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918/2007

ニャラ様からの課題

「僕、食べられたのか?」

 ほぼイメージで話しているけど多分ニャラ様に食べられたよね?


「という事は、ここはニャラ様の中?」

「ご名答!」

「おー、ミニニャラ様だ。ってやっぱり食べられたのか……にしてもそれならなんで死んでないんだ?」

 普通に食べられたらその時点で消化器官に行くから死ぬとしか思ってなかったけど……


「それはね。私がニャラ様だからだよ。自分の体を作り変えるなんて訳ないのさ。それで、どうだい?ハチ君の深淵強化ダンジョンだよ~?」

 自分の体の中をダンジョンに変えるとか凄いな?そういう事も出来るのか


「ここでは簡単なルールがほんの少しだけあるよ!まずはその1。このダンジョンでは深淵だけを使ってもらうよ。深淵を纏っていればそれで殴るとかもオッケー!」

「なるほど?」

 深淵を鍛えると言う事で攻撃方法としては深淵のみか。体に纏わせておけばいつでも攻撃自体は出来るだろうけど、多分ずっと深淵を纏う操作するのは負担になるかもしれない。戦闘になった瞬間に深淵を纏うか?


「その2。たまに敵じゃないのが出てくるからそれには攻撃しちゃダメ。でも、それはハチ君の深淵を近付けないと分からないよ」

「攻撃したらダメな存在が紛れてるんですね」

 しかも僕の深淵を近付けないと判断出来ないって事は攻撃を仕掛けてみないとそれが敵か攻撃してはいけない奴なのか分からない。だから攻撃にキチンと制動を掛けられるのかの訓練か


「その3。制限時間を設けるつもりは無いけど、出来るだけ早めに帰って来てね~」

「……」

 一応は体内みたいだし、早くしないと消化されたりするのかな……


「それじゃあ、脱出目指して頑張って!」

 ミニニャラ様が地面に潜ってその場から居なくなった。とりあえずこのニャラ様ダンジョンは深淵を纏い続ける持久力か瞬間的に展開出来る瞬発力、それと深淵の制御が訓練出来そうだな……まずは方向性を決めよう


「一応深淵を出し続ける事は出来るだろうけど、持久力より瞬間的に展開出来た方が相手の不意を突く能力が上がりそうだし、そっち方面で頑張る形で行ってみるか」

 瞬発力と急制動。【アビスフォーム】はテクニカルな面は確かにあるが、深淵のパワーで押し切る様な事が結構あるし、パワー系寄りだろう。僕が目指すのはスピード&テクニック系になるのかな?


「脱出を目指せって言われたから何処かに出口があるんだろうけど、今はどういう敵性存在が居るのかを確認しないと」




「うわ、何だアレ……」

 蛇の塊とでも言うべきなんだろうか、何本もの触手の様な物が絡み合って玉の様になっている。アレが敵……いや、まだ分からない。あの中から急に攻撃しちゃいけない存在が出てくるかもしれない


「まずは1発仕掛けてみるか」

 どっちにしても第一魔物。こっちからご挨拶に出向こう


「はっ」

 何処が正面か分からないけど、何となく動きで地面を見ている様な気がしたので、上を取って踵落とし。上を取っている間に足に深淵を纏わせる


「いや、一発目からかい!?くぅ……」

 足が触手玉に当たりそうになった時に、急に触手がシュルシュルと解けて地面に落ち、その中からイベントの時に有った魂みたいな物が出てきた。これいきなり攻撃しちゃいけない奴を引いた気がしたので、足を横に逃がして地面に踵落としをした。外した時これ結構痛いんだよなぁ……


「これだけ直前にならないと分からないとなると、攻撃を止めるのって人間に出来るのか?」

 多分、攻撃してから本当にコンマ数秒あるかないかのレベルでそれが攻撃して良いのか悪いのかが分かるとするなら、割と強めに攻撃しようとしたら自分の攻撃を止められないだろう。腕を振り下ろす時にここで止めるみたいな合図が急に出てきたとしても、それを認識してから腕に止める制御を掛けたとしても車のブレーキみたいに止めようと思っている空走距離と実際に止めるまでの制動距離みたいな物がほんの少しだけ生まれる。今のは敵に攻撃を振り下ろした時に咄嗟に横にずらしたお陰で攻撃は止められなかったけど当てずに済んだが……


「思考と同時に体を止めるレベルでの制御は流石に無理があるだろうし……ある程度予想を立てて動くとかは出来るけど、そんな生半可な事でニャラ様が用意した敵に攻撃したら間違いなく反撃を貰うよな……」

 ここはスパルタ特訓する場所だから相手が敵かそうじゃないかの予想を立ててー…なんて事じゃない気がする。今までも人の限界を攻める様な事をしていたから今回もそういう事なんだろう


「深淵でしか攻撃しちゃいけない……そうだよな。深淵を纏わせるだけが手段じゃないか」

【アビスフォーム】でもやってたみたいに触手という自分の体には無い部位を操って攻撃をしていたんだからそれを伸ばす方向性が今回必要なのかも……


「深淵が思考をダイレクトで伝えているとするのなら制動は肉体より高い可能性もあるのか?」

 深淵を操る時は頭の中でどう動かすか想像しながらやってるけど、その理論で行くのなら、思考が止まれば深淵の動きも止まるとも捉えられる。となると、脳からダイレクトで指示が伝わるなら体に伝わる伝達速度より早い可能性もあるし、伝達が止まった瞬間に動きを止められるならいきなり100から0みたいな急制動も掛けられる可能性も出てくる。それならばヤバイと思った時に人間の体の構造上だと攻撃の動きを止められないけど、深淵なら攻撃が届く直前で止める事が出来る……?


「やってみるか!というかやるしかないでしょこれは!」

 今までは攻撃は当てるつもりでしか攻撃してなかったけど、本気で当てるつもりでの急制動フェイントなんかが使えれば、相手のタイミングを合わせる系の防御スキルの不発とかを誘えるかもしれない。これは練習しない手は無いな!ニャラ様は今回僕に深淵の繊細な操作を覚えさせる為にこのスパルタ特訓を組んでくれたんだなぁ……



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― 新着の感想 ―
[一言] ニャル様絶対四苦八苦ぶりを(・∀・)ニヤニヤしながら見てるでしょこれw
[一言] ハチ自体を深淵を使ってスライム状にするとか?
[一言] ニャラ様の予想を超えた成長をするハチ君であった?
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