ウカタマ建設
「よし!」
3人を海底都市まで送って、ついでに深海で魚を取って湧水の心を作る準備は出来た。これでこの島に温泉を作る計画を進められる。モルガ師匠は温泉が出来たら呼んでね~と途中で帰った。くそぅ、ちょっと物運びとかやってもらおうかと思っていたが逃げられたか……まあ良い。温泉計画再始動だ!
「それじゃあヴァイア様!よろしくお願いします!」
「うむっ!早速取り掛かろう!」
出来上がった湧水の心1つだけ手元に残して残りを全てヴァイア様に渡す。これがどう温泉に変わるのかな?
「ヘックス。これをじゃな……」
「なるほど……」
ヘックスさんとヴァイア様が相談して湧水の心をどういう風に設置するのか決めているみたいだ。ヘックスさんが空中にウィンドウを出して、色々操作していると、火山の一部が変形してなんか熱そうな赤くなっている細い管みたいな物が地上に出てきた
「これで、良しと」
そしてその管の部分に何か箱を取り付けて、その中に湧水の心を入れた
「ハチ、そこに居ると濡れるぞ」
「え」
ヘックスさんが箱に付いているスイッチを操作したら箱から急に大量のお湯が出てきた……って!
「ちょちょちょ!逃げる時間下さいよ!?」
温かいお湯に流されながらヘックスさんに抗議する。ちょっと熱いくらいだけど、これなら少し運べば丁度良い温度になりそうだ
「悪い悪い、ちゃんと動作するか知りたくてね」
てへっと笑うヘックスさん。まぁそのくらいで目くじらを立てる様な事では無いので許そう
「源泉のオンオフが出来るんですね」
「たまにはメンテナンスをしないといけないからな。止められる様にしておいた。その源泉は低めの温度設定だから問題無いが、もっと高温の源泉もこれから用意する」
この様子だとヘックスさんがメンテナンスを請け負ってくれるんだろうか?まぁ僕もメンテナンスを出来るように一応話は聞いておいた方が良さそうかな
「よしよし、動作は完璧だから後は温泉の場所、浴槽、温泉自体を浴槽まで運ぶパイプとかがあればすぐに稼働出来そうだな」
「あ、もしもしウカタマ?」
『あ~い、なんじゃあ?』
もう完成がかなり近づいてきた。ここからはウカタマの出番だ
「実はね?今から温泉が作れるんだけど、割と大規模なのが作れそうな源泉が設置出来て、旅人とかも入れるようにしたくて御稲の国の人だけって訳じゃ無くなったんだけど、それでも協力してくれる?」
『温泉に入るのに種族は関係ないだろ。とりあえず場所見して~』
場所を見せてと言われたのでパンドーラを開いてウカタマをこの場に呼び出す
「で?どれが源泉なんじゃい?」
「あれ。ヘックスさんお願いしまーす」
「はいよ!」
「む?うぉぉぉ!?」
ウカタマにも源泉でかけ流しを経験させる。流されていくウカタマがちょっと気持ち良さそうな顔をしていたから温泉に流されながら温泉を楽しんでたみたいだ
「あれが他にも数個あるからそれなりに規模は大きく出来るけど、デカすぎると困るから最大でもこの区画の半分くらいかな」
火山地帯と草原地帯の境目辺りで場所を決め、温泉を作る場所を決める。一応軽い設計図として、御稲の国の人専用の場所、フリーな場所、旅人専用の場所と大きく3区画に分けた設計図をウカタマに見せる
「ふむ……これはこの分け方をすると建てる時に面倒になるから単純に男湯、女湯、混浴にした方が良いな」
「あぁそっか。さっきの分け方だと大きさが更に半分になっちゃうからゆっくり出来ないか。じゃあその分け方で……混浴は何か誤解されそうだからプールみたいな遊び場風にした方が誤解が無くて良いかな」
なんか混浴って誤解されそうだから難しいかもしれないけど、小さめのウォータースライダーとか、流れるプール的な物を用意した方が楽しめそうだ
「それなら……」
「だったら……」
「それならこうした方が……」
「それじゃあいっその事……」
色々と案が出てくる。全部採用すると多分草原が1面潰れてしまうので惜しみながらも用地に入る分でどういう物を建てるか決めていく。こういうの結構ワクワクするんだよね
「旅人には個別の浴槽みたいなのが何個かあれば自分に合った効能を選べるようにしたいから最悪それだけでも良いかな。後は皆で入れるお風呂で各々交流を深めてもらえればいいと思う」
「こっちも露天風呂が複数あれば充分だから、旅人と分ける必要もないし露天風呂は共有で良いだろう」
「旅人の風呂は個室化してしまえば男女を分ける必要が無くなるんじゃないか?」
「それで行けば他2か所を大きく出来るか……」
省スペース化の為に旅人専用風呂はユニットバスみたいな感じになりそうだ
「じゃあこれでウカタマの所に建設を任せるよ?報酬は温泉入り放題で」
「よーし、それじゃあここにも門作っておくかぁ」
ウカタマ建設に温泉の風呂とかを作ってもらう事になっているので後は待つだけ。と言いたい所だけど、ここは効率アップしてもらうために僕も一肌脱ぎましょう
「ウカタマ」
「なんじゃい?」
「温泉建設に協力してくれる人に差し入れとして稲荷寿司出しますって告知よろしく」
「そんな事したらうちの国の奴等全員来てしまうぞ?」
「だったらこっちも総力戦で人数増やして全員分の稲荷寿司を用意してみせますよ」
まさかの事に【暴走因子】を使う事になりそうだなぁ……




