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906/2008

空島イルミネーション

「僕のプライバシーが完全に無視されてるんですが?こっちは作った料理を目の前で食べてしまうって事をしても別に構わないんですけど?」

「鬼かよ……」

「すみません、調子に乗り過ぎました」

「ごめんごめんて……」

「あぅ……」

「まぁ最悪謝ってくれた飯綱さんくらいなら別に良いですけど、管理の面から考えてもウカタマにあげるより飯綱さんにあげた方が1人では来難いだろうし」

 飯綱さんについてくる形じゃないと出来たては食べられないみたいな感じにしておけばウカタマが仕事を放置するって事も少なくなるんじゃないかな?まぁそれでも可能であればキッチン速報は広めたくはない


「皆だって料理くらい出来るでしょ?自分で料理してみたらいいじゃないですか。僕だって最初は芋の皮すら剥けなかったんですから、やれば皆も出来るようになれますって」

 そうだ。逆転の発想で僕のご飯が食べたいじゃ無く、自分で自炊出来るようにしてあげれば良い。料理を教える方が良い気がしてきた


「僕が軽くでしたら教えますけど?」

「うーん、教えてもらえれば嬉しいが……やっぱりハチの味が何か一番落ち着くんだよな」

「そうそう!ハチ君の料理は味が美味しいし、食べてると落ち着くんだよ。自分で作るのも良いけど、ハチ君の料理だから誰よりも先に食べたいって思ってる」

「ハチさんの料理はそれ程何度も食べた訳ではありませんが、味付けが絶妙ですし、この前頂いたレシピである程度我々でも味の再現が出来るとは言え、やはりご本人には敵いません。今一度ハチさんの手料理を食べて学びたいと思います」

「わ、えと、あの、食べたいです!」

 なんかむずむずするなぁ……


「仕方がないなぁ!今回だけだぞ~?」

「「「チョロい……」」」

「やったー!」

 今回だけ今回だけと今後もそのたびに折れてしまうかもしれないけど、まぁいつか教えられたらその時教えれば良いか。なんだかんだ言っても僕は結局の所皆に笑っていて欲しい。無理やりやって料理嫌いになって欲しくはないし、今回は僕が折れよう


「モルガ師匠1人くらいなら正直誤差の範囲と言ってしまえるけど、これが3人4人と増えていくと、何人分作れば良いのか分からなくて1人分しか作って無いのに4人やって来たってなったら喧嘩になっちゃうし、4人分作ったのに誰も来なかったとなってしまったら食材は無駄になるし……だから沢山の人に配るのは止めて欲しいって事なんだ。そもそもモルガ師匠の分だって無駄にならないのが2人分くらいだから作ってるだけだからね?」

 どれだけ流され様とも、これだけは伝えておかなければならない。あくまで僕が料理しようとした時に必要な分を作ったあとで、余剰分を作ってそれを食べてもらうとなると、その人数が常に不規則だと計算が狂う。だから狂った所で問題ない量であるモルガ師匠1人分なら構わないけど、増えられると困るんだ


「んー、んー、そういう事なら皆ごめんね?これ以上ハチに迷惑を掛けたらまたいつおやつ抜きにされるか分からないからキッチン速報は皆には渡せないや」

 分かってきたじゃないか。何度もおやつ抜きを盾に警告してきたからモルガ師匠も学んだようだ


「仕方がないな。諦めるとしよう」

「ハチさんもお店ではなく、善意で作って下さってるだけですからね。分かりました」

「そ、そうだな。良くないよな!」

 ロザリーさん完全に同意ボットみたいになってる……


「とりあえず今から適当に何か作りますから、見るなり席に着いて待つなりどうぞ」

 一応クリスタルピナスの礼もあるし、何か料理を振舞ってあげよう




「ふぅ、こんな所かな?」

「ハチ君これは……」

「あぁ……あわわぁ…」

「お、美味しそう!」

「ぐへぐへ、今日は一段と美味しそう!」

 鶏のから揚げ、フライドポテト、ポテトサラダ……まぁスーパーで売ってるオードブルの盛り合わせみたいなラインナップを作ってみた。結果として皆もうよだれが出そうになっている


「さぁ、くじ引きで誰が食べられるか……」

「「「「えっ」」」」

「……なんて事はしないから、好きに食べて行って。一応日頃の礼って事で!」

 くじ引きの箱を取り出した瞬間の緊張感は流石にくじ引きしてとは言えなかったので、箱を仕舞ってそのまま皆には食べてもらおう。不幸せになるサプライズは要らない


「ウカタマ。クリスタルピナス見せて」

「はいよ。頂きまーす!」

 クリスタルピナスを1つ浮かせて僕の所に飛ばしてきた。ご飯食べてて両手塞がってるからってそういう事も出来るんかい……


「うわぁ、綺麗だなぁ。本当にクリスタルで出来てるみたいだ……これが植物って言うんだから面白い」

 ほぼ透明なそのルピナスはしっかりと植物として植木鉢に根を張り、立っている。葉っぱも触ってみたけど普通に水晶みたいに固くなく、柔らかい。これが夜になって人が近くを通ると光るって言うんだからこれを通りの店先に置かせてもらうだけで幻想的度合いは一気に増すだろう


「よーし、早速配置して来るかな」

 空島の店にクリスタルピナスを配置する為にも店を出している人達の所を回らないとなぁ



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― 新着の感想 ―
[一言] 断食神回避!次はおやつ抜き師匠も大人の対応をしてくれる事だろう!?(やっぱりやらかす未来が見える)
[一言] 今回は抽選無しで食べて良いけど、今度からは一応正規の人数+1名分だけ作るから、その一枠はお預け師匠も含めて次回から抽選って事でよろしく(笑)
[一言] 空島環境に幻想的な華やかさがプラス! こんな素敵なところに来られないなんて、元勇者軍の人達は可哀想だな〜仕方ないよな〜敵だったんだし(棒)
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