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951/2009

透ける裏側

「この一手でどうだ!」

「うわっやられた!」

 思考を巡らせ、相手にパスをさせる一手を打つ事が出来た。多分一手ミスってたら崩壊してたな


「えっと、だからここと、ここで……終わり!」

「まけたぁ……」

 途中僅差だったとしても、中盤で崩れたり、乗せられると一気に状況が変わってしまうのでリバーシは気が抜けないんだよなぁ……でも勝てて良かった


「どこでまちがえたかなぁ」

「多分この1手をこっち側に打たれてたら負けてたね」

「そこかぁ!みのがしてた」

 リバーシの感想戦とか初めてだな。というか手を戻して再現出来るの凄い


「また別のゲームで勝敗決めよう!次は何が良いかな?」

「じゃあつぎは、おえかきでしょうぶしよう」

「絵で勝負?というとどっちが上手く描くかって事?」

「いや、かきかたのしじをかくしてかく」

 描き方の指示を隠して書くとは?と考えていたらA4サイズくらいの紙に「上手に描く」「下手に描く」みたいな文字が書いてあった。それなら何となく予想が出来るぞ?


「まずは何かを描くけどそれをどう描くかは自由で後から発表された描き方の指示により合っていた方が勝ちって事か」

「そうそう。うまくかけなくてもうんしだいでかてる」

 確かにそれならどう描くか各々で決めてから勝負出来るな


「勝ちの判定はお互い同じ位なら勝ち数が少ない方が取る。3回勝負でどうかな?」

「おっけー」

 早速スケッチブックみたいなのが手元に来た。これにお題を描いて勝負する訳だな


「1つのおだいをかくのに1ぷんでいい?」

「そうだね。上手い下手どっちにしてもそのくらいの時間でサッと描くくらいの方が相手がどう描いてるのか分かりにくいだろうし」

 時間掛け過ぎたら絶対に上手に描こうとしてるのバレるだろうし、1分くらいで描くくらいで丁度良いかも


「じゃあしょうぶ!さいしょのおだいは……」

 くじ引きの箱みたいな物が現れてその中から1つの紙を引く模倣君。お題は何だ?


「アプリンのみ。よーいスタート!」

「うーん……」

 アプリンの実と言えばリンゴみたいなアレだな。僕がアルターで最初に食べた物だし、どうしよう?まぁ初手だし上手に描いてみるか


「「………」」

 やっぱ無言で書いちゃうよねぇ……お互いに真剣に描いてるからだしそれは別に気にならない。気になるのはこれの描き方の指示だ。どんな指示が来るかで綺麗に描いたとしても指示にそぐわなければ僕の負けだ


「しゅうりょう。じゃあオープンして」

「僕の描いたアプリンの実はこれだ!」

 僕が描いたのは割とイラストチックだけど、見たら大体の人には伝わるだろうと思うくらいの絵。そして、模倣君が描いたのは丸を書いて上にちょんっと線を足しただけのお手軽リンゴ絵。いきなり分かれたな?


「どれかえらんで」

 シャッフルされたA4の紙からランダムで1つを引き抜く。さぁ、なんて書いてある……


「えーっと、『少ない画数で 描く』マジ?一筆書きみたいな物とかも入ってるのか……」

「まずは1しょう」

 すり替えとかは無かったし、正直これは負けても別に問題無い。大事なのは次は相手の絵に合わせるか、相手よりも指示に近付ける事。絵の雰囲気が同等であれば、負けてる方が点を貰えるから、チャンスが増える。ここはどうしようかな……


「つぎのおだいは……おしろのえ」

 城か……ここは申し訳ないけど、少しだけ相手の手の動きを見させてもらう。それなりに動いているからちょっと上手に描いているのかもしれない。だとしたら、下手過ぎるのは良くないな。一筆書きで城の輪郭を形成して、ちょこちょこ窓とか入口を足す。これで下手では無く、画数も少な目で、分かりやすい絵が描けたんじゃないかな?


「さぁ、どうかな」

「うーん、けっこうにてる。1まいひいて」

「じゃ、これで……『上手に 描く』だけど、これは同じ位って事で僕の点で良いかな?」

「いいよ」

 お互い見たら城とは分かるくらいの絵だったけど、引いたのが『上手に 描く』だったので同等と判断して良いと思うと提案したら受け入れてくれたのでこれでカウントは1対1。次でラストだけど、やっぱり結構良い勝負になるなぁ


「さいごのおだいは……かみさまのえ」

「神様の絵……」

 やっぱりさ?ここまで来たら何となく何かの関与がある気がしてならない。ここはやっぱり一度踏み込んでみるか


「よーい、スタート」

 スタートしたならもう描くしかない。渡されたペンで可能な限りスケッチブックを黒く塗りつぶす


「かけた?」

「描けたよ。それじゃあせーのでやろうか」

「「せーの」」

 そこでお互いが見せたのは両者とも真っ黒なスケッチブック。神という点でならウカタマとかも描こうと思えば描けるけど、今求められているのはこっちのような気がした


「お互いほぼ一緒だけど……これは全体の勝ち数で考えてそっちの勝ちかな」

 同じ様な出来であれば負けている側にポイントが入る。この取り決めでこの勝負では同点でも、全体の勝利数を考えて僕の方が勝っているからここで負けている模倣君の方に点が入り結局の所全体結果でも同点になる。仕組まれてる気もして来たなぁ?


「いちおう、めくって」

「はいよ。『理解出来るように 描く』はい、模倣君の勝ちだね」

 神様を理解出来るように描くってなんだよ


「つぎのしょうぶがほんとうにさいご」

「最後の勝負は何にしようかなぁ」

 これは悩むなぁ……



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― 新着の感想 ―
[一言] さいごのしょうぶ 的当て ただし急カーブになっており隣が見えない様になってる     その隣で的がランダムに上下左右に動いている      その的の中央に当てよ 尚、残弾数は2回 その他: …
[一言] ハチ君によって鍛えられた処理能力は他の人を模倣してても残ってて過去最高の難易度のボスになったりしないかな……?流石にないよな……
[気になる点] 仲間になって欲しい。 村に連れてって一緒に過ごして欲しい。 そうすれば、幽霊シスターみたいな感じになる?
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