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932/2009

組む相手

「ん、動いたか」

 岩場で休憩していたら、遂に動きがあった。横になっていたらなんとなく岩から振動を感じ取った。地震では無いと思うから流石にこれは敵の移動の振動だと思う


「敵は……結構な大部隊だな。まぁ、街を襲うって言うのならそのくらいは必要か」

 遠くに起こる砂煙。それと砂を泳ぐような集団……少し目を凝らしてみてみよう。うわぁ……サメ頭の人みたいなのが砂の中をバタフライしながら集団で泳いで来てる……後ろは見えないからミミズとモグラは地下を移動してるんだな。となると、まずはサメを止めないとダメだな


「まずは視界を奪うか。【ミスティックミスト】」

 まずは敵の視界を奪う。目の前にいきなり霧が出て来たら足止め効果もあるだろう。流石に急に現れた霧を無視して突っ込んでくる程馬鹿では無いだろう


「よしよし、【イリュジオ】【ジェミニ】」

 霧が出ている間に敵前方に【イリュジオ】後方に【ジェミニ】を展開する。僕自身は側面に回り込み、攻撃を仕掛けよう


「「はぁ!」」

 前方で大袈裟なバク転とか側転で攻撃を回避して注意を引く【イリュジオ】をよそ目に後方と側面から頭部に回し蹴りや踵落としで恐怖付与からの心臓抜きで1体ずつ確実にサメの集団を削っていく。ここはスピード勝負しないと後方の奴らがいつ合流してもおかしくない。地面の中からの強襲を警戒しないと行けなくなるから欲張らずに数体倒せればいいくらいの気持ちで戦おう


「「よし!」」

 素材を集めるなんて無駄な時間は取れない。2人合わせてサメを10体倒せた所で地面が結構大きく揺れたので、撤退だ。街とは別の方向に逃げてみるか


「「デカ過ぎんだろ……」」

 地面が爆発したような衝撃と共に地下からピンク色のデカい柱のような物が突然現れた。倒していたサメの死体とか、まだ残っていた生きているサメをそのデカい口で持って行ったから離脱して正解だったな。敵はやはり死体云々を盾に出来る様な相手じゃない。仲間と言うより利用しあってるくらいの関係性か?


「同士討ち上等ってか」

「これは苦労する訳だ」

 こっちは仲間に攻撃を当てない様に遠慮して射線管理とか立ち位置調整とかしなければならないのに対し、相手は別に巻き込んでも構わない、餌があるから喰いに行く。みたいな感じで利用しあってるだけで同士討ちしても構わないような動きをされるとこっちの味方同士で攻撃が当たらないように立ち回るのが難しくなる。それで苦戦する事になるんだろう


「とにかくあのミミズを何とかしないと……」

 動き出そうとした所で足の裏から振動を感じる。この振動はさっきのと違う。という事は


「対策は知ってるぞ?」

 踵から深淵を地面の中に伸ばす。ドリル状にして砂を掻き分け、そこに居る敵を貫く。ついでに【察気術】で地中の敵の場所を可能な限り把握して、そっちにも向かって深淵ドリルを伸ばして貫く


「砂の中に引き摺り込む敵が居ると聞いてるし、対策法も聞いてるからただ来るだけじゃカモだぞ?」

 槍を地面に突き刺すという、下手をすると武器を放棄するような攻撃で対処出来る事を聞いていたけど、僕の場合はそこまでリスクを負わなくても良い。足裏に振動を感じたなら足裏から深淵を出して敵を貫けばいい。さっきのミミズとサメの関係を見るに、一蓮托生の仲間と言うより、互いに利益があるからとりあえず一緒に行動してるくらいだと思う


「どうする?他の奴らとの連携は僕相手じゃ意味が無いぞ?」

 霧と奇襲によってサメが先制攻撃を貰い、ミミズが横槍を入れてこようとしたけど、結果としてサメがミミズに喰われるだけ。そして支援として僕の足を取ろうとした仲間が地中で死ねば……モグラは近寄ってこなくなるんじゃないかな?


「思考ルーチンが違うなら、この時点でサメとミミズに見切りを付けてもおかしくないはず……」

 食欲を満たす為にサメとミミズが動いていて、モグラは生存する為に動いているなら今からモグラ撤退は充分にあり得る。敵との戦闘は互角とかであれば今まで通りサメ達についていても多少のメリットはあるかもしれないけど、今回は一方的に負けただけ。利益なんて有りはしない


「ん、逃げたか……うわぁ」

「組んだ相手が悪かったなぁ……」

 足裏に感じた何かが接近してくるような振動は無くなった。代わりにこの戦場から逃げるように地面が凹んで道みたいな物が出来ていくと、サメがその道を追いかけて、地中からモグラを引きずり出し、喰らい付く。そしてそれを追いかけるようにミミズがそのサメやモグラを喰らっていた。仲間割れをしてたらそりゃあそっちを食べた方が楽だよなぁ……


「と言う事は、真正面から対応するというより、サポート役を潰して、逃がした方が勝手に潰しあってくれるかな」

 今のを見るに、こっちに損害が無い圧倒的に有利な状況か、モグラにだけ損害を与える様な状況に出来れば向こうが勝手に自滅してくれるかもしれない。これは今からモグラスレイヤーになるしかないな


「ドーモ。モグラ=サン。モグラスレイヤーです」

 1波はミミズがサメとかモグラを喰らって満足したのか何処かに行ってしまった。ちょっとしたら2波がやって来たのでモグラスレイヤー作戦を試してみよう



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― 新着の感想 ―
いつも思うんですけど、こういう戦闘って、頭の回転早くないと難しいですよね。ハチって瞬時に判断して適切な攻撃に変えるとかよくしてますが、これってよく考えたら結構すごいことではないかと。
[一言] アイェェェェェェ!ニンジャ!ニンジャナンデ!? 憐れ第一波は爆発四散!(散り散りだー!)
[一言] ただ利用し合うだけの関係なら、ハチ君(ジェミニ)と組んだハチ君の敵ではないのだ!
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