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935/2007

キリエのとっておき

「さぁ、こっち!」

「あぁ……すまない」

 やっぱりまだ残ってたか。流石にニーニャさん1人だけじゃ対処しきれないとは思っていたから来て正解だったな。敵を探す時には邪魔に感じたけど、こういう状況になればブースト【察気術】で感知した人の場所が全部分かるのはかなり重要な情報になる。潰れた建物の中に居ようと見つけて救助出来る


「うわっ、瓦礫の隙間か……いや、見せられないとか言ってる場合じゃ無いな」

 粗方救助を終えて、最後の1人の救助を行おうと思ったが、最後の1つは潰れた建物の下から反応を感じる。単純に街の内側から救助をしていたけど、敵が来るのは街の外からなので、街の被害が大きい所は自然と外側になる。正直下敷きになってる人に残された時間はかなり少ないかもしれない。この場面では少しでも瓦礫を退ける手が欲しい


「【アビスフォーム】」

【アビスフォーム】を使い、背中に4本の触手。自分の深淵で4本追加。ポン君が動かす追加の2本の計10本の触手で瓦礫撤去作業を行う。自分の腕を増やしても瓦礫に届かないとか全然あるし、触手で良いな


「間に合えよ……」

 どうやったって僕のSTRが無い事は変わりない。【リブラ】を使っても正直雀の涙程度なので、大きな瓦礫は触手で破壊して小さくしてから退ける。これが今の僕には一番早いだろう。いきなり要救助者の位置までドリルで掘り進むなんて危ない事は出来ない


「よし!【解除】【ライフシェア】」

 要救助者の姿が見えたので、一応触手で周りの崩落を抑えながらその人を救助する。【アビスフォーム】を使用したままでは魔法が使えないので【解除】して、僕のHPの半分を与える。これで死ぬことは無いと思う


「これでもう大丈夫だな。あとは皆の所に向かわないと!」

 救助に時間を掛け過ぎて、戦闘が既に終わってしまっていたら流石にヤバい。急いで皆の所に向かわないと……紫電ボードで飛ばしていくか


「わぉ、ここからでももう目視出来る……デカいなぁ?」

 救助を終えて、街から紫電ボードで今度は皆の救援に行こうとそちらを向いたらそこに見えたのは地上に咲いた動く巨大な赤い花。いや、あれは口か?十字に開くタイプの口だアレ!


「今行きますよ!」

 花が咲いたり、閉じたりしている様に見えるその周囲には何かしらのエフェクトが見える。皆が戦っているからその魔法やスキルのエフェクトかな……




「遅くなりました!」

「「ハチ君!」」

「ハチ!」

「本当に遅いわよ!ちょっととっておきを使うからバトンタッチ!」

「了解です」

 キリエさんが銃だから一応は遠距離のメインアタッカーをしていたのかな?というかこのパーティ……ほぼ全員アタッカーしか居ないぞ?一応皆回復手段はあるんだろうけど、タンクとヒーラーが出来そうな人が居ない


「とりあえずちょっと張り付いて来ます」

 まぁ、タンクとヒーラー居ないと思いつつ、あの皆なら居なくても何とかなるだろうって思えてしまうので、ここは僕が敵に張り付いてヘイトを集めて皆の方に攻撃が行かない様に疑似タンクでもするか


「君ぃ、ぶよぶよしてるねぇ!運動足りてないんじゃない?」

【ラフライダー】によってミミズ……というかワームみたいな敵に張り付き、体中を駆け回る。目の前に居る敵と自分の体を駆けまわる敵。どっちが鬱陶しいかと言えば、自分のパーソナルスペースをがっつり侵略している体を駆けまわっている方だろう。煽りが聞こえていれば更に鬱陶しさマシマシだが、こういう生物って耳って付いてるのかな?




「たまにやるけど、ああいう時のハチは結構イラつくわよねぇ……自分にされてたらまず眉間に一発ぶち込みたくなるわ」

「でもお陰でこっちには攻撃が来なくなりました」

「ハチ君がヘイトを稼いでくれているから今の内に回復しよう。キリエ、とっておきを使うまでどのくらいだ?」

「用意だけなら10秒も掛からないわよ。展開したら移動が極端に遅くなるけど、まぁ大丈夫でしょ。いざとなったら頼むわよ。キリア」

「アハッ!まっかせてー!お姉ちゃん運ぶよー!」

「じゃ、あとはハチに任せて準備だけ進めておくわ。あんた達も一応逃げる準備をしておきなさい」

「「え?」」

「お姉ちゃんの新しいとっておきは凄いんだよ!ドカーンって!」

「「ドカーン……」」

 2人の頭に思い浮かんだのは爆破魔法を使うガチ宮。まさかガチ宮の様に自爆するつもりなのか?


「あんた達、まさかガチ宮と一緒だとか思ってないわよね?あんなのと一緒にするんじゃないわよ。私のはあんなのとは違うから」

 いったいどんな物なのだろうか?そしてそんな物を使うとしたらハチ君は本当に大丈夫なのだろうか?


「さぁ、死ぬ気で避けなさいよハチ……コイツは敵味方の区別なんて出来ないからね!私の今の全力でそのデカブツをぶっ殺すわ!」




「「ハチ君!」」

「えぇ?何?今ちょっと忙しいんですけど!?」

 敵の体を駆けまわってヘイトを稼いでいたらロザリーさんとアイリスさんが大声をあげて僕に何かを話しかけてきた。大声を出したらヘイトが移動しそうだからあんまりそういう事はして欲しくないんだけど……


「急いで逃げるんだ!」

「逃げてください!」

「え?いきなり?うわっ!なんだアレ!?」

 声を掛けてきた2人に注目していたけど、その横で体よりデカいんじゃないかと思う9連装ランチャーやスナイパーキャノンとでも言うべき武器を肩に担ぎ、ミニガンみたいな物を左右に浮かせたキリエさんが居た。なんだあの銃(重)武装!?キリエさん火薬庫になっちゃった……


「逃げろって事は……」

「行くわよ!」

 やっぱり全部ぶっ放す気だ!



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― 新着の感想 ―
≫「君ぃ、ぶよぶよしてるねぇ!」 確かにめちゃめちゃ苛立つ言い方ぁ!ww キリエさんのもし自分に言われたらって納得ww
[一言] >たまにやるけど、ああいう時のハチは結構イラつくわよねぇ……自分にされてたらまず眉間に一発ぶち込みたくなるわ …からのブッぱなし!? どこぞのハリウッドじゃないのですから、ほどほどにしてあ…
[一言] ちょっと長めなのです キリエ固有結界! ――― 体は殺意で出来ている。 血潮は火薬で 心は弾丸。 数多の戦いを越えて腐敗。 ただの一度も負けはなく、 ただ一人の理解者はされ…
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