ジョギングしよう
「ふわぁぁ……今何時だ?うえっ!?」
外は暗いから夜だと思ってスマホを見てみたら3時となっていた。朝の3時。つまり昨日の昼からずっと寝てしまっていたみたいだ。頭はスッキリしてるけどお腹はペコペコだ
「まさかこんなに寝ちゃうとは……」
正直寝過ぎで体を動かしたい気分だ。軽くサンドイッチでも作ってジョギングでもしよう
「あー遅刻遅刻ー!的な?」
お手製のサンドイッチを咥えながら早朝の街を走る。ジョギングを終えた後に食べられる様に朝ごはんを作って外に出てきたけど、こんな朝早くに誰かとぶつかる事も無いな……そもそもパンを咥えて走るのは女の子の方が一般的では?
「なんだか体が軽いな?よし!ちょっと遠くまで走ってみよう!」
良く寝たお陰かとても体の調子がいい。少し速度を上げて海岸まで走ってみる。体も問題無いから少しくらい負荷を掛けるつもりで行こう
「おぉ、朝日が眩しい……」
海岸線から登ってくる朝日を見ながら額の汗を拭う。なんかいいなぁ……朝日を見ながら体操するのも気持ちが良い
「向こうの世界の海も行ってみたいな?どこまで行けば海まで行けるんだろう」
向こうの世界では山や森を楽しんでいるけど海はまだだ。海に行ったら竜宮城とかあったりして……
「ふぅ……海風が気持ちいい。早起きは三文の徳って本当だね」
今回はある意味失敗からの収穫だ。今後もたまには早起きして海岸まで来て体操するのも良いかもしれない
海岸で体操して体も目も覚めた。帰ったらシャワーでも浴びてからご飯を食べよう。よぉし!帰るか!
リフレッシュも出来たし家に帰ろう
「やっぱりあのスローモーションは結構脳にクるから脳を鍛えた方が良いかな?」
家に向かって走っている最中にスローモーションの事を考える。確かにあれは便利だけど脳への負荷が大きいからずっとスローだと僕の方がダウンしてしまう。一回、目を瞑って戦ってみようかな?
「ただいまー、シャワーシャワー」
ジョギングしてきたのでシャワーを浴びてサッパリする。用意しておいた朝ごはんもレンジでチンしてホカホカだ
「そういえば課題もあと少しで終わりだし、終わらせちゃおう!」
イベントが終わったら課題も終わらせちゃおうと思っていたから丁度良いしやっちゃおう
今日課題を終わらせてしまえば残りの日数はアルター漬けの日々を送っても良いかも……流石にそれは母さんに怒られるか
「よーし!終わったー!」
後ろに倒れながら課題が終わった事を喜ぶ。これで自由に使える時間が増えたー!
「んー、今からやるのは時間がちょっと悪いなぁ……お昼ご飯の時間が」
課題をやったから中途半端な時間でアルターを始めたらすぐにログアウトしてご飯の時間になってしまうだろうし、少しテレビでも見るか
「本当の素肌をあなたに」
「おぉ、母さん達の会社の奴だ」
モデルさんが母さん達の作った化粧品を手に持って紹介しているCMが流れた。こうやって見るとやっぱり母さん達って結構凄い物作ってるよねぇ
「このモデルさんも凄い美人だなぁ……でもどっかで見たような顔な気がするんだよなぁ?」
黒髪の綺麗な女性。この人あんまり出てこないけど何と言うか化粧無しで素で綺麗そうだと思うんだよね
「うーん……まぁ思い出せないって事は見たことなかったのかもしれないな」
そう考えている内にCMが終わり、バラエティ番組が途中から始まっていた。うーん、そこまで面白くもないなぁ
「よーし!リンクスタート!」
時間を潰し、昼ご飯も済ませて準備万端!いざアルターにゴー!
「おおっと!?なんだ?」
ふわふわと体が浮いている謎空間に居た。どこだろう?
「あっ、ハチ様」
「オーブさん。ここどこ?」
オーブさんが僕の近くに飛んで来た。良かった、誰も居なかったら困る所だった
「ここはイベント終了後の配布アイテム受け渡しの場所なんですが……ハチ様は2位になった段階でログアウトされてしまったのでこの空間で待機中の状態です。受け渡しが完了しましたら元の場所に転送されるので安心してください」
「はぇー」
オーブさんが何か光る物を2つ持ってきた
「こちら特殊スキルチケットと特殊素材交換チケットになります。消費するとその場で交換する事が出来ます」
「これって始めた時みたいにランダム?それとも自分で選ぶの?」
「一応どちらでも出来ますが……まさかランダムでやるつもりですか?」
「今自分に必要な物も分かってないからランダムで使っても良いかなって」
「後に残しておいたり、決勝で使われた【覚醒】なんかも覚える事が出来ますよ?」
「失敗しても良いんだ。どんな結果になるとしても楽しんだ者勝ちだからここで使って良いのが引けたらオーブさんが僕の事祝福してよ?失敗したら一緒に笑ってくれればいいから」
別に最強になりたい訳じゃない。ただこの世界を楽しみたいだけだから変なスキルやアイテムが来てもどうやって使うか考えるくらいで良い
「分かりました。ハチ様がそれで良いと言うのなら使用させていただきます」
オーブさんが持ってきた2つの光が大きく光る。使用したからなんだろう
『特殊スキル 【付呪】を習得』『召魔の石 を入手』
これ当たりかハズレか分かり難いな?