オアシス化
「こ、これは……」
「よし、こんな物で良いか?」
「多分大丈夫かな。これだけ緑があれば皆喜んでくれると思う」
「ふっふっふ!儂、なんかやってしまったかぁ?」
絶対自分で凄い事やったと自覚して言ってるなこれ?分かりやすいなぁ……
「いやぁ、ウカタマじゃないと出来ない様な偉業をサラっとやってのけちゃうんだから凄いなぁ」
「ほほっ!もっと言ってくれ」
「流石豊穣の神様!そんじゃそこらの神様とは一味違いますね!」
個人的な判断だけど、何処か空の上とかから見てるだけ神様に比べたらこうして手を貸してくれるウカタマの方がずっと格としては上な気がする
「あぁ~褒められるのたまらんわぁ~」
本当にこの神様チョロいなぁ……この面だけは他の神より格下だと思う
「ハチよ!」
「はーい、なんです?あぁ、忘れる所でした」
「え、いったい何を?」
「んー、ここ良さそうですね」
一応使えるかもと思って1つだけ残しておいた湧水の心を城の入り口近くにあった台座っぽい所に設置する。これで水も魔力を送れば使いたい時に出せるかな
「頼む、説明をしてくれ」
「えっと、街の緑化に、これに魔力を送れば水が出てくるようにしてるんで一言で言えばオアシス化ですね。砂漠でこれからも戦っているのであれば水分の補給が楽になった方が良いでしょうし、自然が多い方が単純に食べ物とか作りやすいでしょうから」
「何故ここまでしてくれるんだ?」
「単純にお礼ですよ。砂上戦闘のやり方もありますけど、あの時僕を庇ってくれたお礼です」
「只者では無いと感じていたが、予想を簡単に飛び越えてくるな……」
「当然だろう。ハチだぞ?」
なんでウカタマが言ってるんだろう?
「なるほどな。あの子らが手元から放したくないというのも納得だ」
「ん?」
「いや、気にするな。こっちの話だ」
何か言いたげだったけど、そっちの話ならまぁ僕がそれ以上掘り下げる必要は無いか
「じゃあ、匿ってくれたお礼も済んだので僕はこれで……」
「待て待て。流石にここまでされたらこちらも礼をせねば。どう考えても釣り合わない」
こっちからの一方的な事だけど匿ってくれたお礼にしては過剰過ぎるというのは分かる。正直僕も誰か匿ってあげただけでお礼として君の所オアシスにしてあげるよ~は流石に警戒する
「うーん……正直僕の気まぐれでやってる事なんでお礼は別に要らないんですけどね……あっ!女王陛下。もし、この街にアクセサリーの見た目を変えるレイヤーっていう魔法?みたいな物を覚えている人とか居たらその人を紹介して欲しいですね」
レイヤーが増えれば僕の目印とも言っていい手枷と足枷の見た目を変える事が出来るからこれがあれば大きいぞぉ?
「レイヤー……ふむ。少し待て」
なんとなく心当たりが有りそうな女王陛下。これならもしかすると何か入手出来るかも
「何かありましたか」
「ニーニャ。ハチにレイヤーを教えてやれ」
「はい」
「え?ニーニャさん?」
まさかの人がレイヤーを持っていたみたいだ
「戦いの時。恩恵もくれるが、邪魔になる。そういう物を消せる」
ニーニャさんがおもむろに指輪やネックレスを付けてレイヤー魔法らしき物を小声で唱える
「わっ、そういうのもあるんですか!?」
ニーニャさんが魔法を発動したあと、装備品が光ると指輪やネックレスの色が真っ黒になり、そのまま肌と同化した。アクセサリーのタトゥー化とでも言えば良いんだろうか?これは凄いぞ?
「大事な首飾りとか、戦ってる時邪魔にならない」
戦闘中にアクセサリーを付け外す事はそうそう無いにしても表面上は装備してない様に見せられるのは結構情報アドバンテージとしても大きい。仮の話だけど、火耐性の盾を装備してると分かってる相手に火で攻撃はしないだろうけど、相手の持ってる盾が何に耐性があるのか分からなかったらとりあえず火で攻撃してみるとかはあるだろう。装備品が分からなければ対策を組まれる事も減る。最近色々と人の前に姿を晒してるから対人戦とかになった時に対策を練られるようになってくるだろう。そういう時にこの装備の時はアレが危険とかこうして来るみたいなヒントをタトゥー化して見えなくしてしまえばほぼ与えなくて済む様になる。これはまさかの収穫だ!
「これは嬉しい誤算ですね。ここをオアシス化した甲斐がありましたよ!」
「そう言ってもらえると、こっちも嬉しい」
『レイヤー タトゥー を入手』
あ、これって、服にも出来るのかな?いや、止めておこう。服に使ったらそれこそ真っ黒な全身タイツみたいになってしまうかもしれない。そうなったらハスバさんレベルのヤバイ人だ
「そんな物で良いのか?」
「戦闘において装備品の情報は知られたくありませんから。それを隠せるこれは最高ですね。【チェンジレイヤー タトゥー】」
呪枷のレイヤーを『タトゥー』にすると両手両足から枷が消えた。袖とかで見え難かったとしても見えていたら結構目立つこれを何とか出来たのはデカい。もっと言えばユイになった時とか、スキンクリームがあればブレスレットとアンクレット無し状態にも出来るから更にとけ込めるようになったな
「本当に婿にしたいくらいだな」
「それはダメだな。ハチが婿に行ってしまうと困る」
「だろうな」
元から行く気は無いけど、なんでウカタマが言ってるの?




