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960/2015

巻き込み師匠

「これは?」

「とりあえず冷たい物の方が良いかなと思ったから白いのがビシソワーズ。赤いのがガスパチョっていうスープ料理。口に合わなかったらいつも食べてる物を教えてくれれば似たような物を作ってみるから」

 基本の食材がジャガイモとトマトだからワリアさんの作った美味しい野菜だ。マズい事は無いハズだが、人魚の口に合うかなぁ?


「初めての料理ですね……いただきます!」

「いただきます」

「いただくわ」

 3人ともスプーンで掬い、スープを飲む。ん?スープの飲み方を知っているなら海底でもスープ自体はあるのかな?


「美味しい!」

「海底じゃ味わえない味だな!」

「味わい深いわね……」

 それなりに好評っぽくて良かった。なんだかんだ言いつつマダムも食べてるな?


「ハチ君って本当に多彩だねぇ?フランス料理とスペイン料理を作れるのかい?」

「ビシソワーズがフランス料理でガスパチョがスペイン料理で合ってます?料理詳しくないんですが……」

「合ってるよ。もし他に温かい物が食べたかったら用意するよ」

「えっと、それじゃあ、ハンバーグとかって……」

「はい、ハンバーグ一丁りょうかーい!」

 ハンバーグは作ってあるからすぐに出せる。既に作ってある物がすぐに出せるのはありがたいね


「ハンバーグどうぞ」

「わぁ、本当にハンバーグ!」

「ガタンガタン」

 なんかドアがガタガタ鳴ってる。今回は誰かさんが勝手に入ってこない様に鍵を掛けたが……やっぱりやって来たか


「む?」

「あぁ、気にしないで大丈夫です。ハスバさんも何か食べます?作ってある物ならすぐに出せますよ」

「そう?それじゃあ、パスタ的な物は食べられるかな」

「パスタなら……ボロネーゼでも良いですか?」

「おぉ良いね。じゃあボロネーゼを頼んでも良いかな」

「じゃあすぐに作るんでお待ちください」

 トマトをみじん切りにしてひき肉と合わせて炒め、塩コショウなどの調味料で味を調えてボロネーゼを作る


「何ですかこの匂い……」

「なんか美味そうな匂い」

「確かに美味しそうね……」

 ボロネーゼを見て美味しそうと言っているあたり、意外と温かい物も行けるのかな?


「ハ~チ~く~ん~」

「うわっ!そっちから!?」

 ドアに鍵を掛けたら入って来れないだろうと思っていたら窓から侵入してきたモルガ師匠


「そっちから入ってきたんですか……」

「ねぇねぇ、流石に鍵を掛けるのは酷いよ?」

「今お客さんが来てるんで、モルガ師匠の分を作ってる暇ないんですよ」

「ががーん……」

「今度作ってあげますから……」

 流石に今は色々と用事が詰まってるからモルガ師匠には構ってあげられない……いや、逆にモルガ師匠も巻き込んでしまえばむしろ上手く行くかも?


「モルガ師匠?ちょっとこっちに……」

 モルガ師匠を巻き込むにはやっぱりアレが効くか?


「モルガ師匠?実はですね。あそこに居る方々は海底都市から連れてきた人魚さん達なんですけど、協力してもらえれば温泉が作れるかもしれないんですよ。モルガ師匠、日頃の疲れを温泉で癒したくないですか?」

「え、え、それまじ?」

「今、結構重要な局面かもしれないんですけど、協力してくれます?これで上手くいけば温泉に浸かりながらアイスを食べるなんて事も……」

「うんうん!ハチ君は私の一番弟子だからね!勿論協力しよう!」

 温泉に入りながらアイスが食べられるなんて状況が作れるかもしれないって言われればモルガ師匠なら協力しないなんて選択肢は無いだろう。これで協力者を更に得る事が出来た


「それじゃあ僕に合わせてもらえますか?」

「良いよ良いよ!幾らでも合わせるよ!」

 よし、それじゃあモルガ師匠の席を用意してあげよう


「ちょっと1人追加しますね~」

「どーもどーも、お気になさらず~」

「「ふふふふふ……」」

「ハチさんのお知り合いですか?」

「そうだよそうだよ。もっと言えばそこのハチ君の師匠だよ!」

「ハチさんの!?凄いですね!」

 おぉ、トーマ君の自然な褒め言葉でモルガ師匠が自然に席に着けたな


「ハチ君?あの人って本当にモルガ様かい?」

「そうですよ」

「本当にそういう人と交流があるのは流石だね……というか私としてはこの恰好に誰もツッコミを入れてくれないのは少し悲しいよ……」

 僕とトーマ君はハスバさんのスク水姿も見慣れてしまったし、海底都市から来てる人魚さん的にはスク水という姿は多分どうこう言う姿でも無いだろう。モルガ師匠も色々見てるだろうから別にスク水くらいじゃインパクトが足りないのかもしれないから誰もハスバさんの姿にツッコミを入れない事態になっていた。まぁハスバさん的にはちょっと物足りないのかも


「そんな恰好でご飯食べるとか、ハスバさんはどうしようもない変態ですね?」

 ハスバさんにだけ聞こえるように耳元で囁く


「おおぅ……良い」

 身震いするハスバさん。喜んでるなぁ……


「とりあえず皆さん食事を続けましょうか」

 一応この場に海底からのマダム、エギアさんとエフィーレさんの3人対ハスバさん、トーマ君、モルガ師匠が来てくれたお陰で僕を含めて4人になり、人数的には有利になった。これはかなり有利だぞぉ?



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― 新着の感想 ―
[一言] いつもの変態有能紳士。知識が、広がる
[一言] おやつは世界を救う(誇張)
[一言] モグモグ師匠さんさあ…さすがに窓の隙間をぬるりと進入するのはヤバくないっすか~?(誇張表現) と言うか、ハスバさんに慣れるとかそれもう沼に沈んでるよねえw
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