなし軽めに対応する方が好感度上がりそうだもんね。 なおギリギリを攻めるのに好感度…
[一言] ハチ君はアレか、高機能NPC専門テイマーとかなのかw 次々と餌付けの罠にかかる偉い人たちがw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ