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937/2008

牢獄への脱出

「ハチ君、聞きたい事が有るんだが良いかな?」

「え?流石に体重とかは恥ずかしいので……」

「分かってて言ってるでしょ」

 勿論分かってて言っている。流石に誤魔化せないよねぇ……でもここは何とか誤魔化し通す


「分かりました。それで、何が聞きたいんです?但し、僕は1つの質問しか答えません。それ以上に無理に聞こうとするなら、流石に運営に報告させて頂きます。不当に拘束するのだから一応ハラスメント報告かな?」

 ここは牽制を入れておく。現状は4対1の状況。この状況をひっくり返すには運営という強力なカードを切り、4人の行動を制限する。せっかくだし、ここは深淵を少し出してみるか


「まぁ、何を聞きたいのかしっかり考えてから聞いた方が良いとは思いますけどね。チラつかされた情報に飛びついて、本当に聞きたい事を聞けなくても僕は困りませんから」

 両手をガシッと掴まれているままだけど、深淵玉を出して軽くジャグリングする。捕まっている状況で急に暇つぶしをして、聞ける事は1つだけ。こうしたら何について聞きたいのかしっかり選ばないと何も聞けない聞けないよぉ?


「それは1人1つって事かしら?」

「全員で1つですね。1人1つにしちゃったら沢山聞けちゃいますし」

 ここは笑顔でしっかり宣言しておかないとね


「それじゃあ……」

「ちょっと待って、この顔は……無理ね。絶対はぐらかされるわよ?だってこんなに笑顔なハチよ?」

「ハチ君なら我々が知りたい事は上手くはぐらかすだろうな……」

 お姉ちゃんズからの訝しみというか、少し諦めのような気配を感じる。これはまずは一勝?みたいな感じで良いのかな?


「さて、何についてお話しましょうか?今日の晩御飯?明日の予定?」

 拘束されたままだが、ニコニコ笑顔で訊ねる。うーん、なんかたまに映画とかで出てくる狂ってるタイプの犯罪者みたいになってるかも


「多分今聞きたい事はハチは絶対に喋らないから貴方達が好きな事を聞けば良いわ」

「そうだな。正直無理に話を聞こうとしても、今の状況はハチ君に正義がある。1つは答えてくれるって言ってくれてるなら好きな事を聞くと良い」

「どうぞどうぞ。大抵の事ならお答えしますよ」

 これでなんとか追及は終わらせる事が出来たかな?さて、あとは脱獄を頑張ってみ……


「それなら1つ聞きたい事があるんですが聞いても良いですか?」

「私は別に聞きたい事無いからいーよ」

 どうやら質問権はアイリスさんが得るみたいだ。何を質問してくるかなぁ?


「ハチ君がユイさんですよね?」

「…………」

「何でも1つ答える約束ですよ」

 やっべぇ、どうしよ。まさかこの場面でそれを聞くか!?


「嘘は無しでお願いします」

「なら、もし僕がユイさんだったとしたら。どうします?」

 質問を質問で返す。嘘は言わずに何とかはぐらかすにはこれで話を逸らす!


「そうだったとしたら……そういえばどうしましょう?」

「聞いたとしてもその結果何も変わらなければそれは聞く意味が無いんじゃないですかね?それならもっと聞いた方が良い質問があると思いますが……今の質問は聞かなかった事にしましょう」

 これでどうだ?少しは話を逸らす事に成功したとは思うけど……


「えーっと、だったら何を質問しましょうか……」

「まぁ、質問じゃなくても質問しない代わりに何か……クエストの手伝いとかでも良いですけど」

「あっ!それ良いですね!ハチ君を連れて行けば色んな事が起きるかもしれませんから!」

「ちょっと!?それなら話が変わるわよ!さっき全員で権利1回って言ってたわよね?ならその話も1人だけって事よね」

「ちょちょちょ、左右に引っ張るのは止めてください」

 アイリスさんとキリエさんに両腕を掴まれた状態で両サイドに引っ張られるので足が浮く。捕まった宇宙人みたいだこれ


「はっはっは。引っ張りだこだな?」

「文字通りですかね。陛下、助けていただけませんか?特別室に直行で良いので、このままでは腕が引き千切られそうです」

「それは困るな。悪いが、その客人を運ぶのは私がやろう。何、この街の人間は人を運ぶ事は得意だからな。先に宮殿に戻るから後からゆっくり来るといい!」

「ぐへっ」

 僕の背中を片手で鷲掴み、そのまま走って宮殿に向かう陛下。待って?両サイドから引っ張られるのと鷲掴みで掻っ攫われてるこの状態ってどっちが扱い良いのか分からないぞ!?


「連れていかれてしまった……」

「ちっ、失敗したわね」

「でも宮殿に行けばまた会えますよね」

「追いかけよー!」

 残された4人の声が最後に少しだけ聞こえたが、とりあえずこれで何とかさっきの窮地は脱出出来たと思って良いだろう。この後は特別室(牢屋)にぶち込まれてそこから脱獄して泉を登録。早いかもしれないけどそのまま先に進む為のエリアボスに向かうのが良いかな?でもレベルが足りるかなぁ……




「助かりました。陛下」

「牢屋に入っている奴に感謝されるのは初めてだな!」

「でもやっぱり鍵は付けるんですね」

「鍵を掛けていれば、もし、もしも、この牢屋から脱獄したとしても我々は鍵はしっかり掛けていたと言える。まぁ、今からは祝勝会。見張りも全員参加で、檻も能力を送る相手が居ないから檻に入っていてもスキルと魔法は使えるだろうな」

 ニヒルな笑いの陛下。やれるならやってみろって事なのかな?



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― 新着の感想 ―
あれ。。ユイってなんだっけ⋯なんか記憶が飛んでいる⋯どこで出てきましたっけ?
[一言] やべえ、ハチ君それは浮気がばれたダメ男ムーヴだよw
[一言] 鍵かけたとしても深淵化したらどんな小さい隙間だろうとニュルポと抜けられる仕様 祝勝会でハチ君がいつの間にか真横にいて食べてる姿が確認されそう
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