表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
903/2049

優勝賞品どうするか

「そうだ。レースをするなら何か優勝賞品とか用意した方が良いかな?」

「おぉ!何を用意するんだ?」

「何を用意しようかな……」

 一口に優勝商品と言ってもどんな物が喜んでもらえるだろうか?単純にお金、何か色々使えそうな素材アイテム、装備品、トロフィー……色々考えられる。但し、これをあまり凝り過ぎたら次回開催する時のハードルが上がってしまうから嬉しいけどそこまで使える様な物じゃない方が良いだろう。そうなるとやっぱりトロフィー系が妥当かもしれない


「トロフィー作ろうか。バイクの形にするのが良いかな?」

 バイクが前輪を上げているウィリー状態のトロフィーならレースで勝ったって分かりやすいかな?


「いや、でもこれで馬とかに乗ってる人が勝っちゃったらバイクのトロフィー貰っても……ってなるか。その場でトロフィーを作れれば一番良い……あっ!そういえば良い人居るじゃん!」

 金属を粘土の様に扱える人に1人心当たりが有りますねぇ!


『トーマ君、少し相談したい事が有るんだけど、今から空島で会えるかな?』

 とりあえずこれで返事を待とう。坑道で軽く金属を集めとこう




『すみません!ちょっとレベル上げしていて気が付きませんでした!今から行きます!』

 レベル上げ頑張ってる最中に声を掛けてしまったみたいだ。それだとちょっと悪い事したかなぁ……まぁ、広場に行くか


「すみません、遅くなりました」

「急に声掛けてごめんね。トーマ君に頼みたい事があってね」

「なんでしょう?自分に出来る事なら何でも言ってください!」

 トーマ君の獣人系キャラメイクのケモミミと尻尾のせいで忠犬感が凄い


「実は今度あそこに新しく出来たサーキットでレースを開催するんだけど、その時に優勝した人にトロフィーを渡そうと思ってね?それで勝った人が乗ってた乗り物をモチーフにしてトロフィーを作ろうと思ったんだけど、僕にそこまでの加工技術が無いから、トーマ君の錬金術で金属をぐにゃぐにゃにしてこう……トロフィーに出来ないかなぁって」

 細部まで再現するならトーマ君の技術が一番適していると思う。だから声を掛けたのだ


「なるほど、確かにそれなら錬金術は結構使えるかもしれません。当日その場でトロフィーを作るって事ですよね?」

「そうそう、出来そう?」

「うーん、完璧にとなると少し難しいかもしれません。凡その形にするくらいなら手で何とかなりますが、それ以上になると流石に型に取るとかそういうモノが無いと難しいかと……」

 そうか……確かにトーマ君は手で金属を捏ねるという事が出来るが、それで金属を捏ねて、車やバイクの形にするのは難しいだろう。現実でだって粘土でバイクの形を作れって言われても僕は作れる気がしない


「型が取れればその型に金属を押し込むような感じで何とかなりそうかな」

「それなら何とかなるかもしれません」

 目の前でトロフィーが完成した方が受け取る側は嬉しいだろうし、ここは妥協したくないな


「あ、ドクターなら何か知ってるかも」

「よし、それならドクターも呼ぼう」

 どんどん関わる人が増えてくぞ~?




「最近空島に入れなくなっていたので心配しましたよ。でも元気そうでなによりです」

「ドクターもお変わりなく……では無いみたいですね?その装備は」

 ドクターの白衣の中にナイフみたいな物がズラッと見えたし、背中にもかなり大きめのメスみたいな刃物を背負っている。ドクターのバトルモードみたいな?


「ええ、実験をする為の素材集めとかをする為に色々と危険な所にも行かなければならなくなってきたので戦闘用です」

「なるほど……前みたいに薬品を投げるスタイルとは変えたんですね」

「前のスタイルに追加という形ですね。薬品を投げ、防御力を下げた所をこれで切ると結構な確率で欲しい物がドロップするので」

 何らかの特殊効果が付いているという事はあの背負っているメスもレジェンダリーかユニークな装備と言う事だろうか?


「それは使いやすそうで良いですね。おっと、話がズレてました。ドクターに相談があるのですが……」

「はい、どんなご用件でしょう」

「実はですね」

 トロフィーを作るのに必要な目の前にある物の型をその場で取り、縮小する事が可能な物とかないか聞いてみた


「なるほど……縮小可能な型ですか」

「前にドクターが使ってたカメラみたいな物が使えるんじゃないかと思いまして……」

「あぁ、これですか」

 そう言ってドクターが取り出したのは凄く古風な社会とかの教科書に載ってそうな蛇腹が付いているカメラを取り出した


「確かにこれなら何とかなるかもしれません」

「それはいったい?」

「これはインスタントサンプルカメラと言いまして、撮った物の複製を掌サイズで出す事が出来るカメラなのですが、複製を出すと10分程で形が崩れてしまうので例えばレアなモンスターを発見した時とかに写真に撮って、帰ってきたら複製を出してそれを描いてこんなモンスターが居たと報告する時とかに使えるらしいです。今はギルドカードやプレート自体に記録媒体があるのでこれは既に使わなくなった物らしいのですが」

 昔はどんなモンスターかを発見したらスケッチでこんな奴。と記録していたみたいだな?それが時代が進んでその必要も無くなったから使われなくなった物だと……でも、今の僕達にはこれはかなり使える物な気がしてきた


「優勝者の乗り物をそれで撮って」

「それを原型に型を作って」

「その型に金属を詰め込めば……トロフィー完成しそうですね」

 型とトロフィーの素材を変えればトーマ君の錬金術で何とかなりそうな気がしてきた。これで優勝賞品は作れそうだ!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 即興で作る、技術の粋を集めた優勝賞品か…… サーキット初お披露目記念レース限定の激レアアイテムになりそうですね 変なデザインのマウントアイテムで優勝しちゃって、「なんで俺はこんなのに乗って…
[良い点] ハチくんに関わった生産職、有能な上に戦闘力もバカにできないと思ってたらドクター!?!?
[気になる点] いや、普通にハチ君の手作り料理で十分なのでは?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ